2025年セ・リーグ“新人王”は誰だ!? 巨人は左腕、阪神は右腕、中日は…各球団のブレイク候補を一挙公開
毎年多くの新星が登場するプロ野球。2024年もセ・リーグでは、新人王を獲得した船迫大雅(巨人)、パ・リーグでは交流戦MVPを受賞した水谷瞬(日本ハム)などが昨年から大きく成績を伸ばしてファンを驚かせた。そんな彼らに続きそうな選手は誰がいるのか。ルーキー以外でまだ新人王の資格を有している若手選手の中から、各球団1人ずつ、2025年のブレイク候補を探ってみたい。今回は、セ・リーグ編だ。【西尾典文/野球ライター】 【写真を見る】まだプロノーヒットだけど、昨シーズン「65試合」に出場した中日ルーキー ***
独特なフォームから繰り出される常時150キロ以上のストレート
MVPを受賞した菅野智之の抜けた巨人は、穴埋めが課題だが、候補の1人として楽しみなのが、左腕の又木鉄平だ。日本生命からドラフト5位で2024年に入団。プロ初登板、初先発となった6月1日の西武戦では、6回を投げて無失点と好投を見せている。結局、一軍では3試合の登板で0勝に終わったものの、二軍ではチーム2位の87回を投げて5勝3敗、防御率2.07。見事な成績を残した。 ストレートは140キロ台中盤とそこまでスピードがあるわけではないが、テイクバックの小さいボールの出所が見づらいフォームで、相手打者が差し込まれることが多い。独特の大きい変化のスラーブとブレーキのあるチェンジアップのコンビネーションも光る。左の先発は、井上温大くらいしか見当たらない。2年目は、開幕からローテーション入りを目指したい。 セ・リーグ連覇を逃した阪神。抑えの岩崎優らリリーフは、ベテランが多く、新たな選手の台頭が望まれる。その候補として期待がかかるのが、右腕の佐藤蓮だ。2020年のドラフト3位で入団したが、怪我の影響で2022年オフには育成契約となった。2024年は、フォームを大幅に見直して、投球が安定する。7月に支配下復帰し、9月には一軍初登板を果たしている。 他球団の編成担当は、佐藤についてこう話している。 「思い切ってフォームを変えたことが良かったですね。キャッチャーのような投げ方に見えますが、ストレートは常時150キロ以上が出ますし、フォークもかなりの落差があります。打者からすると厄介ですよね。1イニングだけなら一軍でも通用するのではないでしょうか」 二軍では、49試合、48回2/3を投げて51奪三振、防御率2.03を記録している。33四死球とコントロールは少し課題を残すが、三振を奪えるところは、大きな魅力だ。中継ぎで実績のあった、加治屋蓮が自由契約(楽天に移籍)となり、浜地真澄も現役ドラフトでDeNAに移籍しただけに、2025年は、チャンスが多くなりそうだ。