今夏にTBSで放送されていたドラマ『義母と娘のブルース』を毎週欠かさず観ていたのだけれど、このドラマの重要テーマとしてストーリーの根本に流れていたのが
「奇跡はわりとよく起きる」というフレーズ。実際にセリフにもあった。
『義母ムス』は小さな奇跡が積み重なっていく物語なのだけれど、ドラマの中だけの話でなく、実際に僕らが過ごす日常にも奇跡はわりとよく起きていて、大切なのはその奇跡に気づけるか、そしてそれを奇跡と思える感性やゆとりを持ち合わせているかなのだろうと思う。
最近、自分に起きた小さな奇跡
自分にとって特別な教え子が、この秋からコーチとしてクラブに帰ってきてくれた。
これは僕にとって、奇跡そのものだった。彼女には、そんなつもりはないのだろうけど。
10月に出席した、ある結婚パーティーの日。急いで駅のエレベーターに乗りこんだら、一緒に乗ったヤンキー風のお兄さんに、じっと見つめられた。
え、因縁つけられるかも…と思った束の間、肩をトントン、とされて
「スーツの襟、めくれてますよ」と優しく教えてくれた。
きっと僕が何かフォーマルな席に行くのであろうこと、時間もなくスーツを急いで着たであろうことも察してくれたんだろうということは、あの場に流れた一瞬の空気感やお兄さんとのアイコンタクトで伝わってきた。うまくは言えないけど、男同士でわかる一瞬の連帯感、なんかわかってくれますよね。
彼が教えてくれなかったら襟がめくれてたことにはきっと気づかず、会場で恥をかいていたかもしれない。
あの後、すごくほっこりした気持ちで電車に乗ることができた。
つい先週末、子ども達のゲームに混ざり足を怪我した。歩くこともできないくらいに激痛で、その後の練習どうしようと思っていたところに、その日来る予定のなかったSコーチ(冒頭に紹介した教え子)がいきなり「どーもー」「ちょっと来てみたー」と現れてくれた。あれには本当にびっくりした。結局そのあとは彼女がゲームに混ざってくれて、練習も問題なく終えることができた。
あれは本当に助かった… まさに小さな奇跡。嬉しい奇跡。
その日の夜、足の怪我を診てもらったのが、クラブに所属している選手のお父さん。地元で整骨院を運営されている。今までは試合会場で会うだけで、優しそうな人だなぁという印象しかなかったのだけれど、このお父さんに診てもらい施術してもらった結果、激痛で地面に足をつけるのもできなかったのが、次の日にはもう普通に歩けるようになっていた。原因も見抜かれ、足だけでなく身体の問題も指摘してくれて、これから定期的に診てもらうことになった。
こんな身近に「ゴッドハンド」がいた。奇跡そのもの。
月曜の夜、渋谷で飲んだ帰り
センター街を歩いていたらいきなり声をかけられた。誰かと思ったら、ここ数年まるで会えていなかった、ある教え子だった。
彼から声をかけてきてくれたことが、すごく嬉しくて。
その翌日はクラブ卒業生の集まりがある日で、そこには彼のご両親も来てくれた。
実はこのセンター街での再会の時にもっとすごい奇跡があったのだけれど、それはあまりにもすんごいことだったので、ここには書かないでおくけども
(その場に一緒にいた連れだけが、真相を知っている。本当に書けない)
ここに書いたのは、全てここ1ヶ月の間に起きたこと。たった1ヶ月だけでこんなに小さな奇跡があるのだから、一年の間には、きっともっとたくさんの奇跡に出会えるんだろう。
その奇跡を、見逃さない自分でいたい。
奇跡はわりとよく起きる。
そう考えると、毎日が少しだけ楽しくなるし、嬉しくなるよね。
と、、この文章を今スタバで書いているのだけども、中央のテーブル席に赤ちゃん連れのお母さんが座っていて、赤ちゃんがいきなり大きな声で泣き出した。自分は赤ちゃんの泣き声とかむしろ最高のBGMだと思うのでいつも全然気にしないんだけど、それまでわりと静かな店内だったので、あーこれ嫌な顔するオッサンとかいるのかな、そういうのよく聞くし…と不安に思っていたら
まず、その赤ちゃんの向かいに座っている大学生カップルの2人が、赤ちゃんに向かって変顔大作戦を始めた!しかもその変顔のクオリティーが高い。思わずこっちが笑っちゃいそうになったじゃないか。
なんだよこの美男美女、性格も最高なカップル…逆に嫉妬すら覚えるレベルの完璧さ。
そしたら隣に座っている初老のおじさんもお母さんに何か優しく話しかけたり、赤ちゃんをあやしたり。お母さんも安心したように、笑顔で応えてた。次第に、赤ちゃんも泣くのをやめてしまった。
こういうのも、日常に溢れる奇跡だよなぁ。きっとあのお母さん、今日一日はとてもハッピーな気分で過ごせるんだと思う。
小さな奇跡は、自分達で作り出せるものでもあるんですよね。