ふん尿のような強烈な臭いで「窓も開けられない」 町を襲う原因不明の悪臭にさいなまれる住民たち 広島県福山市
広島県福山市北部の加茂町一帯で原因不明の悪臭問題が起きている。少なくともこの3年ほど続いているとみられ、住民からは「窓も開けられない」などの苦悩の声が漏れる。市は問題解決を目指し、調査を強化する。 【地図で見る】福山市加茂町 「何とも表現しにくい耐えがたい臭い」。同町の山あいに暮らす藤井和明さん(74)は顔をしかめる。ふん尿のような臭いで、特に夏場の夕方から夜にかけて強く感じるという。 臭いがすると窓を閉めて家に閉じこもり、汗をかいたシャツを乾かそうと思っても屋外に干せない。「地域の人も外に出ようとしない。涼しい風が吹き、窓を開けるのが当たり前だったのに」 住民たちによると、悪臭は谷筋を抜ける風で広範囲に広がっている可能性もある。麓に住む40代女性も「今まで嗅いだこともないような強烈な臭い」に悩まされているという。 市によると、2022年度に1件、23年度に3件、24年度は11月末までに10件の相談があったという。一帯の住民や企業へ聞き取りして回り、臭気の測定を続けている。 ただ「強い臭いを見つけ、すかさず採取するのは難しい」と市環境保全課。24年度は10回出向いたが、測定できたのは9、10月の2回。いずれも悪臭防止法の規制の基準値は超えず、発生源も判明していない。
中国新聞社