続々・定番に飽きたら…街中では聴くことがない激レアなクリスマス・ソング4選
2024年12月21日(土)6時0分 JBpress
(小林偉:放送作家・大学講師)
おなじみのクリスマスソングに飽きたら…
一昨年、昨年と続けて特集した“街中ではなかなか耳にすることがないであろう、クリスマス・ソング”ですが、今年も第3弾ということでお贈りさせていただきます。
早速行きましょう、まずはこちらから・・
●プレゼンタ・ジュ・ナタウ/ジョアン・ジルベルト
まずは、ブラジルからボサノバを代表するアーティスト、ジョアン・ジルベルトの「プレゼンテ・ジュ・ナタウ」という1961年の曲です。
ジョアン・ジルベルトといえば、「イパネマの娘」などで知られるボサノバ・レジェンドですね。残念ながら、2019年に88歳で亡くなってしまいました。
さて、この「プレゼンテ・ジュ・ナタウ」は「クリスマスのプレゼント」という意味。簡単に歌詞を訳してみると、「サンタクロースが私に素敵なプレゼントをくれた。それは包装紙にくるまれた君。お人形を貰えるのは子どもだと私も知っている。でも私でも貰えた。大好きな君がここに来てくれた。私の愛する人になるために」というような感じ。マァ、クリスマスに引っかけたラブソングですが、クリスマス・ソング感がほとんどない上、アッと言う間に終わってしまうのが何とも・・・。
続いてはアイルランドからのクリスマス・ソング。
●ザ・ベルズ・オブ・ダブリン/チーフタンズ
1962年結成というアイルランドを代表するバンド=チーフタンズのクリスマス・ソング、「ザ・ベルズ・オブ・ダブリン」。1991年のリリースです。
この曲はインストゥルメンタルですが、副題に「クリスマスイヴ」と付けられているように、クリスマスイヴに、アイルランドの首都=ダブリンで鳴らされる鐘をテーマにしたもののようです。踊りたくなるようなアイルランドの伝統的な音楽によるクリスマス・ナンバーで、私は大好きなんですが・・・。
さて、今のはアイルランドでしたが、今度はアイスランドから。
●ヨーラコットゥリン/ビョーク
こちらは「ヨーラコットゥリン」という曲。歌っているのはアイスランドを代表する女性シンガー=ビョークです。映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に主演したことでもお馴染みの、あのビョークですね。2001年のリリース。
タイトルの「ヨーラコットゥリン」を訳すと、「クリスマスの猫」という意味。
アイルランドではクリスマスの時期にサンタクロースではなく、山から街へモンスターたちがたくさん降りてくるという伝説があるとか。何でも、グリーラという女巨人がいて、良い子にはちょっとしたプレゼントをあげますが、悪い子はシチューにして食べてしまうそう。グリーラはレッパルージという夫と、13人の子どもたちと住んでいて、ヨーラコットゥリンというのは、彼らに飼われている黒猫なんだとか。マァ日本でいうと、秋田のナマハゲみたいな伝説なんでしょうかね。
お国変われば・・・という感じで、クリスマスに纏わる伝説も、クリスマス・ソングも本当に様々なんだなぁと実感する次第。
最後は、明るくジャマイカから。
●クリスマス・ビハインド・ザ・バーズ/グレゴリー・アイザックス
ジャマイカといえばレゲエ。そのレゲエを代表するシンガーの一人で、“ジャマイカのフランク・シナトラ”とも呼ばれたレジェンド、グレゴリー・アイザックスが1992年にリリースした「クリスマス・ビハインド・ザ・バーズ」という曲です。
タイトルは直訳すると「刑務所の中のクリスマス」ですね。
この方は、銃やコカインの不法所持で何度も逮捕されており、実刑判決を受け、刑務所暮らしも経験しています。そんな体験から生まれた歌詞なんでしょうねぇ。
先ほど「最後は明るく」と申しましたが、レゲエらしい明るい曲調ながら、歌詞はちょっとヘヴィかも・・・。
ちなみに彼は2010年に59歳の若さでこの世を去っています。
ということで“街中ではなかなか耳にすることがないであろう、クリスマス・ソング特集”、いかがでしたか?
では皆様、HAPPY CHRISTMAS&MERRY NEW YEAR!
筆者:小林 偉