- Xperia 1 IIは“高音質”のために生まれたDAPスマホだった!
- イヤホンジャックを搭載している真の意味を知ると面白い!
- ワイヤレスオーディオ派のWALKMANと言っても過言ではない!
Xperia 1 II = WALKMAN
音楽ストリーミングサービスをスマホで楽しむ全ユーザーにおすすめしたい、Sony『Xperia 1 II』の音質的魅力について語ります。5G?電話?…そんなものはオマケなのです。
まさに硬派なスマートフォン。
ガチ勢向けって感じが……。
目次
Tl;DR
Xperia 1 IIの音質はとにかく素晴らしいものなので、iPhoneユーザーやPixelユーザーも率先して買ってください。高級DAPユーザーはサブ機にどうぞ。
買うべし!買うべしべし!!
Xperia 1 IIの音質と魔力
それでは早速、Xperia 1 IIの音質とそのこだわりから感じる魔力について、じっくりと語っていきます。
そうそう、今回はXperia 1 IIの“音質面”にしか触れません。5G通信、カメラ性能、Android 11での新機能『外部モニター』…は、まるっと全部スルーしているので、どうか悪しからず。ただただ、「Xperia 1 IIの音質は良いぞ!」ということを伝えるためのエントリーなのです。ですなの。
それだけ音質について語りたいんだよねー。
Galaxy推しのねこちゃんがそこまで語るとは……。
φ3.5mmイヤホン端子搭載
1つめは、昨今のスマートフォンではオミットされがちな、φ3.5mmステレオミニジャック(イヤホンジャック)をちゃんと搭載しているということ。
もちろん、ただイヤホンジャックが搭載されているだけ…なんてことは当然ありません。Sony曰く、Xperia 1比で左右の音の混ざり(クロストーク)を、約1/10にまで低減しているとのこと。当然、専用のDAPと比べるのは酷ですが、取ってつけたようなイヤホンジャックではない、ということが少なくとも言えます。
低インピーダンスのヘッドホンなら、直出しでもいける感じですな。
Xperia 1 IIにイヤホンジャックを搭載している恩恵は、単に便利というだけではありません。
イヤホンジャックを本体に搭載しているということは、USB Type-C to 3.5mmステレオミニジャック変換アダプター(例:Apple A2049)が不要ということになります。これが意味するものとは、スマートフォン内でD/Aコンバートが完結するということ。つまり、スマートフォンに内蔵されているDACが利用できるという旨味があるわけです。
話は逸れるのですが、USB Type-C to 3.5mmステレオミニジャック変換アダプターには、
- アナログ型(DAC非搭載)
- デジタル型(DAC搭載)
の2種類があり、前者はUSB Type-C規格のオプション扱いになっているので、大半のスマートフォンのUSB Type-Cポートからはアナログオーディオ出力ができない仕様なのです。
要するに、イヤホン端子非搭載でアナログオーディオ出力不可なスマートフォンというのは、必然的に変換アダプターのDAC性能に依存するというわけなのです。そうなると、1,000円程度の変換アダプターのDAC性能に期待するよりも、内部的にD/AコンバートできるXperia 1 IIのほうが音質面で有利と言えるわけなのです。
高価なUSB DACを使ったら話は別だけど、安価な変換アダプターよりはXperia 1 IIの“素の音”のほうが音質的には良いと思うであーる。
そう考えると、イヤホンジャックを搭載している意味が大いにありますわね。
日本オーディオ協会のハイレゾ対応
2つめは、いわゆる『ハイレゾ(High-Resolution Audio)』に対応しているということ。
とはいえ、ハイレゾに対応しているスマートフォンは珍しくありません。メーカーが公式に謳っているか否かは別として、2021年にもなるとハイレゾ非対応のスマートフォンのほうが、むしろ希少価値があるのではと思ってしまうくらい。なので、単にハイレゾ対応というのは、Xperia 1 IIのストロングポイントではありません。
JASのハイレゾ | JEITAのハイレゾ | |
44.1kHz/16bit | × | × |
48kHz/16bit | × | × |
48kHz/24bit | × | ○ |
96kHz/16bit | × | ○ |
96kHz/24bit | ○ | ○ |
192kHz/24bit | ○ | ○ |
ハイレゾの定義比較
そもそも『ハイレゾ』という定義は、
- JAS公告のハイレゾ(ハイレゾロゴの使用が許諾されたハイレゾ)
- JEITA公告のハイレゾ(広義でのハイレゾ)
の2種類に大別され、私たちがハイレゾのロゴとして見かけるほうのハイレゾというのは、JAS(日本オーディオ協会)公告の厳密に定義されたハイレゾなのです。
さて、話はXperia 1 IIに戻るのですが、このXperia 1 IIはJAS(日本オーディオ協会)のハイレゾ『Hi-Res Audio』と『Hi-Res Audio Wireless』に対応しています。ですので、ハイレゾそのものの意義や存在価値は別として、スマートフォン単体で高音質で楽しめるポテンシャルを持っているというわけなのです。
このJAS公告のハイレゾ対応の真価が発揮されるのが、次のセクションなのであーるっ!
