立法院(国会)経済委員会に出席する農業委の陳主任委員

写真拡大 (全2枚)

(台北中央社)行政院(内閣)農業委員会は、台湾が環太平洋経済連携協定(TPP)に加入すれば、農産品の輸出増が期待できるものの、コメなど20品目は打撃を受けるとの見通しを示している。同委の陳吉仲(ちんきちちゅう)主任委員(閣僚)は27日、TPP加入の5年後には農産品の輸出額が500億台湾元(約2000億円)増加するとの試算を明らかにした。立法院(国会)経済委員会への出席前に取材に応じた。

台湾は22日、独立関税地域としてTPP加入を申請した。国家発展委員会はTPP加入について、国内総生産(GDP)を2%以上押し上げる経済効果がある一方で、農業と自動車部品産業は影響を受けるとの試算を出した。

農業委員会は最新の報告で、TPP加入によって、エダマメやバナナ、花卉(かき)、パイナップルやマンゴーなどの果物、冷凍サバや冷凍マグロなどの水産品、茶葉などは輸出額、量ともに成長が期待できると見込んだ。一方で、コメやアズキ、干しシイタケ、パイナップル、バナナ、鶏肉など関税割当制と特別セーフガードの対象となっている20品目については、国内生産者が打撃を受ける可能性があるとしている。

同委によると、TPP各加盟国の農産品自由化率は平均で96.2%。だが日本やカナダなどは一部の農産物について関税を維持しており、自由化率は加盟国平均を下回っている。

陳氏は取材に対し、日本やカナダなどのやり方に従えば、台湾のセンシティビティー(配慮すべき品目)を守ることができると言及。それに加えて関連の措置を検討することで「必ずしや負の影響をプラスに転換できる」と自信をみせた。

(呉欣紜、梁珮綺/編集:名切千絵)