食品高騰の影、家計支出の減少続く 「エンゲル係数」39年ぶり水準
総務省が6日に発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯が使ったお金は平均30万5819円で、物価変動の影響をのぞいた実質では前年同月より1.3%減った。支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は39年前の数値近くまで上昇。身近な食べものの値上がりが家計にのしかかり、消費が細っている。 【写真】キャベツもトマトも白菜も高騰、スーパーの売れ筋に変化 人気商品は 実質の支出額の前年割れは、これで3カ月連続となる。使い道をみると、学校や塾にかかる教育関連が14.0%減り、外壁の工事などの住居関連も10.7%減った。気温が高めだったことも影響し、コートやセーターといった被服・履物も13.7%の大幅減。野菜や果物の購入も減り、牛肉や豚肉を値ごろ感のある鶏肉に切り替える傾向も続く。総務省統計局は「家計の節約志向もあらわれている」とみる。 背景にあるのは、身近な食べものの高騰だ。10月の消費者物価指数は、生鮮食品もふくめた食料が前年同月より3.5%上昇し、伸び率も前月より拡大した。過去最大の6割近い値上がりとなったコメに加え、鍋料理に使われるハクサイや、冬に需要が増えるチョコレートなどが高騰したことも、家計の負担感に拍車をかけたとみられる。
朝日新聞社