国分寺にある都立庭園「殿ヶ谷戸庭園」に行ってきました。
せっかくなので散歩のついでに、2台のOM-D E-M1 MarkIIに焦点距離の近い2本のマイクロフォーサーズ用単焦点レンズを付けて撮り比べなどしてみました。
- 三菱財閥 岩崎家の別邸だった「殿ヶ谷戸庭園」
- 「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」と「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」
- 入場料150円で楽しめる殿ヶ谷戸庭園
- 殿ヶ谷戸庭園 園内散策とレンズ比較
三菱財閥 岩崎家の別邸だった「殿ヶ谷戸庭園」
「殿ヶ谷戸庭園(とのがやとていえん)」は東京都国分寺市にある都立庭園です。南満州鉄道の副総裁だった江口定条の別荘として整備され、その後三菱財閥創業家の岩崎彦弥太(岩崎弥太郎の孫)が買い取って別邸としていたことでも知られ、現在は国の名勝にも指定されている庭園です。
実はこの殿ヶ谷戸庭園のことは最近まで知らず、たまたま野川の水源について調べていたところ(野川水源は国分寺駅の北にある日立製作所 中央研究所の敷地内)、同じ国分寺駅前にある緑地としてこの「殿ヶ谷戸庭園」の存在に気づきました。
殿ヶ谷戸庭園|公園へ行こう!
https://www.tokyo-park.or.jp/special/pickup/summergarden.html
ちなみに東京都内には9箇所の都立庭園があり、旧芝離宮恩賜庭園、清澄庭園、向島百花園、小石川後楽園、浜離宮恩賜庭園、六義園……といずれもビッグネームばかり(うち3箇所を岩崎家が所有していたことがあるのも凄い……)。そんな中で、唯一の23区外にある都立庭園がこの殿ヶ谷戸庭園です。
多摩エリアでは「ハケ」と呼ばれる武蔵野台地の段丘崖(国分寺崖線)の上に作られているため、庭園内には高低差があり、敷地内には湧き水が流れる小川や池もあります。ハケは私の住む府中市の府中崖線でもお馴染みですが、同様に湧き水が豊富な地形的特徴です。
そういえば久しく武道家系のラーメン(中野店が好きです)を食べてないなと「武道家 口 くにがまえ」に立ち寄ったりしつつの「殿ヶ谷戸庭園」へ。駅からは徒歩2分、というかほぼ駅の前。園内には飲料の販売や自販機はないため、駅か近くのコンビニで買って行くといいでしょう。
あとこの時期、園内にはめちゃくちゃ蚊が多い……。最近あまり屋外撮影をしていなかったので、虫よけスプレーを携行することをすっかり忘れ、さらにハーフパンツで行ってしまい大いに後悔しました。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」と「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」
さて、先日購入したオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROですが、このレンズの購入時に少し迷ったのが、既に持っていたパナソニックのLEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.と焦点距離が近いこともあって、用途が被ってしまあうのでは?ということ。
実際にはSUMMILUX 15mm F1.7はパナソニック LEICAブランドレンズの中でも価格も控えめ、ンズの開放値もF1.7で「LUMIX Gシリーズよりちょとだけいいやつ」みたいな存在(金属外装や絞りリングの搭載はありますが)。サイズ的もコンパクトでGX/GF系の小型ボディとの相性がいいレンズです。
SUMMILUX 15mm F1.7はスペック的にはオリンパスだとM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8(昔使ってました)がライバルになりそうなので、あまりM. ZUIKO 17mm F1.2 PROとの比較で迷う人はいないかもしれませんが、せっかく持っているので両方持っていくことにしました。
オリンパスのF1.2 PRO単焦点シリーズはやはり開放F1.2を積極的に使ってこそ生きてくるレンズでもあるので、オリンパス/パナソニック共にラインナップされているコンパクトなF1.7/F1.8シリーズとの大きな違いはこの開放値の差が極めて大きいなと。というかF1.2を必要としない限り、F1.7/F1.8シリーズがコンパクトで優秀過ぎる気がします。
一方のSUMMILUX 15mm F1.7は個人的にはGR的なスナップシューターとして使えるコンパクト万能広角レンズで、元々はパナソニックのLUMIX G 14mm F2.5から乗り換えたようなレンズ。なんならとてもよく映るスマホカメラ感覚というか……。17mm&15mmという画角差以上にこの2本の性格が異なることは、M.ZUIKO 17mm F1.2 PROを手にしてすぐに感じ取りました。