SRC回避でビットパーフェクト出力可能
3つめは、Amazon Music HDやmora qualitas等の音楽ストリーミングサービスで配信されているハイレゾ音源が、そのままビットパーフェクトで出力されるということ。
多くのスマートフォンがハイレゾ対応と言っても、実はここがクリアできないのです。大半のAndroidスマートフォンが『SRC(Sampling Rate Converter)』というシステム上でオーディオ制御がかかってしまい、48kHz/24bitが上限となってしまうのです。しかも、SRCのせいでUSB DACやワイヤレスオーディオアダプターを使っても、強制的に48kHz/24bitで制御がかかってしまうという厄介な特性を持っています。
Android OS搭載のDAPの場合は、SRCを回避してビットパーフェクト出力ができるようになっている製品が多くなってきました(WALKMAN NW-ZX500等)が、Androidスマートフォンとなるとこの限りではありません。ですので、Xperia 1 IIのように、USB DAC等を利用せずにSRCを回避してビットパーフェクト出力できるというのは、ストリーミング時代の昨今だと強烈なストロングポイントになるわけです。
なお、余談ですが、iPhoneやiPadの場合は、端末単体だと48kHz/24bit出力なのですが、USB DACを利用するとビットパーフェクトで再生できるようになっています。
DSEE Ultimate搭載
4つめは、WALKMANよりも高汎用性な『DSEE Ultimate』を搭載しているということ。
同じくSonyのWALKMANでおなじみの音響補正技術『DSEE』ですが、このXperia 1 IIには、現時点でのDSEE最高峰である『DSEE Ultimate』が搭載されています。これにより、非ハイレゾ音源であっても最大192kHz/24bit相当までアップコンバートが可能に(WALKMAN NW-ZX500のDSEE Ultimateは最大192kHz/32bitアプコン)。
しかも、Xperia 1 IIに搭載されているDSEE Ultimateは、音楽ストリーミングサービスやLDACコーデック対応のワイヤレスヘッドホンを利用したときにも適用されるのです。ここがXperia 1 IIのWALKMANに対するストロングポイント。
本家WALKMAN(WALKMAN NW-ZX500)に搭載されているDSEE Ultimateは、W.ミュージックアプリでしか使えず、その他のアプリだとDSEE HXになってしまうという欠点があるので、Xperia 1 IIのほうが機能的に汎用性が高く優位だというわけです。
もちろん、この手の音響補正技術には好き嫌いがありますし、いくら機能的にXperia 1 IIのほうが勝っていても、ワイヤード接続時のポテンシャルは当然WALKMANのほうが上。とはいえ、それはあくまでワイヤードでの話。ワイヤレス接続だと、Xperia 1 IIの素晴らしさが際立ってくるのです。
WALKMAN NW-ZX500ユーザーが、わざわざBluetooth接続で使うとは思えないけど…ねー。
使い方としてはもったいないですからね。
主要Bluetoothコーデック網羅
5つめは、スマートフォンベンダー独自のBluetoothコーデックを除いた、主要なBluetoothコーデックを網羅しているということ。
Ver. | Bluetooth 5.1 |
コーデック | SBC AAC aptX aptX HD aptX Adaptive LDAC |
TWS Plus | 対応 |
Xperia 1 IIのBluetoothスペック
Android O以降、エンコーダがAOSPに寄贈されている『aptX HD』と『LDAC』が対応していることはとりわけ珍しくはありません。ところが、別途Qualcommにライセンシーが必要な『aptX Adaptive』に対応しているスマートフォンというのは希少性が高い。しかも、『TWS Plus』にも対応。このBluetoothコーデックは、まさに完璧な布陣と言ってよいのではないでしょうか。
