merchu社の商標登録について調べてみた

話題の折田楓社長のメルチュ社ですが、過去において、神戸のタウン誌「月刊神戸っ子(KOBECCO)」がらみでも一悶着あったようです(関連KOBECCO編集部ブログ記事)。一部以下に引用します(太字は原文まま)。
折田氏は、弊誌(月刊神戸っ子 KOBECCO)の撮影において、過去にモデルとしてご参加いただいた経緯がございますが、それ以外の編集作業、記事執筆などの活動には一切関与しておりません。また、メルチュ(株式会社merchu)が運営しておりますSNS「Kobecco」と弊誌は、全く関係がございません。弊誌(月刊神戸っ子 KOBECCO)は、全て大文字のローマ字表記になり、メルチュ(株式会社merchu)が運営しておりますSNS「Kobecco」は、頭文字が大文字の他は小文字のローマ字表記になります。
しかしながら、一部のブログ記事やSNSにおいて、折田氏が弊誌の立ち上げに深く関わっているかのような表現がなされており、これが読者の皆さまや関係者の方々の混乱を招き、多数のご質問やお問い合わせをいただく事態となっております。
メルチュ社がタウン誌と紛らわしい名称のSNSを開設したことで、迷惑しているとの内容です。「神戸っ子」という名前自体はよくありそうですが、このタウン誌は昭和36年創刊という歴史ある出版物であるという背景情報に注意が必要です。
さらに、メルチュ社は商標登録までしているというX投稿があったので、調べてみると、確かに2件の登録がありました(イラスト入り結合商標とデザイン書体の文字商標)(タイトル画像参照)。
さらに、文字商標の方(6802585号)の審査経過を見てみると、類似先登録として「神戸っ子」(1099169号)が引用された拒絶理由通知が出ています。この先登録の出願人は服部プロセス株式会社という会社ですが、まさに月刊神戸っ子の発行元です。昭和49年の登録ですが、雑誌、印刷物等の商品しか指定されていなかったため、メルチュ社の商標は補正後に広告や小売等の役務で登録されてしまいました。
指定商品や役務が異なれば商標としては類似しないため、法律的には問題はないのですが商売上の礼儀として何だかなーという感はあります。なお、月刊神戸っ子側が「他人の業務との混同を招く」との理由に基づきメルチュ社の商標登録に対して無効審判を請求することは可能と思われます。周知性の立証が必要ですが、昭和36年創刊という事情を考えれば認められる可能性はあるのではと思います。