入場料150円で楽しめる殿ヶ谷戸庭園
さて、殿ヶ谷戸庭園です。入場料は一般150円、休園日は年末年始(12/29〜1/1)のみだそう。雨まじりの平日の午後ということもあって他に入園者の姿もなく、園内で数組の入園者とすれ違ったのみでした。
こちらの門をくぐって……
本館のサービスセンターにて受付。入園料を支払います。
殿ヶ谷戸庭園の歴史概要。「回遊式林泉庭園」。
庭は大きく反時計回りするのが順路のようです。特に立ち止まらなければ一周5分程度で歩けてしまいそうな広さ。面積は21,123.59㎡とのことなので約2ヘクタール。それほど広くはないのでできれば平日など、なるべく人の少ないタイミングで訪れたい庭園ですね。
殿ヶ谷戸庭園 園内散策とレンズ比較
敷地の最も高い段は苔むした庭園。
17mmと15mmの差はこんな感じ。足で調整できる範囲ならそれほど差はありません。撮影中は色乗りに差があるかと思いましたが(PRO単焦点の方があっさり目かな?と)、こうして並べてみたらそんな変わりませんかね(笑)
M.ZUIKO 17mm F1.2 PROの強みはこの寄りとボケの大きさ。
この辺もあえて同じ距離で撮って比べてますが、単にカメラごと寄れば結構同じ雰囲気で撮れそう。それよりはやはりボケ量の差が大きいかも。
やはり最短付近で撮り比べると見える世界が変わってきます。
気がついたらハケ(段丘)の下段に下りていました。庭園内にこれだけの高低差があります。
孟宗竹の竹林。小ぢんまりとした庭園ですが、多摩の緑地で見られる様々な要素が詰め込まれています。
園内には次郎弁天池と呼ばれる池もあります。奥に見えているのは国分寺駅の北口再開発で建てられた「シティタワー国分寺ザ・ツイン」。以前はビルの見えない緑地だったのかもしれませんね。
池の畔には湧き水も。多摩エリアのハケと言えば湧き水の多発地帯。野川公園で知られる野川(多摩川水系)の水源もここから駅を挟んだすぐ近くです。
水と苔が至る所に…… これで蚊がいなければ最高なのですが(笑)
湧き水の量が豊富ですね。長雨続きなのも関係あるでしょうか……。
湧き水とは別の川(?)の流れもあります。こちらの水源は井戸水を利用しているそうですが、国分寺崖線の際ですが地下水は豊富なのでしょうね。
35mmフィルム換算で34mm相当と30mm相当、広角スナップ的に使ってしまうとあまり変わらない。
ぱっと構えた際にある程度構図が整理しやすいのは17mmの方かな? 15mmは確かに広くて使いやすいのですが、24mm相当や28mm相当のイメージでファインダーを見てしまうと少し狭く感じてしまう。
一方で17mmは最初から準広角な35mm(34mm)に近いイメージが頭の中で作れていることが多いかも……。あくまで自分の場合ですが。
次郎弁天池から坂を登ると紅葉亭と呼ばれる東屋があり、休憩することもできます。
そういえば同じ距離で取った際に、些細な差ながら17mmの方が歪みのない構図が作りやすい。広角レンズだけど標準画角的な要素が入ってくるのがこの17mm(34mm相当)という画角の絶妙さかもしれません。以前はもう少し苦手意識のある画角だったのですが、人間変わるものです(笑)
蚊取り線香が炊かれていてようやく一息。散歩を楽しみにきた殿ヶ谷戸庭園ですが、入園してからずっと蚊に刺され続けてもう早く帰りたい……ぐらいの気分。次回は虫対策を忘れないようにします。
改めてM.ZUIKO 17mm F1.2 PROとSUMMILUX 15mm F1.7の違いについては、少し絞って(F2.0〜)遠景で使う分には1歩の差程度なので、やはり開放をどれだけ活かしたいかが大きいかなと。ソニーのSEL35F18Fが気に入っていた流れでM.ZUIKO 17mm F1.2 PROは個人的にかなりしっくり来ているレンズではありますが、コンパクトさを生かして使えるSUMMILUX 15mm F1.7もやはり良いレンズだと再認識。
そしてやはりSUMMILUX 15mm F1.7はE-M1系よりもGX7系やPEN、小型のOM-Dなどなるべく小さなボディと組み合わせてこそ、良さが生きてくるレンズですね。
蚊に刺され続けるストレスと徐々に雨が降ってきたので引き上げることにしましたが、次回はOM-D E-M1 MarkII+M.ZUIKO 17mm F1.2 PROだけでこの庭園を訪れてみようと思います。
そうそう、ビジターセンターのある本館の庭園内側は展示室になっていて、園内で見られる苔や植物の解説、殿ヶ谷戸庭園に関する各種情報のパネルなどを見学できるようになっています。
それではまた武道家が食べたくなったら国分寺まで出掛けてみることにします(笑)