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六花酒造「じょっぱり」12月に復活

復活する「じょっぱり」を手にする北村社長。“赤だるま”ラベルはそのままに、インバウンドも意識し表記は「JOPPARI」に

 弘前市の「六花酒造」(北村裕志社長)が、酒蔵移転を機に封印したブランド「じょっぱり」を、2年ぶりに復活させる。昨秋に移転オープンした新酒蔵では、大規模な醸造から少量高品質にこだわった酒造りにかじを切り、新たに立ち上げたブランド「杜來(とらい)」に絞って製造安定に注力。一方、津軽を代表する酒として愛されたじょっぱりを求める声は途切れず、新酒蔵での醸造体制が整ったことを受け、根強いファンの期待に応えて「赤だるま」の復活を決めた。12月1日から店頭に並ぶ。
 同社は1719年創業。同市向外瀬にあった酒蔵の設備老朽化により、岩木山の麓である同市宮地へ、全国的にも珍しい酒蔵の移転を決めた。新たに三季醸造を始めることもあり「新酒蔵での生産体制は未知だった」(北村社長)と、新ブランド「杜來」の製造安定を最優先にじょっぱりは封印。一方、終売から2年経過した後もじょっぱりを求める声はやまず、「(新酒蔵の)5年、10年など節目でのメモリアル復活を考えていた」という同社だったが、新酒蔵での増産体制が整ったことを受けて復活を決めた。
 第1弾は特別純米酒。旧酒蔵で使っていた酵母、麹菌など素材は変えず、「同じ素材でどう進化させるかがテーマ。製造規模が大きい以前の酒蔵では難しかった、より細かい管理を行うことで淡麗辛口の中にも雑味のないきれいさ、飲み飽きないものを目指した」と杜氏(とうじ)の河合貴弘取締役。手間暇はかけつつも、原材料価格を抑えることで希望小売価格は720ミリリットル入りで税別1400円、1800ミリリットル入りで同2800円と手頃な値段にした。
 今後は、高品質なモダンタイプの杜來、進化したクラシックタイプのじょっぱりと、味わい、価格帯を分けた2ブランド体制となる。北村社長は「新酒蔵になって1年たち、ようやくご要望に応えられるようになった喜びを感じている」と話した。

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2024/11/13 水曜日のニュース一覧