
【来年9月】イギリスの名門校「North London Collegiate School」神戸分校が誕生
- 2024/07/21
- 編集部くるくる日記
英国のインターナショナルスクール「North London Collegiate School Kobe(ノースロンドンカレッジエイトスクール、以下NLCS)」が、2025年9月に開校することが発表されました。記者発表会の様子をレポートします。
来秋、六甲アイランドで小・中が、2028年には六甲山上に中・高の校舎を新設
イギリス本校のほか、世界各国に分校を構える「NLCS」の日本校が神戸に誕生。まず2025年9月に、六甲アイランドで小学部・中等部が開校されます。2028年には六甲山の山上に校舎を新設し、中高一貫のボーディングスクール(寮制)に移行。プリスクール・小学部も、2028年~2030年をめどに、六甲山近辺でグラウンドを備えた施設への移転を計画しています。
スクールを運営するのは、輸入自動車販売やホテル事業などを展開する八光エルアール。同社が手掛けるホテル「六甲山サイレンスリゾート」近くの約5万㎡の用地に、中高の新校舎を建設します。
代表取締役の池田浩八さんは、「自然豊かな六甲山や山上からの景観に、英国本校の関係者からも、グループの中でトップレベルの学校づくりにふさわしい環境との声が挙がりました。世界中から生徒が集まる学校を目指したいですね」と語ります。
▲開校に際してパートナーシップ契約を交わした八光エルアール代表取締役 池田浩八さん(左)と、NLCS海外校教育戦略ディレクターのグウェン・バイロムさん
英国トップクラスのIB校「NLCS」とは?
1850年に創設されたNLCSは、イギリスの歴史ある女子校の一つです。国際バカロレア ディプロマ プログラム(IBDP)スコアで英国トップクラスの成績を誇り、卒業生の約40%が、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、アメリカの“アイビーリーグ”など、世界トップ20の大学に進学しています。
現在、韓国・済州島、アラブ首長国連邦・ドバイ、シンガポールなどに海外分校があり、それぞれ優れた成績を収めていることも、本校と同じ高水準の教育を維持している証だとか。
その教育プログラムは、探求型教育をベースに、次の3つの柱で構成されます。一つは、質の高い教師陣による子どもの好奇心や意欲を引き出すカリキュラム、加えて生徒一人ひとりの個性を伸ばす「パストラルケア」(個人サポート)、さらにアートやスポーツなど多彩な課外活動。神戸校でも、NLCSの基本概念をベースにしたカリキュラムが採用されます。
▲NLCSイギリス本校(提供画像)
独自カリキュラムと、生徒と教員の「ウェルビーイング」を目指す
さらに、神戸校独自のカリキュラムも導入。日本人としてのアイデンティティを確立させるため、茶道や禅など日本文化を学ぶほか、トレッキングなど六甲山の自然を生かしたプログラムが検討されています。寺社や伝統工芸など、その道のプロを講師に迎えたワークショップなども考えているそうなので、注目ですね。
また、「教育環境でのウェルビーイング」も重視しています。教育のウェルビーイングは、「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働きと潜在能力」と、経済協協力開発機構(OECD)により定義され、日本の教育施策にも取り入れられています。
記者発表ではトークセッションが行われ、東京大学教授・慶応義塾大学特任教授の鈴木寛さんが登壇。「OECDが行っている国際学力の調査『PASA』で、日本は、学力では世界トップレベルですが、ウェルビーイングに関する項目では低い結果となっています。ウェルビーイングを実現する上で、学ぶ環境は重要です。六甲山や瀬戸内海がある自然豊かな環境は、世界に誇れるもの。私も神戸出身なので、六甲山で子どもたちがともに学ぶ光景が目に浮かび、幸せな気持ちになります」と語りました。
▲久元市長(左から2人目)、東京大学教授・慶応義塾大学特任教授の鈴木寛さん(右端)も出席
発表会に出席した神戸市長・久元喜造さんも、「グローバルに活躍できるスキルや主体的に学ぶ力を、日本の教育では十分に身につけられないと考える保護者は少なくありません。インターナショナルスクールは、そのようなニーズに応える新たな選択肢の一つで、トップレベルのスクールが神戸に開校するのは、神戸にとっても日本の未来にとっても喜ばしいこと」と期待を寄せました。
スクールは共学で、定員は小学部200人~300人、中高500人程度を予定(プリスクールは未定)。ボーディングスクール移行後も、通学か寄宿かは選べます。六甲山の大自然に日々触れながら学ぶことで、グローバルに活躍できるスキルだけでなく、豊かな心も育まれそうですね。
■くるくる日記
サンケイリビング新聞社の編集部員がマスコミ向けの内覧会、記者発表会での速報、編集部員の心に留まった体験、ぜひ読者に紹介したい事柄などをつづったWebコラムです。