メジャー挑戦中の阪神・青柳 「マイナー契約の可能性」の一方で「来年中に日本復帰なら争奪戦」の声
FA権を行使した選手たちの去就が決まり、後はポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指す選手たちの行方が注目される。佐々木朗希(ロッテ)には20球団以上から問い合わせがあり、メッツ、フィリーズ、レンジャーズなどと面談したことが報じられた。小笠原慎之介(中日)もカブス、エンゼルスなど数球団が獲得に向けて興味を示しているという。 【写真】30代で海を渡りマイナー契約からドジャースの守護神になった日本人投手はこの人 一方で、メジャー契約を勝ち取れるのか微妙な立場となっているのが、阪神の青柳晃洋だ。現時点で獲得を目指す球団名は報じられておらず、越年が確実視されている。 「すぐに決まらないのは覚悟の上だと思います。米国球界で日本人投手の評価が高いのは間違いないですが、青柳は近年思うような活躍ができていない。投球スタイルがメジャーに合うのかという懸念もあります」(スポーツ紙デスク) 青柳は21年から2年連続最多勝、最高勝率に輝き、22年は最優秀防御率を加えて「投手3冠」に輝いた。阪神を取材するスポーツ紙記者はこう語る。 「一言で言えば努力の人です。入団当時は制球難が課題でしたが、ストライクゾーンにどんどん投げ込み、変化球の精度を高めていきました。フィールディングも課題でしたが、ワンバウンドで送球することで克服した。課題と向き合い、コツコツ努力して乗り越える。自主トレを共に行っているチームメートの村上頌樹、岡留英貴や、他球団の投手たちにも慕われています」 エースとしての座を確立したかに見えたが、昨年は8勝6敗、防御率4.57と安定感を欠いた。今年は12試合登板で2勝3敗、ファームで過ごす時間が長くなっていた。このタイミングでメジャー挑戦を決断したが、米国の各球団はどう評価するか。 ■同じタイプの牧田は2年で日本球界復帰 メジャーリーガーの代理人がこう評する。 「サイドスローとアンダースローの中間の位置から腕を振る独特の投球フォームは面白いと思いますが、気になるのは縦に落ちる絶対的な変化球がないことですね。ツーシーム、スライダーでゴロを打たせる投球スタイルですが、タイプが重なるアンダースローの牧田和久(現ソフトバンク2軍投手コーチ)は米国で思うような結果を残せず、2年プレーして日本球界に復帰している。投球間隔が長いことも気になります。米国はピッチロック(投球までの時間制限)の違反に厳しい。投球リズムが狂うと、神経質になり制球にも影響を及ぼす。31歳と決して若くないですし、マイナー契約になる可能性があると思います」