ナイキ、NB、プーマ…レトロで近未来的デザインに再注目! バック・トゥ・ザ・フューチャーな“Y2K”スニーカー5選

2024年8月14日(水)8時0分 JBpress

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今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 2024年7月3日、以前から耳目を集めていた3組のニューフェイスが、遂にデビューを飾った。

 といっても浮世の慰み、芸能の類ではなく日本銀行券。天下の回りもの、そう新紙幣の話である。新一万円札は渋沢栄一、新五千円札に津田梅子、新千円札が北里柴三郎。いまいちピンとこない顔ぶれも慣れさえすれば気にならないというが、今では話題にものぼらず、皆が慣れぬまま真夏の陽炎の如くスッと姿を消した二千円札。表面に沖縄の首里城守礼門を描き、裏面を『源氏物語絵巻』の絵図が優美に飾るこの紙幣の登場が、今を遡ること24年前。恐怖の大王はやって来ずとも訪れた世紀末・2000年だったことを諸君は覚えておいでか。

 これぞ俗にいうY2K(Yはyear、Kはkilo=1000を意味する)。今や、ファッションに音楽といった様々なカルチャー界隈において、この2000年代の“レトロフューチャー”なデザインや世界観を落とし込んだスタイルが注目されている。

 今回のテーマもまた然り。メッシュやメタリックなどの素材を使い、複雑なパーツ構成で仕上げられた近未来的なアッパーと、優れたクッショニングを視覚化したソールユニットの融合により、いつもの装いに懐かしくも新鮮なイメージを付加する。真夏の大冒険はさすがに言い過ぎだが、二千円札のように絶滅危惧種となる前にぜひ一度、挑戦をしてみてはいかがだろうか。

1. NIKE SPORTSWEAR「AIR PEGASUS 2005 EDGE」


全世代から愛される「エア ペガサス」シリーズの名作にY2Kな新色

 Y2Kテイストが人気の理由の1つに、革新性と既視感の絶妙なバランスがあり、これにより得られる懐かしくも新鮮なムードを令和世代は“エモい”と表現する。

 2005年に発売された本作でいえば、流線型のボディを覆う軽量性と通気性に優れたメッシュパネル、サポート性を強化するサイドパネルの4本ライン、ミッドソールに埋め込まれた快適性を高めるフルレングスのエアユニットのプラグが、この感覚を喚起させる重要なポイント。

 昨年で発売から40周年を迎えてなお、全世代から愛される名作ランニングシリーズに属するだけあって、当然履き心地も優良かつフレキシブル。イエローからピンクへと移ろうグラデーションカラーも美しく、そのルックスは普遍的かつエッジー。モデル名の由来である天馬=ペガサスは霊感の象徴ともされるゆえ、ビビッときたら即購入を推奨する。

2. ASICS「GEL-KAYANO 14」


スポーティーな顔立ちにラグジュアリーな風格を備える温故知新の1足

 近未来世界を描くサイバーパンクSF作品の舞台としてもお馴染みの我らが日本を代表するブランド、アシックス。Y2Kスタイルにおいても海外勢に負けてはいない。

 こちらは、2008年に歴史と権威あるアメリカのランニング専門誌『ランナーズワールド』で、インターナショナル・エディターズチョイス賞を受賞した「ゲル・カヤノ 14」をベースに、アッパー素材とフィット感をタウンユース用に調整し、令和の世に見事リバイバルさせた1足。

 程よくボリューミーなシルエットとゴールドとシルバーで塗り分けられたパーツも相まって、スポーティーな顔立ちにラグジュアリーな風格を備える。それでいながら独自の衝撃緩衝材機能、ゲル・テクノロジーなど「ゲル・カヤノ」シリーズを代表する機能や構造を継承。この温故知新のクリエイティビティこそ、日本生まれならではの強みと言えよう。

3. New Balance「M1906REU」


人気のライフスタイルモデルに、ファン待望の新色が復活

 定番名作を数多く有しながら、近年はY2Kスタイルのモデルも続々とリリースし、Z世代女子から昭和育ちのダッドまで、年齢・性別問わず支持を集めているニューバランス。

 今季、2000年代のランニングカテゴリーを象徴するハイパフォーマンスモデル「1906」に、同カテゴリーから登場した旗艦モデル「2002」と同型のソールを搭載して再構築された「1906R」の新色が復活。

 通気性に優れたメッシュとシンセティックオーバーレイを組み合わせたアッパーには、TPU素材を用いたヒールサポート、Nロゴにシューレースと連動させてサドル部のサポート性を高めるエヌロック機構を搭載。ソールユニットには衝撃吸収素材であるABZORB(アブゾーブ)とN-ERGY(エナジー)クッショニングのコンビネーションを採用し、快適な履き心地を提供する。その名に冠されたブランドの創業年が、その実力の高さの証左である。

4. PUMA「VELOPHASIS PLAY. PARIS」


ユースカルチャーのエネルギーを力強く表現した最新コレクションから

 サッカー、バスケットボールといったローテク名作の印象が強いプーマだが、1990年代には独自のフィッティングテクノロジー、ディスクシステムを生み出すなど、時代にフィットする革新性も備えている。

 この「ベロファシス」は、2000年代のスタイルを同社パフォーマンスランニングのアーカイブから着想を得て再解釈したモデル。オープンメッシュ素材のベースにオーバーレイ、半透明の成形TPUピースが組み合わさることで、繊細さとダイナミックさを兼ね備えたルックスに、ソフトフォーム+インソールによる長時間歩行でも疲れを感じにくい抜群のクッション性が融合。

 ヒップホップやブレイクダンスの先駆者たちへのオマージュに、4年に1度の世界的スポーツの祭典に盛り上がるパリのセンスが加わり、ユースカルチャーのエネルギーを力強く表現した、無二のコレクションがここに誕生した。

5. Reebok「PREMIER TRINITY KFS」


テクニカルなアッパーが放つY2Kムードを、さらに加速させるニューカラー

 本稿のラストを飾るのは、90年代〜00年代にインスタ・ポンプシステムをはじめ、先進的な独自技術を搭載したモデルを数多くリリースし、シーンを牽引してきたハイテクの雄、リーボック。

「プレミア トリニティ KFS」は2006年に登場したランニングシューズ。オリジンはキネティック・フィット・システムを初搭載し、前出の『ランナーズワールド』誌で発売と同時にエディターズチョイス賞を受賞した傑作としても知られる。歩行時の足の動きに合わせてアッパーパネルが独立可動するこの画期的システムが、柔軟なフィット感を創出。さらに足裏に近いミッドソールの上部に、着地時の足へのダイレクトな負担を軽減するDMXライド クッショニングを設置することで快適性をより高めている。

 白を基調にメタリックなディテールを取り入れたニューカラーがさらに際立たせるY2Kムード。周囲とカブりづらい玄人モデルという点においても、挑戦の価値ありだ。

筆者:TOMMY

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