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元AKB48・岡田奈々が「裏切りの優等生」に込めた思い

AKB48を卒業した岡田奈々が、ソロアーティストとして本格始動する。11月7日リリースのデビューアルバム『Asymmetry(アシンメトリー)』は、自身の二面性をイメージして、全曲作詞に挑戦した。なかでもリード曲の『裏切りの優等生』には、「私も1人のニンゲンだったの」と彼女がAKB48時代に抱えていた葛藤が赤裸々に表現されている。今だから話せるアイドルの自分、卒業間近の週刊誌に関する騒動などを振り返りながら、彼女自身の飾らない言葉で“岡田奈々の現在地”を語ってもらった。

私は良い子じゃないし、優等生でもない

岡田奈々――ソロアーティストとして新たな一歩を踏み出すわけですが、今の心境から教えてください。 岡田 私、AKB48のオーディションを受けるときに「歌手になりたい」って実現することが難しいと思いながら書いたんですよ。それが実になって、自分が1番驚いてます(笑)。AKB48時代は誰かが体調を崩したら、誰かがカバーしてくれたんですね。でもソロになった瞬間、私が潰れてしまったら誰も代わりがいない。そこは大きな違いだと感じています。 ――アルバムのタイトル「Asymmetry」は岡田さんが考案した。 岡田 はい、左右非対称という意味で、人間というのは誰しもが二重人格じゃないですけど、二面性があると思うのでそれをイメージして決めました。 ――岡田さんもAKB48時代にアイドルの自分と、本当の自分との乖離に複雑な思いを抱えていたとお聞きしました。どういう部分がそう感じていましたか。 岡田 表面的な話でいうと、髪を染めたり、髪を切ってはダメだと言われていたんです。でもそれは、人の個性を奪って縛ることじゃないですか。その時点で、私はグループに向いていないのかもしれないと疎外感を感じたことがありました。ただ、何がきっかけかは覚えてないんですけど、気づいたら髪色も自由にしても怒られなくなって。そこからはわりと自由にソロ活動も含めてやらせてもらえるようになりました。 ――アイドルの岡田さんを知っているファンからすると、「48グループの風紀委員」というほど、真面目でストイックなイメージは強かったですよね。 岡田 そう言われることが多かったです。でも、「私は良い子じゃないし、優等生でもない。そう見えてしまうのはなぜなんだろう……」って、ずっと不思議に思っていました。だから、リード曲『裏切りの優等生』では、みんなのイメージと本当の私は違うんだよっていうメッセージを伝えたかった。

週刊誌報道とバッシングには「怒り、悲しみ、虚しさ」

――どのタイミングでこの曲を書こうと思われたんですか? 岡田 週刊誌に撮られて大バッシングを受けていたときから、携帯のメモに自分の気持ちを殴り書きしていたんです。そこからアルバムの制作にあたり、100曲ぐらいのデモ音源を聞いたなかかで「このテーマに沿う曲はこれしかない」と思うものに出会って作り始めました。 ――書き殴っていた、ということは怒り? 岡田 怒りが大きかった。それと悲しみ、虚しさ。それが全部歌詞に入っています。 ――何が1番悲しかったんですか。 岡田 私は今まで嘘をつかずに生きてきたんですけど、「噓つき」「裏切りもの」だと言われたこと。それがすごく傷つきましたね。もともと私はオープンな性格なので、「女の人が好き」というセクシャリティなこともオープンにしていたし、それが偶然に一緒に歩いていた人が男性だっただけで、こんなにもバッシングを食らわないといけないのか。理解ができなかった。もちろん、言えないことはあります。だから曲の表現として自分の思いを歌詞に乗せて、アンチにたいしても、大切なファンにたいしても伝えたいという気持ちになりました。
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実は「AKB48イチの酒豪」だった!?
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