プログラマSEが『自分の手に負えない仕事』に対応する方法
「これ、無茶ぶりすぎるだろ…」
「やばい、鬱になりそう…」
「手に負えない仕事」を無茶ぶりされると会社に行くのが嫌になりますよね。
それで鬱になっちゃう人とかもいると思います。
自分一人で抱え込まずに相談できればいいんですが、周りの人も忙しくて余裕がない場合もあります。
人に相談する = 自分では解決できず情けない → 自分はダメなやつ → そんなの嫌だ
と考えてしまって相談できないこともあります。
人に相談することは、情けないことではありません。むしろ、仕事のベストプラクティスです。
ITILというシステム運営のベストプラクティス集では、自分の手に負えない仕事を上長に相談することが手順として予め組み込まれています。
そんなわけで今回は「手に負えない仕事に対応する方法」を紹介します。
ITILをかんたんに紹介すると
ITILとはInfomation Technology Infrastructure Libraryの略で、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた方法論です。
私はITILの初級資格を持っています。以前勤めていた会社が資格を取ると報奨金をくれる会社で、ITILの初級資格にも報奨金が掛けられていたので、「お金目得て」で資格取得をしたのがきっかけでした(笑)
報奨金目当てだったのですが、学んでみると「なるほど!」と思えることがたくさんありました。
その一つが「エスカレーション」というものです。
自分の手に負えない仕事は「エスカレーション」してしまえ!
エスカレーションとは自分の役割を超えた仕事は上長に相談するというものです。
システム運営は様々な役割を持った部署が連携して仕事をしています。
- 顧客からの問い合わせを受付る役割
- 障害の原因を見つける役割
- 障害から復旧させる役割
- 製品を開発する役割
例えば、自分が顧客の問い合わせを受付る係をやっていて、顧客から来た質問がマニュアルに載っているものであれば、その場で回答します。マニュアル外のことで、自分では判断できない場合は上長へ相談します。
これが「エスカレーション」です。
相談された上長は、「この問い合わせは、システムのコア部分に関わることだから、製品開発部隊に問い合わせてみよう」などの判断をします。
ごく当たり前の流れですよね。
方法論として手順化されているので、「他人に相談する」 = 「自分で解決できずに情けない、自分は無能だ」なんて思うこともありません。
エスカレーション(自分で解決できないことを、上長に相談すること)することも仕事なんです。
これは私たちプログラマー・SEの仕事にも応用できます。
自分にできない仕事が来たら、上長にエスカレーションするだけです。応用というか、そのままですね。
さらにもう一歩踏み込んで、人を動かす時にも使えます。
人を動かす技術としてのエスカレーション
自分が言っても聞いてくれなくて困っている、そんな時ってありますよね。これもエスカレーションしてしまいましょう。
自分では動かせない相手を、別の人(力のある人)を使って動かすんです。
例えば、「Aさんがこれをやってくれたらうまくいくのに、自分が言っても聞いてもらえない」という場合に、
”Aさんの上司”や”Aさんの先輩”に
「今こういう状況で、Aさんがこうやってくれるとうまくいくんですが、私が言っても聞き入れてくれないので、そちらからそのように伝えて頂けないでしょうか?」
と頼めばいいんです。上司や先輩から言われれば、Aさんも意図通り動くはずです。
エスカレーションに自分の意図を入れて、間接的に人を動かしているわけです。
思い込みを捨てることで仕事はずっとうまくいく
「相談する = 自分で解決できなくて情けない」という思い込みを捨てて、「相談する = エスカレーション」と考えることで、仕事がずっとうまくいくようになります。ぜひ、試してみてください。