試合の流れ―序盤と中盤の境目は?

Revol
13 min readMar 13, 2016

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前回の記事ではEUスタイル(トップとミッドに1人、ボットに2人、ジャングラーが1人という形)が定番化した理由を書いたわけだけど、ありがたいことに多くの人たちに読んでもらえたみたい。次回作のテーマについての意見も貰えたし、早速執筆に取り掛かろうかってパソコンと向き合ったんだけど、ふと「そもそもなんでレーニングをしなきゃいけないのかということがわからなかったりするんじゃないか?」って思ったんだ。集団戦っていつごろから意識すべきなのかわからないって人も多いと思う。というか僕がそうだった。つまりリーグオブレジェンドの試合の流れの全体像がいまいち把握しきれていないんじゃないかって気がついたんだ。だから今回は試合の流れと、その理由、さらには指針を書いていきたいと思う。

勝利条件ってなんだろう?

最重要建築物、ネクサス
タワー(こいつめっちゃ強い)

さてさて、そもそもリーグオブレジェンドにおける勝ち/勝利っていったいなんだろう・・・まぁさすがに紹介動画でも触れられているし、わからない人はいないと思う。ネクサスを破壊することが勝利条件だ。いや、相手に降参させれば勝てるじゃないかって思うだろうけど、その降参も「敵陣のネクサスを壊せそうにない/自陣のネクサスが確実に破壊されてしまう」というチーム内の共通理解がないとだめなんだ。次にそのネクサスだけど、実はある条件を満たさないとそもそも攻撃をしかけることができない。その条件とはインヒビターと、ネクサスの前にあるタワーが破壊されていることだ。そしてそのインヒビターも攻撃するためにはそのレーンにあるタワーを全て破壊しなきゃならないし、タワーもネクサスから一番遠い方からじゃないと攻撃できないようになっている。だからネクサスを破壊するためにはタワーを壊さなきゃならないんだ。だけどタワーを攻撃しようとすればもちろん敵が邪魔してくるし、そもそもタワーも自衛能力を持っているから中々攻撃するのは難しい。だから安全にタワーを攻撃できる瞬間を作り出す必要がある。少し長くなってしまったので以下に簡単にまとめてみよう。

  1. 勝利するためにはネクサスを破壊しなきゃならない
  2. ネクサスを攻撃するためにはインヒビターとタワーを破壊しなきゃならない
  3. タワーを攻撃するためには敵をどうにかしなきゃならない

「大雑把」が生み出す豊富な戦略性

「敵をどうにかしなきゃならない」って大雑把だなって思ったかもしれない。実はこの大雑把ってのがリーグオブレジェンドの面白さにつながっているんだ。大雑把というのはつまり色々な余地があるってことなんだけど、それは多種多様なアプローチ方法があるとも言い換えられる。リーグオブレジェンドについて友人と話してみたり、あとは少し調べてみたりしたら「エンゲージ構成」とか「スプリットプッシュ戦術」とか「ポーク構成」という話や単語を見聞きした経験があると思う。この構成や戦術/戦略というのがタワーへの、そして勝利へのアプローチ方法なんだ。一番わかりやすいのがエンゲージ構成かな。エンゲージというのは戦闘をしかけていくことで、敵と戦って倒すことがアプローチへの過程だ。そしてタワーの周りに誰もいなくなった状態にしてから悠々とタワーを攻撃するのがゴールになる。ポーク構成は敵の体力を削ってタワー周辺から追い出すのがゴールの構成だ。

「いや、それだとエンゲージ構成と何が違うの?戦ってるじゃん」って思うだろうけど、エンゲージ構成と違うのはポーク構成は射程の長いスキルを活かして時間をかけてじりじりと体力を削っていくんだ。エンゲージ構成は一気に敵と距離を詰めて短時間で敵を倒しきる構成のことを指す。ポーク構成は一方的に攻撃し、エンゲージ構成は交戦状態になるんだ。他にも色々な構成や戦略があるけど、それはまたの機会に!

