にののシステム科学講座

発達障害、家族、生活のあれやこれやをテーマにレポートします。

保護者に愛着形成について助言する幼稚園・保育園ってどうなんだろう。

長女は年中の頃、幼稚園に通っていました。その時の担任は、幼稚園教諭経験5年程度の若い男性(ここでは「A先生」と言います)。

 このA先生との間で行われた個人面談で私はこう言われました。

「お母さん、お仕事も忙しいでしょうけどもっと長女ちゃんのことをみてあげないとダメだと思います。長女ちゃんは寂しいのかもしれません。」

 すごくショックでしたし、傷つきました。

当時から自分の母親業に自信がなく育児に関し試行錯誤していましたが、私がフルタイムで働き、長女が保育園に通っていた頃に比べれば、長女と向き合う余裕もできており、このように言われるとは全くもって予想外のことでした。

 

幼稚園の預かり保育を利用することについての悩み

A先生は、どのような長女の様子から「長女をもっとみてあげた方が良い」と思ったのか説明はなかったし、私からも聞いてはいません。

何故なら、その時私は長女の指しゃぶりが原因でそう言われたと思い込んだからです(実際そうなのかもしれないけど)。

 

指しゃぶりは子どもが不安を抱えていたり、寂しい思いをしていることが原因だと言われることが多いと思います。

当時、長女はしょっちゅう幼稚園で指しゃぶりをしているようで、私はそのことを気にかけていました。

 

さらに当時もう一つ気がかりなことがありました。私が日中仕事をしていたため、幼稚園の預り保育を利用し、長女は毎日17時頃まで幼稚園で過ごしていました。

 

保育園であれば、夕方までたくさんの友達と先生に囲まれて過ごせるところ、幼稚園では14時に幼稚園が終了した後は、多くて20名少なくて数名しかいない園児たちでひたすら自由遊びをしてお迎えを待つのです。

 

預かり保育は幼稚園のおまけ的事業ですから保育体制は手薄で、長女が楽しく充実した時間を過ごせているかどうかをいつも気にかけていました。

 

 

深まる悩み

このような気がかりがあったところ、A先生からダメ出しされたために、私は長女に適切な生活・保育環境を与えることができていないのかと悩み初めました。

 

長女の幼稚園では母親が子どものために多くの時間を費やすことが尊ばれる雰囲気があり、働く私は完全にマイノリティ。私はいつもその雰囲気に息苦しさを感じていました。

そして「なかなか幼稚園というものに馴染めない自分=母性の欠如」と考えることもありました。

 

 そしていろいろ悩んだ結果、その数ヵ月後に長女をこの幼稚園から保育園に転園させました。

 

娘の担任が親をジャッジすることはできない

何故A先生は「長女が寂しい」と私に話したのか?

私は自分に丸投げされたその発言をバカ正直に受けとめ、長女のお迎えを早め、一緒の時間を過ごすよう努めました。

もしかしたらA先生は愛着形成の大切さを私に言いたかったのかもしれない。でも、当時私は「愛着」についてよく知らなかったし、私自身、親との間で適切な「愛着形成」がされたとは言い難く、実際どうすれば良いのかわかりませんでした。

 

A先生は「仕事が忙しいでしょうけど」とフォローのつもりで前置きをしたかもしれないけれど、私が有職であるが故に長女と関わる時間が少ないと話すこと自体おかしい。

子どもが仮に寂しい思いをしていたとしても母親が働いているかどうかは関係ないし、基本は子どもへ質の高い応答をすることだと思うけれど、子どもへどう関われば愛情が満たされるかはその子の特性にもよると思います。

例えば長女の愛情の器は大きく、私の不器用な愛情表現ではなかなか満たされない一方で、次女の愛情の器は小さく、ちょっとギュッとすればあっという間に満たされる。

そういう違いは存在すると考えています。

 

 A先生が本当に長女のことを心配してくれるのなら、長女を心配する理由を具体的に話し、その解決策を一緒に考えてくれたら良かったと思います。

 

Twitterで知りましたが、子どもに問題行動があるとそれを愛情不足とか発達障害、愛着傷害だと親に指摘する幼稚園や保育園があるようです。

それは親自身を育児についてネガティブにさせ、追い詰める台詞にしかならないと思います。しかも子どもにとって何のメリットもない。

実際、私自身も相当傷つきネガティブになり、その果てに保育園に転園させましたしね(保育園への転園は親子共々プラスの結果になりましたが)。

 

「愛着傷害」や「発達障害」は素人には診断できないはずです。

仮に幼稚園側が園児にこれらの障害を疑うなら、その子の特性に応じた関わり方を園内で実践し、必要に応じてその経緯を保護者に伝えることも一つの方法かもしれません(障害があることを前提に話すのはNGですが)。

 

基本的に幼稚園教諭や保育士は保護者の育児をジャッジする必要はないと思います。

誤解を招く言い方かもしれませんが、あくまでも園内で起きた問題行動は、家庭の問題ではなく園内の問題として子どもが園で健やかに楽しく過ごせることを目標に対応することが先なのではないでしょうか。

 

保育園の子どもへの関わり方

長女は幼稚園から保育園に転園してまもなくASD(自閉症スペクトラム)と診断されたため、保育園に長女への関わり方の工夫をお願いしました。

その後、保育園は何か問題があれば長女の特性を踏まえ対応し、その結果どうなったかを私に報告してくれました。

その対応が上手くいかなかった時もそう報告し、私に対応方法のアドバイスを求めることもありました。

 

けれども、おそらく障害があると私から報告を受けなくても基本的には同じように長女に対応してくれたと思います。

問題があれば然るべき対処をし、その経緯を保護者に報告する…ある意味クールなところが良い保育園だと思います。

 

診断を受けたばかりの頃は、特段長女が困っていなくてもあれもこれもと長女への支援の必要性について主張したがる親でしたが、保育園の冷静な対応により、私自身もクールダウンできました。

 

ninono0412.hatenablog.com

 

おわりに

長女が幼稚園にいた頃は、育児に関して迷走してばかりでした。けれども発達障害と診断された結果、子どもとの関わり方を根本的に学び直すことになり、今は「育児とは?」と悩むことも少なくなりました。

今もいろいろ上手くいかないことは多いけれど、長女に必要な関わり方や長女との愛着形成について診断前よりは理解しつつあるように思います。

 

もちろん、診断をされたことはショックで辛いことではあったけれど、昔A先生が言いたかったことが、今はなんとなく理解できるようになったし、ひどいこと言われたもんだと思えることは大きな進歩かもしれません。 

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