米メタ社、多様性のDEIプログラムを終了。同性愛者やトランスジェンダーへの侮辱的な言葉も許容
ファクトチェック機能の廃止を発表した米メタ社が、社内で多様性を促進するための取り組みを即時終了することがわかった。 【画像】同性愛者やトランスジェンダーへの侮辱的な言葉も許容。今後FacebookやInstagramで許容されるようになる投稿例 FacebookやInstagramを運営するメタプラットフォームズのジャネル・ゲイル人事担当副社長は1月10日、ダイバーシティ・スレート・アプローチを終了すると従業員宛の社内メモで発表した。 ダイバーシティ・スレート・アプローチは「多様性を考慮して候補者をえらび、さらなる多様性につなげていく」ことで、採用担当者が女性やマイノリティである候補者を提案できるようにするプログラムだった。 ゲイル氏は、このプログラムを廃止するものの「引き続き異なるバックグラウンドを持つ候補者の採用を続ける」としている。 その一方で、メタ社は「DEI(多様性、公平性、包括性)」に特化したチームを廃止すると社内メモで伝えている。 その理由を「多様性、公平性、包括性の取り組みを取り巻くアメリカの法的および政策的状況は変化している」と説明。 「一部の人々に、特定のグループを他のグループよりも優遇する取り組みだと理解されるなど、『DEI』という言葉自体が議論を呼ぶようになっている」と述べている。 「多様性などを取り巻く状況が変化している」という説明は、暗に次期トランプ政権への配慮を示していると考えられる。 メタのマーク・ザッカーバーグCEOは2024年11月、ドナルド・トランプ次期大統領と会談し、その後メタ社はトランプ氏の大統領就任式基金に100万ドルを寄付した。
ザッカーバーグ氏は1月7日にファクトチェック廃止を発表した動画で「表現の自由に関する私たちの原点に立ち返る時が来た」「ソーシャルメディアを作ったのは人々の声を届けるためだった」と述べた(ザッカーバーグ氏がFacebookの前身として開発したFacemashは、ハーバード大学の女子学生の魅力度をランク付けするウェブサイトだった)。 ゲイル氏は10日の社内メモで、DEIチームやダイバーシティ・スレート・アプローチような取り組みの終了に加え、「サプライヤーの多様性に関する取り組み」も終了すると発表している。 この取り組みはマイノリティが経営する企業との取引に力を入れる内容だったが、ゲイル氏は「今後はアメリカの経済を回している中小企業の支援に注力していきます」と述べている。