2024/12/30

増える「粉飾からの倒産」、時代を映す

帝国データバンク 情報統括部 情報編集課長
2024年は、倒産の年だったと言える。
年間の倒産件数は、11年ぶりに1万件に迫る勢いだ。
11月までのすべての月で、前年同月の倒産件数を上回っている。
船井電機やビッグモーター、医療脱毛のアリシアクリニックなど、注目を集める倒産も相次いだ。
船井電機本社、大阪府大東市(写真:帝国データバンク)
倒産の理由は、時代を象徴している。
例えば「物価高倒産」。
原材料や人件費の上昇を価格転嫁できない中小企業が経営に行き詰まった。
また「粉飾倒産」も相次いだ。
実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」で実力以上の債務を抱えた会社が返済に窮し、金融機関に支援を求めた際に粉飾が発覚し、そのまま倒産してしまう。
プラスチック代替の素材メーカー「環境経営総合研究所」は粉飾決算が発覚し、250億円近い負債を抱えて倒産した。
倒産を振り返れば、企業が直面する状況が分かる。
帝国データバンク情報編集課長の内藤修氏が、24年の倒産と、25年の先行きを解説する。