整備の類はほとんどプロにお任せという人も、最低限の嗜みとして知っておきたい、セルフメンテナンスの基本をここでおさらいしてみよう。実際にやらなくても、知っているかどうかが肝心なのだ。
ジャッキアップをマスターすればメンテナンスの幅が大幅に広がる!
最近のクルマはスペアタイヤが積まれていないこともあり、ほとんどの車種にジャッキは未搭載。ジャッキの正しい使い方を知らない人も増えてきているようなので、ここでジャッキの基本的な使い方を伝授したいと思う。
まず用意したいのはジャッキとタイヤストッパー(車止め、輪止め)、そしてジャッキスタンドだ。タイヤ交換だけならジャッキとタイヤストッパーのみでも大きな問題はないが、オイル交換や足回りの整備など車体の下にもぐり込むなら、ジャッキスタンドは必須。自分の身を守るためにもぜひ用意しておきたい。
命を預けるタイヤの交換は手順を守って確実に!
ジャッキアップをマスターしたら、次はタイヤ交換に挑戦しよう。しかしクルマのタイヤは、命を預けているとても重要なパーツ。しっかり手順を踏んで確実な交換作業を行いたい。用意するモノは前述のジャッキやジャッキスタンド、タイヤストッパーに加えて、クロスレンチおよびトルクレンチを用意すること。ホイールナットは単に強く締めるのではなく、適切なトルクで締めないとネジが壊れるなどの危険性があるのだ。
手順はまず、ジャッキアップの前に取り外すタイヤのホイールナットを軽く緩めておくこと。ジャッキアップ後にナットを外そうとするとタイヤが固定されておらず、空転することもあり外すのに苦労するからだ。
そしてジャッキアップしてタイヤを外したら、必ず車体下部に置くこと。万が一ジャッキやスタンドが外れても、車体や作業者の安全を必要最小限、守るための措置なのだ。
新たなタイヤを装着し、すべてのホイールナットをある程度締めたらジャッキを外し、トルクレンチを使って規定のトルク値で締め付ける。ちなみにボルトを締め付ける順番は4〜6本など本数によって順番が異なる。これもクルマの説明書通りの順番で行おう。
オイル交換が自分でできれば整備の腕はもう一人前!
フロアジャッキを購入したあかつきに、ぜひ挑戦してほしいのがオイル交換。最近では車体下部にもぐり込まなくてもオイル交換が行える“オイルチェンジャー”を使用している人も多いが、昔ながらのドレンボルトを外してオイルを抜くスタイルは確実性もあり、何より交換コストも抑えられる。
しかし個人でオイル交換を行う際には、クリアしなければならない問題がある。そう、廃油の処理だ。液体のエンジンオイルはそのまま下水道に流すわけにもいかず、ガソリンスタンドなどに処理をお願いすると、それなりに費用もかかるし面倒だ。そこでおすすめしたいのがエーモンの『ポイパック』。紙袋およびポリ袋の中には吸収体の綿花が大量に入っており、古いエンジンオイルを吸収。作業が終わったらポリ袋と紙袋を締めて、そのまま燃えるゴミとして処理できるのだ。
また、オイル交換と並行して作業したいのがオイルフィルターの交換。テスト車ではフロントホールハウス裏側から比較的簡単にアクセスできたが、交換時に出る廃油を受け止めるため、フロアジャッキで車体を浮かせる必要があるのだ。ちなみにオイルフィルターを外すためには専用のフィルターレンチが必要だが、比較的リーズナブルなのでこれを機会に入手しておこう。
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