【特集】「0円でも譲りたい」 買い手がいない“負動産” 大切な資産を“負動産”にしないために…《新潟》

2024年に話題となった出来事や関心を集めたニュースをお伝えしています。今回は2024年5月に配信し多くの反響が寄せられた“負動産”についてです。
親から相続した家や土地を売ろうにも値段がつかず、毎年かかる維持費…。そんな負の不動産、“負動産”に頭を悩ませる人が増えているなか、タダでもいいから不動産を譲りたい人と欲しい人を結びつけるサービスも広がっています。(値段など内容は取材当時のものです)
柏崎市の街中から車で20分ほど。
空き家となっている一軒家を購入しようと内見に訪れている人がいました。
この家は柏崎市に住む女性が父親の死後、相続したものだといいます。
しかし、住むこともないため売りに出しました。
その値段は……
<群馬県から内見に来た人>
「30万円で。DIYが好きで、自分で手直ししてみたいと前々から思ってまして、半分は趣味で」
30万円のうち取り引きに関する手数料を除けば売主が受け取る金額は土地と建物あわせて10万円。
さらに名義変更などを専門家に依頼するため売主にとってはマイナスだといいます。
それでも売りたい理由は……。
■負の不動産……「負動産」
「この所有者の方が地元の不動産屋さんに相談しても断られたらしいんですね」
そう話すのは柏崎市で不動産業を営む中村美也子さん。
扱うのはこうした不動産会社から売買を断れた物件です。
〈SHOPナカムラ 中村美也子さん〉
「解体費用を考えたら1日も早く建物付きで売りに出していただいてあと0円で譲渡しちゃおうとか」
立地や建物の状態などで買い手が見つからないため不動産会社から断られる。
それでも固定資産税などの維持費はかかる。
そんな不動産はいま、負の不動産、“負動産”と呼ばれています。
国の調査によると去年10月1日時点で全国にある空き家は900万戸に上ります
このうち県内の空き家は15万5700戸。
1998年の調査結果では7万6000戸……およそ2倍に増えています。
県内の住宅で空き家が占める割合「空き家率」は過去最多の15.3%。7軒に1軒が空き家という計算になります。
まちで「空き家」について聞いてみると……。
Q近所に空き家はありますか?
〈まちの人〉
「ありますね、何軒か。ネズミとか出たり虫も増えたりしたら近寄るのはやめようかなという感じになります」
〈まちの人〉
「私いま一人住まいでしょ、私が病気になったりすれば空き家になります。息子にくれるって言ったらいらないと言っていました」