今年は「月」の年 「月」の変化を楽しもう
2014年1月1日は「新月」。旧暦(12月)の朔日(さくじつ、”月が立つ”から派生した「ついたち」の意)とも重なっての新年スタートだ。その新月の上では、先月着陸した中国の無人探査機と探査車が“夜明け”(半月〈はんげつ〉以降)を待って活動を再開させる。その狙いや思惑とは別に、壮大な宇宙では月食や「エクストリーム・スーパームーン」と月の話題が事欠かない。天文ショーとしては、流星群や彗星の出現予測など、話題は尽きないが、なんといっても”月”が目立つ1年になりそうだ。 ■最小の満月、最大の満月(エクストリーム・スーパームーン) 1月16日は今年最も小さく見える月だ。地球を回る月の軌道は楕円形をしているので、地球からの距離も一定しておらず、常に変わる。国立天文台によると、今年は同日午前10時53分(日本時間)に最も地球から遠ざかり(約40万7,000キロメートル)、同日午後1時52分に満月となる。この満月の地球から見た大きさ、視直径は約29分角(平均は約31分角)と、今年最小となる。しかしこの時刻には、日本ではまだ月が登っていない。東京での月の出は午後5時8分だ。 それとは逆に、地球から見た満月が今年最大の「スーパームーン」となるのは8月11日。同日午前2時43分に月が地球に最も近づき(約35万7,000キロメートル)、同3時9分に満月となる。視直径は約33分角。最接近と満月とが1時間以内に起きるので、とくに「エクストリーム・スーパームーン」と言う。
■日食の見えない日本では“月食”に期待 2012年5月21日に日本で観察できた「金環日食」は、今年は4月29日に南半球で起きるが、残念ながら日本からは見えない。南極が絶好の観察地だ。「部分日食」も10月24日に北米などで見られるが、日本では見えない。 月が地球の影にすっぽりと覆われる「皆既月食」は4月15日に起きるが、日本では見えない。近畿以東の東日本や北陸では、月が“食”によって欠けた状態で昇って来る「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」となるが、昇って間もなく“食”が終わってしまう。中国・四国や九州地方では、月の出前に食が終わっている。