(2018.10.30追記しました)
フリーのイラスト素材として大人気の『いらすとや』。
様々なジャンルで使いやすく、種類も多いのですが、そういえば色覚障がいの視点で見た時はどうなのかなと思い、調べてみました。
調べようと思ったきっかけ
CUD(カラーユニバーサルデザイン)な視点で調べようと思ったきっかけは、こちらのツイートです。
いらすとやのイラストのこだわりを軽視したらダメ。
いらすとやの素材は反転して使用しても違和感が無いように人物素材に服のボタンやポケットが書かれていない。色々な髪型の、色々な服装の、複数の人物が存在する。種類の豊富さもすごい。
誰にでも親しまれるイラストを書くことの難しさよ。— 理央 🎊ゆかりっくフェス10/6参戦 (@Rio_M) October 27, 2018
実際に反転してみると、たしかに違和感がない!
ではそんなにこだわっているのなら、色の方はどうなのかな?と思ったわけです。
色覚を変えて見てみる
使った素材はこの3つ。3つめは半分趣味です。
できれば、いつも色覚を変換するときは、TOYO INKの『UDing®』を使うのですが、マシンを新しくしたら使えなくなってしまい…。
P型とD型だけですが、フォトショップの『色の校正』機能で変換しました。
ラーメンを食べる男
麺の部分と洋服が同じ色になってしまっていますが、別の色のラインが入っているので、麺をすすっているのは分かるようになっています。
埋蔵金を掘る女性
洋服とズボンがスコップの柄の部分に重なっていますが、こちらもある程度判別はできるようになってますね。
スチームパンク
複雑に入り組んでいるイラストですが、色覚を変えてもきちんと判別できるようになっています。いろんな意味ですごい。
グレースケールでも大丈夫
モノクロになっても判別できるからすごいですよね。
『いらすとや』のイラストは、CUDを取り入れてるみたいです
色味を変換しただけでも配慮してることがよく分かります。
しかし、それだけではないんです。
『いらすとや』のイラストって、髪などの濃い色の部分にシマシマが入っていたり、模様などが入っていますよね。
これも実はカラーユニバーサルな考え方の一つ。
色が変えられないなら、違う色だと分かるように模様をつける『ディザ処理(ハッチング)』というものです。
なので背景が濃い色だったり、似たような色味でもこの通り分かるようになってるのです。
いらすとや、おそるべし…!
ただでさえ、種類も豊富、反転しても使えてしまう素材なのに、色までもしっかり計算されていたとは。
すごいを通り越して、なんかもう、恐れ入ります。
『いらすとや』さんの素材はフリー素材ですが、著作権は放棄されてません。
また、21点以上使用した商用利用の場合は有償となるそうなので、利用規約をきちんと確認して使用してくださいね。
/* 2018.10.30追記 */
『ディザ処理』について説明不足だなと思いましたので、TOYO INKのディザリングについての説明ページを参考に追記しておきますね。
参考)UDing ディザ | UDing | TOOL | TOYO INK 1050+
追記)いらすとやの中の人に聞いてみました
えー、公開してすぐサーバが503になるほど沢山の方に見てもらえまして、大変ありがたく嬉しいと同時に、不安がよぎりました。
これで全然違ったらどうしよう…と。
そこで答えてもらえるかは分かりませんが(取材はお断りしているとよくあるご質問にあったので)、記事URLも添えていらすとやの中の人に問い合わせをしました。
するとなんとご回答をいただきました!
イラストはなるべく様々な色覚を持たれている方たちが
見やすいように配色しております。
とのことでした。や、やっぱり!
色彩に配慮し、様々なデザインでユーモアや風刺あるイラスト素材をあんなに公開されてる、いらすとやさん。
お忙しい中のご回答、本当にありがとうございました。回答の掲載許可もありがとうございます。
自分もこのぐらいの配慮を当たり前にできるよう精進したいです。
/* 2018.10.30追記ここまで */
[…] 『いらすとや』の素材を色覚障がいの視点から見てみた | くろひつじのメモ帳 […]