ガラはもう逃げらんねえよ

──今回は皆さんに毎年年末に渋谷公会堂で行われている、年越しライブイベント「Over the Edge」について語っていただければと。

逹瑯　っていうか、その前に。ガラ、遅刻してきたんだから、肉まん買って来て。おなか空いたし。

seek　逹瑯くん、ガラさんより年下やん。先輩に肉まん買って来いなんて、俺、よう言わんわあ（笑）。

ガラ　いやいやseekくんいいんですよ、逹瑯はいつもこういう感じなんで（笑）。コンビニ行って来ますけど、皆さんなんかほかにいるモノあります？

逹瑯　肉まん。

ガラ　わかった。買ってくるから。

（数分後、ガラが肉まんを買って戻ってくる）

──ということで。改めて仕切り直しますが、「Over the Edge」は今年でもう7年目になるんですね。

ガラ　もうそんなにやってるの「Over the Edge」って！

seek　そうですね、2007年が最初やったんで。

ガラ　あ、そうなんだ！ 逹瑯とseekくんはもう「Over the Edge」の顔というか重鎮で、会議にも毎年出てるけど、俺はそこまでイベントのこと知らないし、そこまで噛んでないですからね。なんで今日ここに呼ばれたんだろう？っていう（笑）。

逹瑯　よく言うよ。言うてもMERRY、けっこう出てるでしょ？ ムックとMix Speaker's,Inc.は皆勤賞だけど、MERRYも1回出てないだけじゃない。そうやってね、「俺はそんなに、このイベントに関係ありません」って顔してるけど、そもそも「Over the Edge」が渋谷公会堂でやるようになったきっかけはMERRYだからね！

──どういうことですか？

逹瑯　最初は「Over the Edge」って代々木第二体育館でやる予定で、場所押さえてたの。そしたらギリギリの段階で、MERRYが押さえてた渋谷公会堂を手放したから、んじゃ、そっちでやろうってことになったんだよ。だから結果一番初めから絡んでんだって。

seek　渋谷公会堂開催にさせた張本人ってことですね（笑）。

ガラ　あ、そういうことね。でも、その年はMERRYは出てないけど（笑）。2006年に渋谷公会堂でMERRY単体でカウントダウンライブをしたから、次の年も押さえてたんだけど、まあ今年はいいかってことになって、直前でキャンセルしたんですよ。今思えばね、手放さなきゃよかったって。手放したばかりに、こんなに長く続くイベントができちゃって、毎回毎回誘われるっていう（笑）。バンドやっててこれが最大の汚点ですね（笑）。

逹瑯　とかなんとか言いながら、今まで6回やってきて5回も出てるでしょ？ もう立派な顔だから！ もう逃げらんねえよ。

ガラ　でもまあ、出たら出たで「Over the Edge」って、ただ自分たちのバンドでライブするだけじゃなく、セッションも目玉としてあるから、そっちもすごく刺激になるし面白いけどね。あと、ほかの場所でやってるカウントダウンライブとハシゴをした年もあったけど、やっぱ「Over the Edge」の楽屋に入ったときはすごくホームな感じがしたっていうかね（笑）。ホッとしたんだよね。

seek　確かに。帰ってくる場所、みたいなところはありますよね。6回もやってると「年末は今年も『Over the Edge』やなあ」って思いますから。

「Over the Edge」は一度終わりかけた

逹瑯　5年目まではいろんな事務所が持ち回って旗振りをしてたワケ。けどね、ひと回りした頃、なんとなくどの事務所ももう旗振りをしない感じの空気が漂って、イベントが終わりそうな雰囲気だったんよ。

seek　5回目が終わったとき、そうやったね。このイベント仕切るのって、やっぱり大変やからね。

逹瑯　そうそう。もう1周するのはしんどいかも……みたいな空気が流れて、終わるっていう話が上がってたから「え、そんなのヤダ！」と思って。誰も旗振りしないんだったら、俺やるよ！って。そしたら（藤田）幸也さんが「んじゃ俺もやるよ」って言ってくれて。

ガラ　そうなんだ。やっぱ逹瑯とseekくん仕切りのイベントじゃん。っていうか、そうやって旗振る人がいて、マンネリ化しないようにいろいろと考えながら仕切ってくれる人がいてこそ実現できるイベントだよね。

seek　まあそうですね。毎年のことなんで、マンネリ化しないようにいろいろと考えてますね。

ガラ　この2人はちゃんと企画会議とかにまで出てくれてるからね。

逹瑯　そうね。今年はしっかり出たよ（笑）。っていうかね、マンネリマンネリって言うけどさ、マンネリもずっと続くと通り越して“お約束”になるよね。

seek＆ガラ　あははははは（笑）。

逹瑯　そう思わない？ 絶対そうだよ。お約束になると、それ自体が今度は“伝統芸能”になっていくんだよ。ほら、新喜劇とかもそういうことでしょ？

──そこまでになるには、もっと歴史を重ねないと。

逹瑯　そうだね。どうせやるなら、そこまでいかないとね（笑）。

ガラ　でもなりつつあるね（笑）。さっきも言ってたけど、「『Over the Edge』に行かないと年越せない！」っていう人いるんじゃない？

seek　ですね。9月末くらいになると「そろそろ今年の面子が発表される頃なんじゃないかな？」って、ザワザワし始めてくれてるみたいですからね。

逹瑯　絶対に「Over the Edge」がなくなっちゃったら、年末暇になっちゃうヤツいっぱいいると思うよ。

seek　確かに。俺ももう7年もやってるから、今なくなったら、俺自身もどうしていいかわからなくなりそうやわ（笑）。それに最近は対バン企画が減っているのもあって、「Over the Edge」は1年に1回会うバンド同士がワイワイやってるっていう印象もあるし。1年の締めくくり的なモノになってる気がしますね。