2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

実在性のカテゴリーについて――記号主義から考える(7)

「想像的なものの非実在性」をサルトルがどのように把握したかを解釈するために、彼による意識の「静態学的」分類をとりあげよう。それによれば、対象が意識に与えられる様式によって、意識は三つの部類に分れるという。すなわち〈知覚〉(percevoir)、〈概…

実在性のカテゴリーについて――記号主義から考える(6)

実在性に関する現象学者の議論として、サルトル(J.-P. Sartre)の想像力についての考察は示唆するところが多い。同時に、この議論からは抽象的/具象的という対比概念についても教えられる点が多い。叙述の順序を変えることになるが、バシュラールの論点を点…

実在性のカテゴリーについて――記号主義から考える(5)

グッドマン『世界制作の方法』(みすず書房)の第5章の冒頭を引用することにしたい。 ときたま少々せっかちに「目の前にあるものが見えませんか」と私に訊ねる人がいる。まあ、見えるとも言えるし見えないとも言える。私には目の前の人々、椅子、書類、それ…