【番外編】シン・ゴジラは「ガラパゴス映画」なのか
NewsPicks編集部
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今の段階で、香港、台湾、シンガポールと比較し「ガラパゴス」とは、あれほどのリアリティをもって創り上げた作者に、さすがに失礼なのではないか? たとえば、黒澤明の「羅生門」がはじめから、すべての国で受け入れられたかといえば、それは違うだろう。
売れた・売れないという表層的な軸で、数字だけを追うのではなく、これが「エヴァンゲリオン」のように、新たな創作軸をもつ作品として理解されるかどうか、という視点で、各国での反響を論評してみると、この映画がもたらす影響、そして日本映画の位置付けを、より深く描き出せるようになると思う。リーダーシップがないリーダーの存在とか、危機的状況でも法律とか制度とかにとらわれるエリート、というキャラクターは日本以外では通用しないでしょう。少なくとも映画のキャラにはならないし、共感されない。
この映画、日本で観たとき、あっという間の2時間を堪能して非常に好きになってしまったので、アジアでも共感というか、反響が広がるだろうとすっかり思い込んでいたので、そのあまりの落差というところでけっこうビックリして、そこがこの原稿の出発点になっています。シン・ゴジラの世界での評価が固まってくるのはもちろんこれからですが、これだけ日本でヒットしているなかで、「海外ではどうなんだろうか」という疑問は誰の心にもあるのではないでしょうか。そんなところに、ファーストタッチの素材を提供しようという狙いで執筆しました。