シアワセな気分になれる音楽とチョコをあなたに。内田真礼とハッピーバレンタイン♡
連日続いていた雨がやみ、取材当日はすっきりと晴れ上がった。 “晴れ女”内田真礼の撮影は、明るい陽射しが差しこむハウススタジオにて。7thシングル『aventure bleu』のMVのイメージから、女子会をテーマに撮影をおこなった。発売日はバレンタイン。内田からファンへの贈りものである新曲はガーリーなスウェディッシュポップで、どのように歌えばいいのか本人も試行錯誤したという、新境地なテイストに仕上がっている。レコーディングやMVの制作ウラ話、バレンタインにまつわるエトセトラを聞いた。
撮影/宮坂浩見 取材・文/江尻亜由子スタイリスト/西辻未絵(Dear World) ヘアメイク/井原結衣(fringe)
見るだけでシアワセ♡な気分になるMVをつくりたかった
- 撮影おつかれさまでした。内田さんをはじめ、カメラに映りこむすべてが可愛かったです!
- あははっ。ありがとうございますー(笑)。
- きょうの撮影は、『aventure bleu』のMVにも共通する女子会をイメージしたものなので、まずはMVについてお伺いしていきます。どんな撮影でしたか?
- 今回はダンサーさん4人と一緒に撮ったんですけど、いつもライブで出てくれている真礼ダンサーズの方たちなので、みんなで楽しく遊んでたら収録終わっちゃった、みたいな感じでした(笑)。
- まさに女子会っぽく。
- ホントに女子会みたいで、楽しかったですねぇ。ひとりで撮影するときよりも、あっという間に終わってしまった気がして。チャレンジ的なところでいえば、ダンスシーンがあったんですけど、あんなにがっつりステージセットを組んで踊ったのは初めてでした。
- 振り付けは、すぐに覚えられるほう?
- 振り付けは、ライブでもお世話になっている先生にお願いしたんですけど、すごく練習しましたね。おそらく、NG集に入ってるんじゃないかな? ……あ、NG集じゃなくて、メイキングだ(笑)。
- (笑)。MVの中で、内田さんが意見を出した部分があれば、教えてください。
- ハッピー感というか、とにかく楽しい感じを出したいっていうのは伝えました。タイトルは『aventure bleu』だけど、ブルーではなくてカラフルな色を使っていきたいなと思って。というのも、新しいアーティスト写真を撮影したときに、ブルーの背景、ブルーの服、水色のネイルにしてたんですけど、私、ブルーだと気持ちが落ちちゃうことに気づいたんです。
- きょうはピンクのネイルですもんね。それまでブルー系のネイルにしたことはなかった?
- パキッとした青はあったんですけど、水色はやったことなくて。やったことがないってことは、自分の中であんまり好みではなかったんでしょうね。だからMVは、ふわふわしてて、可愛くて、とにかく明るい……このMVを見たらシアワセ♡ってなるような感じにしたいなって伝えました。
- なるほど。たしかにMVを見ると、シアワセ♡な気持ちになります。
- ふふっ、よかった。あとは、いろんな面が女の子にはあると思って。友だちに見せる顔と好きな人に見せる顔って違うと思うんですよね。それで、女子会のシーンは女友だちといる幸せ、電話のシーンでは恋人とか好きな人と話す幸せっていうイメージで、複数のシーンを入れてもらいました。
- じゃあMVを見る男性は、内田さんと電話してる気持ちで(笑)。
- そうそう。「俺かな?」って思っていただければ(笑)。
女子会には不向き!? 可愛い部屋着と意外なインテリア
- プライベートで女子会したことはありますか?
- あるといえばありますけど、こんなに可愛い感じにはならないですよね。やっぱり粉もの系とかピザとかになっちゃうので(笑)。
- 『aventure bleu』はTVアニメ『たくのみ。』のOPテーマですが、『たくのみ。』キャストで女子会をしたら……。
- ちょっとどうなるのか、1回やってみたいですね。一緒に出演してる人たちは、けっこうお酒が強いので、私がこういうMVみたいな可愛い系のお菓子を用意したら、「甘いのはちょっと……」ってなる可能性もなきにしもあらずですね。「え、ジャーキーないの?」みたいな(笑)。
- ちなみに内田さんの部屋着はどんな感じですか?
- ふわふわしたやつです。MVでも着てたような感じの。
- お部屋のインテリアも、女の子っぽいピンク系とか?
- それが違うんです。私、野球が好きなので、部屋に野球のユニフォームとか飾ってあるんですよ。(福岡ソフトバンク)ホークスが好きなので、ホークスのユニフォームと、自分のライブで黒いユニフォームをグッズとして出したので、それをふたつ並べて飾ってて。あとはライブグッズとか。
- それは意外でした!
