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ブルーバード・極 若者が考える「ラグジュアリー&スポーツ」
まずは、日産愛知自動車学校の自動車整備・カーボディーマスター科の3年生が制作した「ブルーバード・極」。ベース車両は36年前のPU11型ブルーバードの最上級モデル「ブルーバードマキシマ」である。マキシマといえば、V6エンジン(VG20E型)をフロントに横置きしたラグジュアリーセダンだ。当時流行したセンターピラーレスの4ドアハードトップである。
ブルーバード・極のコンセプトは「ラグジュアリー&スポーツ」。想定ターゲットは、学生たちと同世代のクルマ好き若者だ。自分たちの愛車を創る、という想いで、豪華でスポーティに走るクルマを作り上げたという。
じつは、ほんの一月前の12月9日に、日産愛知自動車学校の取材でブルーバード・極の製作の様子を取材していた。そのときの状況から、この仕上がりは想像すらできなかった。外野から見てもよくぞ、ここまでがんばった、という完成度だ。
製作期間は2.5ヵ月。
カスタマイズカー一台を企画・製作して東京オートサロンで展示するところまでのプロジェクトを体験すると、学生たちは間違いなく大きく成長するという。
NEO SKYLINE 現代に”ケンメリ”が蘇ったら
CV35型SKYLINEクーペをベースに日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科4年生が製作したのが、「NEO SKYLINE」。
2003~2007年に販売されていたV35型スカイラインのクーペモデルを、見事に1970年代のケンメリスカイラインのエッセンスを再現しつつ、”NEO”に仕上げている。
“N”は、50代が子どもの頃に街中を走るケンメリに憧れていた当時を思い出して懐かしさ(Nostargia)を感じてもらいたいという意味で、”E”は忙しい日々を過ごす40代に、このクルマで夢中(Enthrall)になってドライブを楽しみ、日々のストレスを発散してもらいたいという想い、”O”は、1970年代にケンメリが斬新で独創的(Originality)があったことを30代に感じてもらい、という意味があるのだという。
このクルマ、製作には6ヵ月をかけた。ボディからは学生が考えたオリジナルカラーの「トモアキブルー」(芦田ともあき君考案)。ケンメリのブライトブルーメタリックをベースに新たにパールを加えたカラーである。
Z Lealia 前から見たらフェアレディZなのに……ワゴン
同じく日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科の4年生が制作した「Z Lealia」は、フロントから見ると、現行RZ34型フェアレディZに見える。が、サイドに回ると、ルーフが長く伸び、ベースがワゴンモデルであることが判明する。これ、なんとベースはM35型ステージアなのだ。
Z Lealiaは、”家族と歩むスポーツワゴン”がコンセプト。スポーツカー好きでフェアレディZに憧れるお父さんに、家族一緒にスポーツカーでドライブを楽しんでもらいたいという学生の想いが込められている。
リヤ周りはフェンダーやルーフを一部切断し、日産リーフのリヤ部分を丸ごと取り付けて溶接した。またリヤフェンダーをワイド化することで、フェアレディZらしい筋肉質で迫力あるリヤ周りをうまく表現できている。
それにしても、3台とも、”もしかしていまの日産に欠けている、あるいは足りていないエッセンスってこれじゃない?”と思わせる何かがある。日産関係者の皆さんも、ぜひ日産自動車大学校のブースに行って、見て、感じてほしい……と思った。