もちろん、Bluetooth接続の場合だと、LDACコーデック以外では前述したDSEE Ultimateが利用不可になります。なので、基本的にはLDACコーデックでの利用がおすすめ。
ところが、ヘッドホンやネックバンドイヤホンだとLDAC対応の製品は多いのですが、これが完全ワイヤレスイヤホンとなるとバッテリー消費量の問題から全滅状態(HiBy Music WH3がLDAC対応とのことだったが、のちにLDAC対応が見送られた)。なので、完全ワイヤレスイヤホンで楽しむのであれば、aptX Adaptiveは搭載されていたほうがよい、というわけです。
完全ワイヤレスイヤホンのBluetoothコーデックと音質の関係性は難しいんやけどね。
aptXよりもAACのほうが高音質っていう意見もあるもんねー。
少なくとも、aptXコーデックで接続するならTWS Plusがないと意味がない感じではありますなー。
外部オーディオアンプIC搭載
6つめは、こっそり外部オーディオアンプであるCirrus Logic『CS35L41』を搭載しているということ。
このCS35L41というアンプが、どこまでイヤホン端子から出力した音質に寄与しているかはなんとも言えないところ。ただ、こうやって外部のパワーアンプを搭載しているということは、間接的にXperia 1 IIがオーディオに力を入れているということの表れでもあります。
WALKMANが不要になった
Xperia 1 IIの音質へのこだわりとその魔力について話してきましたが、私はXperia 1 IIの出来があまりにも良すぎたので、WALKMANを使うことがほとんどなくなってしまいました。
ハイレゾ音源を購入して、バランス接続でじっくりと聴き込む…というのであれば、WALKMANを始めとするDAPが最適なのは言うまでもありません。ただ、自分のオーディオスタイルが音楽ストリーミングサービスやワイヤレスオーディオに寄っているのであれば、Xperia 1 IIというのが最適な選択肢だと思っています。
Android OS搭載のDAPはSoCが基本的に非力なので、昨今のスマートフォンのような操作の快適さはありませんし、音楽ストリーミングサービスを使うと結構なスピードでバッテリーが減っていきます。なので、これらのDAPはワイヤードを軸として使うユーザーに向いているものであって、ワイヤレスでものぐさに高音質を楽しむユーザー向きではないのでしょう。
要するに、Xperia 1 IIというスマートフォンは、音楽ストリーミングサービスを軸として気軽な高音質を楽しむのに最適なDAPスマホだったということです。もしくは、高級DAPのサブ機として運用するのもアリかもしれません。
そうなると欲しくなるのが、Android OS非搭載の高級DAPだったり……。
これぞ“沼”やね。
まとめ「Xperia 1 IIは音楽ストリーミング用DAP」
私がXperia 1 IIの音質について伝えたいのは…
- φ3.5mmイヤホン端子搭載
- 日本オーディオ協会のハイレゾ対応
- SRC回避でビットパーフェクト出力可能
- DSEE Ultimate搭載
- 主要Bluetoothコーデック網羅
- 外部オーディオアンプIC搭載
の合計6つのポイントが凄いよ、ということ。
スマートフォンの性能を決めるのは、採用しているSoCやカメラ性能もありますが、オーディオ性能というのも1つの指針。そのオーディオを追求した音質特化型スマートフォン、それがXperia 1 IIというわけなのです。これはWALKMAN…かも!?
Xperia Proのオーディオ版とか出ないかなー!?
おまけ
Xperia 1 IIって、とことんモバイルオーディオを遊び尽くせるスマートフォンな感じがして、それがとにかくかわゆいのであーる。
高音質をウリにしたスマートフォンも、すっかり減りましたからね。
LGは現役だけど、ZTEとかHTCは見なくなったもんね……。
おわり
Xperia 1 IIは…
スマートフォンなのであーるっ!
コンデジDAPスマホなのであーるっ!!