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在日アメリカ大使館、日本の新型コロナ検査不足を指摘「有病率を正確に把握するのは困難」

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
在日アメリカ大使館のホームページ上に掲載された健康に関する注意情報(筆者撮影)

在日アメリカ大使館は4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、帰国を強く促す文書をホームページ上に掲載した。その中で、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘した。同盟国のアメリカから、日本の検査不足が指摘される形となった。

ヘルスアラート(健康に関する注意喚起情報)と題した掲載文書は、まず日本全体で過去72時間で650人以上の陽性が確認されたことを説明している。

そのうえで、「アメリカ国民が自国に帰国したいと望むのであれば、今にでもその準備をすべきである。アメリカに住むアメリカ国民ではあるものの、現在一時的に日本に滞在しているアメリカ人は、無期限に日本に滞在する用意がない限り、直ちに帰国準備をすべきである」と述べ、アメリカへの帰国を強く呼びかけている。

在日アメリカ大使館の文書は「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘している。赤色の下線は筆者による。(筆者撮影)
在日アメリカ大使館の文書は「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘している。赤色の下線は筆者による。(筆者撮影)

そして、アメリカとヨーロッパに比べて、日本の感染者数と入院数が比較的少ないとした上で、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘している。

さらに、「今日の日本の医療制度には信頼がおけるものの、新型コロナの感染増加によって、今後数週間にわたり、その制度がどのように機能するかを予測することが難しくなっている」と述べた。感染者数の急増によって、持病を抱えるアメリカ国民がこれまで日本で慣れ親しんできた治療を受けられなくなる恐れを示している。

また、日本とアメリカを結ぶ航空便の運航が今後、減る可能性があることで、緊急の家族の用事の際に時期にかなったアメリカへの帰国が難しくなったり、困難になったりする恐れを指摘している。

NHKの報道によると、4月3日に新たに日本全国で312人の感染が確認され、1日に確認された感染者の数が初めて300人を超えた。

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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