- せっかくなら可愛い女子会をやりたいから、お部屋も可愛くしないと、ですよね(笑)。
「草原にいるような感じ…」レコーディング中の新たな挑戦
- では、改めて『aventure bleu』について詳しく伺っていきます。今回のシングルは、“内田真礼3部作”の3作目ということですが。
- デビューからお世話になっている音楽プロデューサーの冨田(明宏)さんの中で、5thシングルの『+INTERSECT+』からの3作は、内田真礼がどう変わっていくのかっていう流れにしたかったみたいで。
- その3作は、リリースのペースも今までに比べて早いですよね。
- 『+INTERSECT+』が2017年の夏前で、6thシングルの『c.o.s.m.o.s』が秋で、この2月に今回のシングルっていう、すごく早いスパンでやっていて。
- その3部作の流れというのは……。
- 『+INTERSECT+』のテーマは「再会」。今までお世話になっていたZAQさんとか、(上坂)すみれちゃんとかと再会して、新しいものを生み出すという感じで。地盤を固める、みたいなことですね。
- 2作目の『c.o.s.m.o.s』は?
- 「解放」がテーマです。私がやったことない音楽をやって、いろんなことに挑戦してみよう、みたいな。EDMにチャレンジしていたりするんですけど。
- そして、3部作の完結が、今回の『aventure bleu』。
- 今回は「可能性」がテーマで、まったく新しいクリエイターさんとの楽曲制作だったんです。作詞のmeg rockさんも、作曲・編曲のラスマス・フェイバーさんも。曲の方向性自体、今までの内田真礼とは違うねっていうところでチャレンジして。
- あがってきた楽曲を聴いてみて、どうでした?
- 2018年に入って初めてのシングルだし、「可能性を広げていく」というコンセプトにぴったりだと思いました。とはいえデビュー曲の『創傷イノセンス』のときから、冨田さんは毎回何か新しいチャレンジを入れてきてくれるんですよね。普段の会話の中から、今思っていることとかやってみたいことがあぶり出されているような感じで。
- 実際に歌ってみての感想は?
- やさしく、ふわっとしたメロディラインだし、曲中に「ふわふわ」ってあったりするので、浮遊感がポイントだったんです。どのくらいのパワーを込めていいのか、すごく悩みました。歌い切っても違うし。今、収録された曲を聴くと、「このときすごく、どう表現しようか迷っていたな」って思い出されるんですよね。
- そうだったんですか。聴く側としては、内田さんの声にすごくぴったりで、いいなって。
- ホントですか!? よかったです。今までずっと元気いっぱい全力で!みたいに歌ってきたので、本当に新しい収録だったなと思います。収録のときに「草原にいるような感じで歌って」って言われて。
- 草原!?
- 「透明な青」っていう歌詞が出てくるんですけど、「その感じを想像して、すーっとそこにいるようなイメージをわかせて歌ってください」と指示を受けました。普段の自分とのギャップがありすぎて、「あぁ、こういう生き方もあるなぁ」とか思ったり(笑)。
- 普段の内田さんは、予定を詰め詰めにするような(笑)。
- そうですね(笑)。私自身がせわしない人で、お休みとかも予定をばーっと詰め込むタイプなので。そういう私がこの楽曲と出会って、ゆったりした気持ちを勉強するような、そんな感じでしたね。
- 内田さんは草原にいても、てきぱき動きそうですよね。
- 「次は牛のレースが3時からだ!」とか思っちゃいますよ(笑)。
- でもイメージとしては、今回の曲のようなふんわりした感じもあります。
- ホントですか?(笑)ウラ側では、せわしなく動いてるんですよ。
コンセプトは“浮遊感” ラブリーなジャケ写の撮影秘話
- 初回限定盤のジャケ写は、どういうコンセプトで撮影されたのでしょう?
- 「浮遊感」ですね。楽曲のイメージをジャケットにも出そうということで、モノとか私とかが浮いてるっていうイメージにしました。バレンタインなのもあって、ちょっと甘めな感じに。
- 内田さんが浮かんでいるように見えるのは、どうやって撮影を?
- これ、じつは丸イスに座ってるんです。それをうまくデザインして、浮かんでる感じになってるんですけど。その後ろに倒れぎみに座る体勢が、けっこうキツくて。
- 腹筋が。
- そう、腹筋が! 涼しい顔をしていても、腹筋ぷるぷるでした(笑)。時計とかいろんなものが浮いてるのも、透明なヒモで吊られてるんですよ。CGではなくて。
- アナログなんですね。
- そうなんです。だからいろんなところにモノがぶらさがってるんですけど、「ぶつからないように気をつけようね!」って声をかけあいながら、ぶつかるっていう。みんなが罠にかかってる感じが面白かったです(笑)。
- カップリング曲『Applause』についても教えてください。
- 最初のコンセプトは、ライブでみんなで歌える曲にしよう、というもので。クラップがいっぱい入ってるんですね。それは、みんなでひとつになれるような、ライブで盛り上がれるような楽曲にしようっていう意図からなんです。
- 歌詞に関しては?
- この楽曲を作っていた2017年の冬に私が思っていたこと、「今こんなふうにいろいろと走り回ってるけど、ライブをしていたり、私の大好きな場所にいればシアワセだし、もっと前に行けるような気がするよ」っていう思いを、歌詞にしてもらっています。
- これも冨田さんに話していたことが、歌詞になっていたという?
- そうですね。「あぁそうそう、これ言ってた!」みたいな(笑)。今の私としてはこの曲ができてからもうすでに、ひと月、ふた月経ってるから、「あら、こんなふうに思うの?」って感じがあるというか、やっぱりすごくせわしない性格なので、ちょっとずつ気持ちは変わっちゃうんですけど、2017年冬の私を切り取った曲になったなと思います。