リニアで「名古屋駅」をどう変える?
リニア中央新幹線の2027年開業を見据え、名古屋駅周辺のまちづくりの基本方針などを盛り込んだ構想案がまとまり、市が13日からパブリックコメントの受け付けを始めました。すでに超高層ビルの建て替えラッシュが進んでいる名駅の「大改造」に、市民はどんな意見を投げ掛けるでしょうか。 ■広場状の乗り換え空間など提案 構想案は大学教授や経済界、地元代表の有識者らでつくる「名古屋駅周辺まちづくり構想懇談会」が、2012年10月から計5回の会合を開いてまとめました。「国際的・広域的な役割を担う圏域の拠点・顔を目指す」「誰にも使いやすい国際レベルのターミナル駅をつくる」「都心における多彩な魅力をもったまちをつくり、つないでいく」「リニア開業を見据え、行政と民間が一丸となって着実に構想を実現する」の4つを基本方針とし、目指す街の姿は「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」と言い表しています。 具体的な駅の形として、現在入り乱れている各交通機関同士の乗り換え動線を整理するため、東西出入り口の地下に広場状の空間「ターミナルスクエア(仮称)」の新設を提案。そこを起点に、リニアを含めた各改札口にエスカレーターや動く歩道などで直線的にたどりつけるようにします。また、地上の駅前広場周辺も見通しがよく、ゆとりのある滞留空間として再整備。にぎわいと交流を促進します。また、リニア駅の工事によって生じる地上部の空地は、災害時の帰宅困難者の避難場所などとするべきだとも提言しています。 ■ビル建設ラッシュはすでに始まる 今の名駅の象徴は地上51階と53階建てのツインビルがそびえる東口の「JRセントラルタワーズ」ですが、その北隣にJR東海が地上46階建ての「JRゲートタワー」を16年からのオフィス入居開始を目指し建設中です。 かつて松坂屋名古屋駅店が入っていた駅ビルの建て替えですが、商業部分にはジェイアール名古屋タカシマヤがタワーズを増床する形で2―8階に入居。9―11階にはヨドバシカメラが名古屋に初出店します。さらに北隣には、日本郵便などが建て替える地上40階建ての「JPタワー名古屋」が15年秋に完成予定。ほぼ同時期に「大名古屋ビルヂング」が三越伊勢丹グループをキーテナントとして、地上34階建ての複合ビルに生まれ変わります。 南方向には名鉄が鉄道駅から百貨店、アミューズメントビルまでを含めた大規模な再開発を計画中。南北約350メートル、敷地総面積2万6000平方メートルに及ぶ一体的なビルとしてまとめられるようです。05年の愛知万博後に建てられたトヨタ資本の「ミッドランドスクエア」、モード学園の「スパイラルタワーズ」を含め、この地区の再開発の総仕上げになるでしょう。こうした各ビルが2階レベルで連絡されることを想定し、南北方向の歩行者ネットワークを生かすことも構想案では盛り込まれています。