2014年訪日客数29.4増の過去最高の1,341万4千人!!
日本政府観光局(JNTO)が20日発表した2014年の訪日客数は、前年比29.4%増の1341万4千人と過去最高を大幅に塗り替えた。
ビザの緩和、超円安と消費税払い戻しの拡大(無税拡大)が、東・東南アジアからの観光客急増の背景にあるが、LCC就航の充実も見逃せない。おまけにクールジャパン戦略も効している。
訪日外客数(2014年12月および年間推計値)
◇2014 年12月:前年同月比43.0%増の123万6千人
◇2014年1~12月:前年比29.4%増の1,341万4千人
<12月>
2014年12月の訪日外客数は、前年同月比43.0%増の123万6千人で、これまで12 月として過去最高であった2013年(86万4千人)を37万2千人も上回った。
市場別では、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、豪州が単月として過去最高を記録したほか、韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、フランス、ドイツが、12月として過去最高を記録した。
<年間>
2014 年の訪日外客数は前年比29.4%増の1,341万4千人となり、これまで過去最高であった2013年の1,036万4千人を300万人余りも上回った。
ビザの大幅緩和や消費税免税制度拡充のほか、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透などが、2014 年の訪日外客数の拡大に寄与した。
また、観光庁、JNTOが中心となって継続的に取り組んできた訪日プロモーションとともに、日本国内のインバウンド業界の機運の高まりが、更なる訪日旅行の魅力の訴求に繋がった。
市場別では、主要18市場のうち、英国、ロシアを除く16市場が年間での過去最高を記録した。また、ロシアを除く17市場が前年比2桁増の伸びを示した。
なお、訪日外客数と出国日本人数の合計が、1964年の統計開始以来、初めて3,000万人を突破した。
2014年月別 訪日客数と観光客、出典:JNTO
|
||||
|
2014年
|
前年比
|
うち観光客
|
前年比
|
1月
|
944,009
|
41.2
|
730,519
|
60.2
|
2月
|
880,020
|
20.6
|
688,902
|
23.0
|
3月
|
1,050,559
|
22.6
|
802,434
|
28.5
|
4月
|
1,231,471
|
33.4
|
1,020,474
|
41.9
|
5月
|
1,097,211
|
25.3
|
892,577
|
31.9
|
6月
|
1,055,273
|
17.1
|
866,883
|
20.3
|
1~6月
|
6,258,543
|
26.3
|
5,001,789
|
33.1
|
7月
|
1,270,048
|
26.6
|
1,080,552
|
31.8
|
8月
|
1,109,569
|
22.4
|
903,919
|
26.2
|
9月
|
1,099,102
|
26.8
|
846,241
|
34.8
|
10月
|
1,271,705
|
37.0
|
1,029,922
|
46.5
|
11月
|
1,168,500
|
39.1
|
|
|
12月
|
1,236,100
|
43.0
|
|
|
7~12月
|
7,155,000
|
32.3
|
|
|
通年
|
13,413,600
|
29.4
|
|
|
2014年国別訪日客数
|
||
|
訪日客数
|
前年比
|
総数
|
13,413,600
|
29.4
|
韓国
|
2,755,300
|
12.2
|
中国
|
2,409,200
|
83.3
|
台湾
|
2,829,800
|
28.0
|
香港
|
929,900
|
24.1
|
タイ
|
657,600
|
45.0
|
シンガポール
|
227,900
|
20.4
|
マレーシア
|
249,500
|
41.3
|
インドネシア
|
158,700
|
16.0
|
フィリピン
|
184,200
|
70.0
|
ベトナム
|
124,300
|
47.2
|
インド
|
87,900
|
17.1
|
豪州
|
302,700
|
23.8
|
米国
|
891,600
|
11.6
|
カナダ
|
182,900
|
19.7
|
英国
|
220,100
|
14.8
|
フランス
|
178,600
|
15.3
|
ドイツ
|
140,200
|
15.1
|
ロシア
|
64,100
|
5.9
|
その他
|
823,100
|
19.8
|
出典:JNTO=日本政府観光局
|
中国の訪日旅行者数は2,409,200 人で、過去最高を記録するとともに、中国市場としては初めて200万人を突破した(これまでの過去最高は2012年1,425,100 人)。2013年9月から16ヶ月連続で各月の過去最高を記録している。2012 年~2013 年に伸び悩んだ訪日旅行需要の反動に加え、大型クルーズ船が一年を通じ多数寄港したこと、LCCなど航空便の新規就航などが増加に繋がった。さらに10月からの免税制度拡充が、円安傾向の追い風と相俟ってショッピング目的の訪日需要を喚起している。また、2014 年度から開始したVJ 事業の『九州』キャンペーンにより、九州旅行商品の販売が増加している。
<台湾>
台湾の訪日旅行者数は2,829,800人で、3年連続で過去最高を記録するとともに、全市場における年間の最高記録を更新した(台湾市場におけるこれまでの過去最高は2013年2,210,821人)。
台湾が市場別で首位となるのは、1998年以来16年ぶりである。映像やウェブサイトなどを使用した訪日プロモーションが奏功したほか、ピーク期に合わせた増便やチャーター便の運航が好調な訪日を支えている。
団体旅行は日本国内の手配価格の高騰によりツアー価格が上昇している一方で、LCC の相次ぐ就航により個人旅行が活況を帯びている。
USJへも若い観光客が大勢押しかけている。
<香港>
香港の訪日旅行者数は925,900人となり、過去最高を記録した(これまでの過去最高は2013年745,881人)。2013 年2 月から23ヶ月連続で各月の過去最高を記録しており、12月は単月として初めて10万人を超えた。円安効果、免税制度の拡充を背景に、都市部へのショッピングを目的とした訪日が好調であったほか、関西・東京・福岡・中部の基幹空港へのLCC 就航増加と、それによる航空会社間の競争激化により、個人旅行者の利便性が高まったことが増加を後押しした。また、鉄道とレンタカーを使った旅を提案する『Rail & Drive』キャンペーンが浸透し、九州・中部・北海道などで訪日外国人向け高速料金割引が相次いで設定、鉄道会社によるレールパスの販売が強化されるなど、インバウンドにおける鉄道、ドライブ旅行市場の拡大に貢献している。
タイの訪日旅行者数は657,600人で、3年連続で過去最高を記録した(これまでの過去最高は2013年453,642人)。月別では、2012年4月以降、各月の過去最高を更新し続けている。2013年7月に開始されたビザ免除を受けて実施した各種旅行博への出展や広告展開などの訪日プロモーションが奏功し、大幅な増加に繋がった。また6月、9月に相次いで新規就航したLCC 便により、割安な航空便を利用する個人旅行者が増加した。ソンクラン(タイの旧正月)休暇のある4 月は、桜シーズンに向けて実施した
プロモーションの効果もあり、99,396人と10万人に迫る数字となり、市場別訪日外客数では香港、米国を上回り、はじめて4位となった。
コメントをどうぞ