<緊急対談・後編>国民民主党・玉木雄一郎×経済学者・高橋洋一「財務省、財政タカ派の常套句『日本は財政難』は本当なのか?」
共に元財務官僚の国民民主党衆議院議員・玉木雄一郎氏と、小泉内閣と安倍内閣で財政改革を主導した異能の経済学者・高橋洋一氏。緊急対談の前編では、”103万円の壁と“取りすぎている税”問題について、鋭く切り込んだ。後編では財務省の裏側から、あのスキャンダルまで…意気投合した2人は止まらない!
(※この対談は12月17日発売週刊SPA!から、加筆・修正を加えた前後編の後編です)
【前編を読む】⇒国民民主党・玉木雄一郎×経済学者・高橋洋一「103万壁問題だけではない。ひっそり取られる、”ステルス増税”もぶった切る!」<緊急対談>
高橋:昔は政府のバランスシートがなかった。たまたま1990年から財政投融資改革をやることになったんだけど、バランスシートがなければできない。それで実際作ってみたら、資産がたっぷりある。何が問題なんですか、と上司に言ったら、「黙っておけ!」と言われました(苦笑)。結局、国のバランスシートの存在は10年ほど公表されなかったんだけど、小泉内閣のとき、30兆円ほどの赤字(フロー)を見た小泉(純一郎)首相が、直感的に「大したことない」と言っちゃったものだから、財務省が大騒ぎになった(笑)。小泉さんに政府のバランスシートがありますよと見せて、「財政赤字は大したことない」と私も伝えたら、「高橋くん、こんないい話があるのにどうして言わないのか?」と言われたから、「黙ってろと言われました」と返事しました(苦笑)。
玉木:今は公表してますね。
高橋:うん、それから公表するようにはなったんだけど、マスコミはそれを見ても理解できないし、財務省もレクしない。実は、政府のバランスシートは政府単体のものではなく、いわば関係会社を含めたもので、現在の数字だと債務がざっくりと1500兆円に対して資産が1600兆円くらい。だから、何の問題もない。逆に、財務省は「問題ない」とは絶対に言わない。安倍内閣のとき、安倍さんが「高橋さんの話、すごく合理的だ」と言うから、「じゃあ、外国人に言ってもらいましょうか」とノーベル経済学賞学者のジョセフ・スティグリッツを呼んで、経済財政諮問会議で話してもらったんだけど、なぜか広まらなかった。現在ではIMF(国際通貨基金)もそのときの数字を公表している。簡単に言えば、IMFは「日本の財政は、借金は多いけど資産も多い」「先進国の中では2番目にいい状態」と明言してます。