「5」はヤバい? 意外と知らない免許証番号の秘密…場合によっては「住宅ローンが通らない」可能性も
普段、あまり意識することがない12ケタの運転免許証番号。実はそれぞれに意味があることをご存じだろうか。最初の2ケタは免許を初めて取得した「都道府県」の公安委員会を意味している。たとえば北海道なら10番台、東北地方なら20番台と、日本列島の北から順番に数字が振られている。東京で初めて免許を取得した人は「30」など、数字を照らし合わせてみれば最初にどこで免許を取ったのかすぐにわかる。 【画像】日本の免許が狙われている…!? 日本各地の免許試験場に「外国人の長蛇の列」現場写真 そして次の3~4番目の数字。これは最初に免許を取得した年となる。「85」なら1985年、「07」なら‘07年だ。年齢を非公開にしている人は、生年の部分だけではなくここの数字も気を付けるべきだろう。また5~10番目は各都道府県独自の管理番号である。各公安委員会が独自の基準で決めているため内容は公表されていない。11番目は、『チェックディジット』という入力ミスを検出するための数字になる。 そして末尾となる12番目の数字。ここは免許証番号の中で唯一、“変化する番号”となる。運転免許証の番号は、たとえば16歳で原付やバイクの免許を取ってから18歳で普通免許を取得したとしても、その後、大型や2種免許を取得したとしても変わることはない。 ◆末尾の「5」が意味するもの しかし、なぜ末尾の番号だけが変わる可能性があるのか――。 それは末尾の数字は「免許証を再交付した回数」を表しているからだ。一度も失くしたことがなければ0のまま。2回失くして2回再交付していれば末尾は「2」となる。末尾の数字が「5」(つまり5回再交付しているということ)以上の人は「免許証を失くしたり盗まれたりで5回再交付するほどの、自己管理ができない人」として、なんと住宅ローンなどの審査にも関わるともいわれている。 金融機関でローン審査に関わる業務を行う関係者が取材に応じた。 「免許番号の末尾の数字だけで判断することはありませんが、参考にすることは確かにあります。もちろん過去にローンが払えなくなって信用毀損しているケースと比べると遥かに軽いことのように思います。たとえば携帯電話の料金を支払わず止められた過去がある場合などは事業ローンが通りにくいですが、そのレベルではない。あくまでも参考にする程度ですね」 ◆住宅ローン審査の際に…… 免許取得から20~30年経っていれば紛失したり盗難に遭ったりすることもあるだろう。また、昨今は写真付きの身分証明書として運転免許証だけではなく、マイナンバーカードを使って本人確認する人も多いだろうから、末尾の数字が気になる人は免許証を出せなければ良い話だ。 実際、免許証番号の末尾が「5」という男性2名に聞いてみたところ、ローン審査などにとくに問題はなかったとのこと。 「財布を落としたり、電車に忘れたりして何回か再交付をして気づいたら末尾の数字が『5』になっていました。ですが、10年前の家のローン審査では特に何も言われませんでしたよ。借り換えの際もとくに問われなかったです」(東京都内在住40代会社員) 「本人確認書類の一つとして免許証を提出しましたが、末尾の数字が問題になることはなく事業関係のローンも問題なく通りました。車のローンもありましたが、こちらも問題なく支払いを続けてきましたので」(神奈川県内30代自営業) しかし、別の目的で免許証の再交付回数をチェックされることがある。一般的に再交付は免許証を紛失した人がほとんどなわけだが、なかには犯罪に使う目的で再交付をする人もいるからだ。 運転免許証はパスポート同様に、偽造や情報改変して犯罪に利用する可能性が高い書類のひとつだ。マネーロンダリング防止のために、口座開設などの場合も金融機関は本人確認の基準を厳しくしているが、あまりに再交付の回数が多いと「何かしら犯罪に加担しているのでは?」という疑いをもたれる危険性は十分にある。 免許証を失くしたらすぐに警察に届けることが重要なのは言わずもがなである。近年は電子申請に対応している警察署もあるので、スマホやPCからも届け出ることが可能だ。“要らぬ疑惑”を持たれぬよう、失くさないことが一番だが、万が一の時にも、正しく対応するように心掛けてほしい。 取材・文:加藤久美子
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