NHK契約収納費に年間700億円、ネットフリックスの国内売上720億円で考えられること
KNNポール神田です。
NETFLIXの日本国内での年間売上が720億円
NHKの受信料を回収するための年間費用が700億円
…もしも、ボクがNHKの経営委員会であれば、真剣にNETFLIXに以下のディールを申し込むことだろう…。
まず、事業提携戦略として、コンテンツの相互配信と国内での売上保証を提案する。NHKのテレビ放送でNETFLIXの番組が毎週放送される。NHKオンデマンドだけでなく全アーカイブをNETFLIXで全世界に各言語で配信される…。
何よりも…NHKの受信料を払えば、NETFLIXが無料となるのではないだろうか?
そんな経営モデルを妄想してみたい…。
ネットフリックスがハリウッドに頼らない世界のクリエイター作品を全世界に配信し人気を博している。これは映画の興行の世界を大きく変革しはじめた。なんといっても、ユーザー行動を把握した上でのレコメンド機能が、計画された映画の興行や、編成された放送スケジュールではないメディアの強みを生かしている。
さらに、コンテンツを活かしたゲームの配信を2021年11月より行う。
■NETFLIXの年間世界売上2.5兆円 しかし、日本国内は600万人、720億円の売上だ
NETFLIXの世界の会員は190カ国、全世界で2億1,356万人のユーザーを保有する。
2021年度は通期の売上は、250億ドル(2.5兆円)だった。
約2億人を一人あたり月額1,000円で見積もると、月額で2,000億円、3ヶ月で6,000億円。年間で2.4兆円の売上となるので、ほぼネットフリックスの売上は『人数×@1,000円×12ヶ月』で類推することができそうだ。
日本におけるNETFLIXのサブスクリプション数は約600万人と考えられている。
すると、日本のNETFLIXの売上は、一人あたり1,000円で考えると、月額で60億円、年間では720億円の売上を推定することができる。つまり、『600万人×@1,000円×12ヶ月=720億円』のフェルミ推定が成立する。
『日本のNETFLIXの年商は720億円』としてまずはご記憶いただきたい…。
また、NETFLIXといえども、米国のテレビのシェアでは、ストリーミング勢力の28%のシェアの中で熾烈な争いを展開中なので、常に世界展開を視野に入れている。
■NHKの受信料の取り立て費用は年間約700億円
一方、NHKは放送法によって国民が受信料を負担することによって成立する『公共放送』であり、
NHKの2021年度の事業費予算6,900億円のうち、受信料の負担率は6,714億円で97%に及ぶ。むしろ、政府からの交付金は、たったの38億円(0.55%)は、もはやもらう必要はどこにもない…。もらうことによっての忖度のデメリットのほうが多い。
また、現在、2020年度のNHK単体決算において、受信料は前年度比で▲220億円の減収となっているのだ…。
https://www.nhk.or.jp/info/pr/yosan/assets/pdf/2021/siryou.pdf
NHKの受信料の支払い率は81%であり、19%が支払っていない。
そしてその19%の未払いをふくめ受信料の収納費用が698億円と、事業支出の約1割を占めている。
700億円かけて20%の受信料を支払わない人のために経費をかけて▲220億円の減収となっているから、昨年は、920億円をドブに捨てているようなものだ。NHKの受信料の13%が意味のないものに使われている…。
■NETFLIXの国内売上を保証し、年間700億円の契約収納費として計上する
そこで、NHK経営委員会は、NETFLIXに4年ごとの契約更新で、NETFLIXコンテンツの国内放送利用権と、NHKコンテンツの国外放送利用権をバーター交渉する。
つまり、いろんなシナジーが活かせるのだ…。
NHKでNETFLIX番組が流れる…NHKの制作費の節約
NHKの番組が世界へ配信できる…NHKの制作費のアップセル
NHK=日本の国際的文化ブランド向上
NHKアーカイブにある膨大なコンテンツの検索やレコメンドに、NETFLIXのアルゴリズムが活用できる。
NETFLIXの国内視聴者は600万人から一気に1.2億人。
世界で、3.2億人に一気にブーストできる。
日本のコンテンツをNHKをフックにして世界に放出し、韓国IPに並ぶチャンスでもある。
日本のアニメの原作となるMANGAもNETFLIXのゲーム配信とともに、MANGA アプリで提供できそうだ。
世界に日本のコンテンツを広げるパートナーとしてのNETFLIXとの提携は、皆様のNHKでなく、私たちのNHKとしての生き残る道になるのではないだろうか?
■NHKの受信料を払うとNETFLIXが無料というビジネスモデル
この事業提携がうまくいくと、NETFLIXとしては、世界の公共放送とこのモデルを展開することができるだろう。
ピンポンと受信料を営業しにくる訪問員もいなくなり、スクランブル放送を謳う政党も意味がなくなる。
何よりも、いやいや支払うよりも、放送法を遵守した上で、ネットフリックスが無料で視聴できるなら、さらにNHKの過去のアーカイブも開放されるとすると、国民の楽しみは増えることだろう。
そう、NHKのアーカイブは、NHKの資産ではなく、私たちのNHKの公共放送の資産なのである。
これで、受信料がアップした分はNETFLIXにボーナスとして付与すれば、このディールは双方にとって損はない。
このNETFLIXと公共放送との歩み寄りは、先細りするIPと、急激に伸びたいIPとのよいタイミングになると思う。
むしろ、現在のテレビ視聴者が減りつづける中で、現在のNHKの受信料を負担させるほうが無理がある。いろんな可能性を熟慮して、経営判断してこその経営委員会だ。
https://www.nhk.or.jp/keiei-iinkai/member/index.html
そもそも、その定数12人の経営委員会を内閣総理大臣が任命しているのもおかしい…。
政府を監視する立場でもある公共放送の頭脳が政府に任命されているからだ。
国政選挙で最高裁の裁判官を辞めさせるという投票をするよりも、公共放送の経営を任せたいと思う人に国民が投票したほうが、本当の公共放送に近づくことだろう。
公共放送のNHKは、『あたなのNHK』ではなく、受信料を負担している『わたしたちのNHK』にならなくては意味がない。