- iGPU・dGPU・eGPUの違いはGPUがある場所!
- それぞれにメリット・デメリットが存在する!
- 特徴を捉えてそれぞれのGPUを使いこなすべし!
改めてGPUの違いを整理した。
eGPUの登場でさらに複雑になったグラフィック界隈。そこで、『iGPU』・『dGPU』・『eGPU』の違いを、初心者向けに整理してみました。


説明がいつになく雑やね……。

…ちゃんと解説させますのでご安心を。
違いは“GPUの存在する場所”だ!

結論からすると、iGPU・dGPU・eGPUの違いを端的に言うと、GPU(Graphics Processing Unit)が存在している物理的場所が異なるということになります。
こうやって、わざわざGPUの場所が異なるような仕組みが複数あるということは、それぞれ目的やメリット・デメリットがあるということが言えるはずです。GPUの世界も多様化をしていっている…という感じ。
GPUの種類
- iGPU:Integrated GPU(内蔵/統合GPU)
- dGPU:Discrete GPU(個別/分離GPU)
- eGPU:External GPU(外部GPU)
冒頭で話したとおり、GPUの種類には主に3種類あります。どの名称にしても、英語を短縮した言葉になっており、それぞれ正式名称は上記のとおりになっています。

eGPUのイメージが強引だけど、気にしない方向でー。
iGPU
『iGPU(Integrated GPU)』というのは、CPUと統合されたGPUのことを指します。
iGPUはCPUと統合されているので、CPUとGPUはメモリを共有しています。つまり、ビデオ専用のメモリ(VRAM)というのは、iGPUにはありません*1。
ちなみに、このようなメインメモリの一部をグラフィックメモリとして利用する共有メモリアーキテクチャのことを『UMA(Unified Memory Architecture)』と呼びます。

UMA…U・M・R……うまる!?

“Unified”ということは、統一されたメモリアーキテクチャという意味ですわね。(セルフボケは無視ですわ)
■メリット
- 省スペース化が可能。
- 本体の小型化が可能。
- dGPU搭載機より低消費電力。
■デメリット
- GPU性能はdGPUより低い。
- CPUとメモリを共有している。
iGPUのメリット・デメリットについては上記のとおり。
大きなメリットとしては、CPUとGPUを1つのコンポーネントにまとめることが可能なので、本体の小型化や低消費電力化に寄与できるという点がある。また、最近のiGPUは以前に比べると高性能化しているので、軽量なゲームで解像度を下げれば意外と普通に動いたりしてくれます。これぞテクノロジーの進化。
対して、デメリットと言えるのが、やはりCPUとGPUのメモリを共有している点。メモリを共有しているということは、CPUで割り込みが多くなるとGPUが遅くなる(逆も然り)ということ。ここはUMAの仕組み的にも仕方ないところ。
*1昔はVRAMを搭載したマザーボードが存在した。また、Intel IrisではVRAM的にも使えるDRAM『eDRAM』を搭載しているので、絶対ないとは言い切れない。
dGPU
『dGPU(Discrete GPU)』というのは、CPUとは別に独立したグラフィックチップやグラフィックボード上に存在しているGPUのことを指します。
dGPUでは、GPUに専用のビデオメモリ(VRAM)があるのがiGPUとの大きな違い。これにより、CPUとRAMの食い合いが発生しなくなります。なお、GPUはPCIeなどで接続されています。
■メリット
- GPU性能が高い。
- CPUとGPUの負荷が独立。
■デメリット
- 消費電力がiGPU搭載機より大きい。
- 高価格になりがち。
- パソコンが大型化してしまう。
dGPUのメリット・デメリットについては上記のとおり。
まずメリットとしては、GPUがCPUと独立して存在していることからも分かるように、iGPUよりも高性能になることが多いということ。ちなみに、海外メディアを見ていると、デスクトップパソコンに内蔵されているグラフィックボードに関しても、dGPUと呼んでいました。
対して、デメリットと言えるのが、消費電力が多くなったり、パソコン本体が大型化してしまう傾向があるということ。ただ、最近のdGPU搭載パソコンは、以前に比べると薄型になったり、バッテリー持ちが良くなってきています。なので、極端なデメリットがなくなってきていると言ってもよくなってきました。
eGPU
『eGPU(External GPU)』とは、Thunderbolt 3等で接続する外付けのグラフィックボードとそのシステムのことを指します。つまり、eGPUはGPUが完全にパソコンの外にあります。
eGPUも独立してGPUが存在しているので、当然VRAMがあります。凄く極端に言ってしまうと、dGPUとはグラフィックボード(グラフィックチップ)が外にあるのか中にあるのかの違い、と言った感じです。
■メリット
- あとからGPUを外付け可能。
- ドッキングステーション的にも利用可能。
■デメリット
- イニシャルコストが高い。
- 同GPUでもdGPUより処理性能が落ちる場合あり。
- 利用するための動作条件が多い。
eGPUのメリット・デメリットについては上記のとおり。
本来、独立したGPUを搭載していないパソコンであっても、あとから独立GPUを利用できるのがメリット…というか、そういうシステムです。また、製品によっては、eGPUボックス(eGFX Enclosure)自体にUSBポートが搭載されており、ドッキングステーション的にも利用できたりします。
ただ、デメリットも多く、動作条件が多いのがネック。そして、eGPUボックス自体がそこまで安くないので、イニシャルコストが結構かかってしまうのも痛いところ。しかも、Thunderbolt 3に内包しているPCIeの性能的に、グラフィックボードの性能を最大限発揮できない可能性もあります。
まとめ「どのGPUも得意不得意があるものだ」

最後に要点だけまとめると
- iGPU:CPUとGPUのRAMは共用でCPUの中にある
- dGPU:GPUは専用のRAM(VRAM)を利用でパソコン内にある
- eGPU:GPUは専用のRAM(VRAM)を利用でパソコン外にある
という感じ。…かなり適当ですが、そんなところです。
性能差で言うと、
iGPU < dGPU(モバイル用) < eGPU < dGPU(デスクトップ用)
という感じ。
もちろん、GPUの世代やチップ性能でこの優劣は入れ替わってしまいますが、基本的はこの方程式が当てはまるはず。要するに、デスクトップに搭載できるグラフィックボードがさいつよなのです。うんうん。

GPUの世界も奥が深いあーる。修行をせねばば……。
おまけ

やっぱ、このへんのGPUネタはWindowsこそなんだよねー。MacでもeGPUが使えるようになったから、以前よりは遊べるようになったけど……。

やはり自作パソコンですわね。

こういうことを考えるのが醍醐味みたいなところもあるもんね!
おわり
えーと…
という結論で!おしまいっ!!