序盤の考え方

タワーの攻撃はかなりの脅威
ミニオンの攻撃を過小評価しちゃだめだ

勝つために様々な構成や戦略があるということはわかってもらえたと思う。でも試合開始直後からその構成や戦略を実践しよう!とはならないんだ。なぜなら試合開始直後のチャンピオンは弱くて(なんせレベル1だし!)、タワーやミニオンの方が相対的に強力だからだ。だからまずはこの差を埋め、逆に追いぬかさなきゃならない。あわよくば敵よりも強くなれると最高だ。というわけで試合開始直後は強くなるための資金稼ぎの時間になる。序盤やレーニングフェイズって単語はこの資金稼ぎの時間を指しているんだ。資金稼ぎの時間なわけだから、ちゃんとミニオンのラストヒット、リーグオブレジェンドの用語でCSっていうんだけど、それをとってしっかりとゴールドを手に入れなきゃならない。前回の記事でCSを増やすことが基本にして奥義って言ったのは、安定して資金を稼ぎ、かつ相手よりも早く強くなれるからだ。CSを確保するのが序盤の最重要課題なのは敵も同じ。だから序盤は自分/味方のCSの確保と敵のCSを邪魔することが中心になる。

両方ともできるのが理想だけど、これが中々難しい。だから自分の性格に合わせて比重を変えてみると良いんじゃないかな。あとはカスタムでCSをとる練習をして、対人戦では邪魔をする動きに重きをおいてみるとか。自分にあった練習方法で、自分にあったスタイルをみつけよう!

それと敵を倒すことでも資金は手に入るんだけど、あまりこれにこだわらないほうが良い。なぜなら同じだけの金額をミニオンを倒すことで手に入れられる(大体15CS)し、そちらのほうが確実性が高いからだ。敵を倒すことにこだわりすぎてCSを落としてしまっては元も子もない。

  • 序盤は弱い!
  • だからミニオンを倒して資金を集めることが重要
  • 敵のCSを邪魔するのも重要

序盤の終りと中盤の始まり

ファイターやコーキ向けのアイテム
メイジ向けのアイテム
タンク向けのアイテム

僕が初心者だったころ、一番わからなかったのが序盤/レーニングフェイズの終りだ。いつまでファーム(CS/資金を稼ぐこと)を続ければいいのだろう。誰に聞いても状況次第って言うから、本当にわからなかった。今はもうわかっている。そして友人たちが状況次第って答えざるを得なかった理由も。序盤の終りの目安は構成や戦略を実践する下地が整ったかどうか、だ。構成や戦略を実践するのに資金がたくさん必要なら、そのチームにとって序盤はまだまだ続いている。一方であまり必要ないなら終わっているんだ。だから状況次第。でも全体を均して一般化すると、トップレーナーやキャリーが3000から4000ゴールドを稼いだら序盤は終わりって言いきっちゃっても良いかもしれない(試合時間にすると、上手い人だと12分、遅くても15分か17分くらいかな)。なんで3000から4000ゴールドかというと、完成品のアイテム(例えばエッセンスリーバーやトリニティ・フォース、サンファイア・ケープ、アテネの血杯等々)が買える金額だからだ。1つの完成品のアイテムが買えると、そのチャンピオンはぐっと強くなる。強くなったってことは下地が整ったということだから、次の段階へ動きだせるよね。

気をつけてほしいのは、完成品のアイテムが2つ必要なチャンピオンもいるってことだ。だから自分が使っているチャンピオンは1つ目のアイテムから戦えるのか、それとももう1つアイテムが必要なのかしっかりと把握すること。さらに言えば味方のチャンピオンについても把握できると最高だ。でもたくさんのチャンピオンがいるから、少しずつゆっくりと覚えていけばいい。

  • 完成品のアイテムを1つ持った状態が目安
  • 試合時間にして12分から17分(早ければ早いほど良い!)

