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タイヤ交換もオイル交換も正しいジャッキアップから!フロアジャッキから始まるDIYメンテナンスの基礎知識……あると便利なオススメ工具は?

整備の類はほとんどプロにお任せという人も、最低限の嗜みとして知っておきたい、セルフメンテナンスの基本をここでおさらいしてみよう。実際にやらなくても、知っているかどうかが肝心なのだ。

ジャッキアップをマスターすればメンテナンスの幅が大幅に広がる!

最近のクルマはスペアタイヤが積まれていないこともあり、ほとんどの車種にジャッキは未搭載。ジャッキの正しい使い方を知らない人も増えてきているようなので、ここでジャッキの基本的な使い方を伝授したいと思う。

まず用意したいのはジャッキとタイヤストッパー(車止め、輪止め)、そしてジャッキスタンドだ。タイヤ交換だけならジャッキとタイヤストッパーのみでも大きな問題はないが、オイル交換や足回りの整備など車体の下にもぐり込むなら、ジャッキスタンドは必須。自分の身を守るためにもぜひ用意しておきたい。

車載ではパンタグラフジャッキやボトルジャッキなどコンパクトなタイプが主流だが、自宅用で購入するなら、左右のタイヤを同時に持ち上げられるフロアジャッキがオススメ。写真のフロアジャッキはBAL『PROEXCEL 油圧式アルミジャッキ 1.5t No.7500(価格:4万3780円/税込)』。
タイヤストッパーは、ジャッキアップ時の安全のため必ず左右のタイヤ分=ふたつ用意しておこう。右がAMON『タイヤストッパー(黄) No.8846(実勢価格:1380円/税込)』、左がBAL『樹脂製タイヤストッパー No.2251(価格:2178円/税込)』。
車体をジャッキアップしたら、左右のジャッキアップポイントにそれぞれスタンドを設置する。写真はBAL『ジャッキスタンド キーパーマン2トン用 No.923(価格:6831円/税込)』。

命を預けるタイヤの交換は手順を守って確実に!

ジャッキアップをマスターしたら、次はタイヤ交換に挑戦しよう。しかしクルマのタイヤは、命を預けているとても重要なパーツ。しっかり手順を踏んで確実な交換作業を行いたい。用意するモノは前述のジャッキやジャッキスタンド、タイヤストッパーに加えて、クロスレンチおよびトルクレンチを用意すること。ホイールナットは単に強く締めるのではなく、適切なトルクで締めないとネジが壊れるなどの危険性があるのだ。

DIYでのタイヤ交換においてトルクレンチは必須アイテム。ない場合にはディーラーやガソリンスタンドなどにクルマを持ち込み、締め付けトルクを必ず確認すること。写真はBAL『クロストルクレンチ5pcセット No.2068(価格:1万1473円/税込)』。クロスレンチやパワーレンチとしても使える優れものだ。

手順はまず、ジャッキアップの前に取り外すタイヤのホイールナットを軽く緩めておくこと。ジャッキアップ後にナットを外そうとするとタイヤが固定されておらず、空転することもあり外すのに苦労するからだ。
そしてジャッキアップしてタイヤを外したら、必ず車体下部に置くこと。万が一ジャッキやスタンドが外れても、車体や作業者の安全を必要最小限、守るための措置なのだ。

まずは取り外すタイヤのホイールを少しだけ緩め、ジャッキアップしたらすべてのホイールナットを緩めてタイヤを取り外す。取り外したタイヤは必ず車体下部に置くこと。万が一ジャッキやスタンドが外れた際、車体の破損や作業者の安全を最小限守るためだ。

新たなタイヤを装着し、すべてのホイールナットをある程度締めたらジャッキを外し、トルクレンチを使って規定のトルク値で締め付ける。ちなみにボルトを締め付ける順番は4〜6本など本数によって順番が異なる。これもクルマの説明書通りの順番で行おう。

クルマの取扱説明書に記載されている締め付けトルクを確認したら、トルクスレンチの数値を設定。トルクスレンチにはデジタル式と機械式があるが、個人ユースでは価格もリーズナブルで電源不要の機械式がおすすめ。そして規定のトルクに達すると可動部分がカチッと鳴ってお知らせ。すべてのホイールナットを規定トルクで締め付けたら作業は終了だ。

オイル交換が自分でできれば整備の腕はもう一人前!

フロアジャッキを購入したあかつきに、ぜひ挑戦してほしいのがオイル交換。最近では車体下部にもぐり込まなくてもオイル交換が行える“オイルチェンジャー”を使用している人も多いが、昔ながらのドレンボルトを外してオイルを抜くスタイルは確実性もあり、何より交換コストも抑えられる。

しかし個人でオイル交換を行う際には、クリアしなければならない問題がある。そう、廃油の処理だ。液体のエンジンオイルはそのまま下水道に流すわけにもいかず、ガソリンスタンドなどに処理をお願いすると、それなりに費用もかかるし面倒だ。そこでおすすめしたいのがエーモンの『ポイパック』。紙袋およびポリ袋の中には吸収体の綿花が大量に入っており、古いエンジンオイルを吸収。作業が終わったらポリ袋と紙袋を締めて、そのまま燃えるゴミとして処理できるのだ。

また、オイル交換と並行して作業したいのがオイルフィルターの交換。テスト車ではフロントホールハウス裏側から比較的簡単にアクセスできたが、交換時に出る廃油を受け止めるため、フロアジャッキで車体を浮かせる必要があるのだ。ちなみにオイルフィルターを外すためには専用のフィルターレンチが必要だが、比較的リーズナブルなのでこれを機会に入手しておこう。

まず用意しなければならないのが廃油の受け皿。AMON『ポイパック(4.5L) No.8814(実勢価格:400円/税込)』は、吸収体に綿花を使用。廃油をしっかり吸収し、そのまま燃えるゴミに出せる。2.5Lと6.5Lもラインアップ。
紙袋とポリ袋を開けて箱状に整えれば準備OK。結構高さがあるので、廃油をこぼさず受け止められるはず。ドレンボルトの位置は車種によって異なるが、テスト車ではオイルパンのサイド・斜めに取り付けられていた。廃油を吸収したらポリ袋を付属の結束バンドでしっかり留めて、紙袋を閉じればそのまま燃えるゴミに直行できる。
新しいエンジンオイルを注入する際、あると便利なのがジョウゴ。AMON『オイルジョウゴ No.8804(実勢価格:380円前後/税込)』は使い切りタイプで5枚入り。オイル交換の頻度は年に1度程度なので、異物の混入を防げる使い切りタイプはお勧め。
テスト車のオイルフィルターは、右フロント・タイヤハウスの内側。アクセスも比較的容易だ。そしてオイルフィルターの取り外しに必要なAMON『フィルターレンチ No.8801(実勢価格:1500円/税込)』。取り扱いにはちょっとコツがあるが、車体下からのアクセスすれば操作も簡単で、確実に外せて新品を装着できる。

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