集団戦とその狙い

集団戦はリーグオブレジェンドの華

資金は稼いだ、自分たちは強くなった、さぁタワーを見据えて動き出そう!中盤といわれる時間帯になると、5人対5人の集団戦と呼ばれる戦闘が多発するようになる。リーグオブレジェンドの醍醐味の1つと言われるくらいだから、とても楽しい。でもむやみやたらと集団戦をしても勝利にはつながらないんだ。なぜなら集団戦はタワーを攻撃するための事前の段階に過ぎないからだ。集団戦を終えた後、タワーを攻撃できなかったらその集団戦を仕掛けたこと自体が効果的じゃなかったと言える。もちろんその集団戦に勝って、資金差を作り出し、次の集団戦で勝てるような状況にもっていけたなら効果的な仕掛けだったって言えるけど、でもちゃんとタワーを攻撃できないと有効性は低いんだ。

むしろ集団戦を行わずにタワーを破壊できたほうが、リスクの観点からみると優れていると言える。なぜなら集団戦の場合、ミスの発生や相手の方が操作技術に優れていた等々の理由によって、失敗する可能性があるからだ。集団戦を起こさずにタワーが破壊できたということは、そういったリスクを回避して確実にネクサスへと突き進んでいることを意味する。

倒されても倒されても復活するドラゴン

集団戦はタワーを攻撃するために行うって言ったけど、実はもう一つの目標もある。それがドラゴン(バロンについては後で!)と呼ばれる中立モンスターだ。ドラゴンは倒すことで自分たちのチームを強化できるバフを手に入れられる。それは攻撃力の強化だったり、タワーへのダメージの増加や移動速度の上昇と多岐にわたる(詳しい強化についてはWiki等で調べてみて)。ラストヒットをとった方にしかその強化は適用されないから、敵チームとの奪い合いになる。資金差がなく、アイテムやレベルも同じなら、ドラゴンの強化を受けたチームの方が強いというのは簡単に想像がつくよね。それとドラゴンはタワーよりも自衛能力は低い。だから中盤はドラゴンに狙いを定めた集団戦が起きることが多いんだ。

そして忘れちゃいけないのが中盤でもちゃんとCSを確保しなきゃいけないってこと。集団戦をするために仲間と合流するときもあれば、CSを稼ぐために仲間から離れる瞬間もあるんだ。その判断がものすごく難しい。プロでも間違えるくらいだ。だからこれに関しては実践と反省を繰り返していくしかない。大まかな指針としては、集団戦をしたらタワーやドラゴンを確保できるのかどうか、それと数多くのミニオンが味方のタワーに押し寄せてきているかどうか、この2つで判断してみると良いと思う。

  • 集団戦をする前にあらかじめ目標を持とう!
  • 集団戦のあとにタワーやドラゴンを確保できなかったら有効性は低い
  • CSの確保も忘れずに!

終盤へ突入、あとはネクサスの破壊だ

スロウ(Throw)の原因となるバロン

そんなこんなで試合を進めていくと完成品のアイテムを3つ持つようになると思う。その時間帯が終盤だ。試合時間にして25分から30分あたりになる。アイテム2つじゃなくて3つが理由なのは、どのチャンピオンでも完成品のアイテムを3つ持てばポテンシャルをフルに発揮できるようになるからだ。それに互いにタワーを折り合ったりドラゴンを取り合ったりして、マップの状況は試合開始直後とは全く違うものになっていると思う。大抵はインヒビターの前にあるタワーを攻撃する段階に入っていると思う。だけどこの3本目のタワーが曲者だ。ものすごく攻撃しづらいし、集団戦も起こしづらい場所にある。資金差やアイテム差を作ったのに中々しかけられないっていう経験をすることになるだろう(すでにしている人もいるかな?)。この状況を打開するのに役立つのがバロンだ。バロンはドラゴンと同じようにラストヒットをとったチームを強化する中立モンスターだ。その強化というのがミニオン強化なんだけど、「え、チャンピオンじゃなくてミニオン強化?それの何が役立つのさ」って思ったことだろう。体験すればわかるよ!ってだけだとあまりにも不親切だし、少し詳しく説明しよう。

バロンの強化を受けたミニオンと、攻撃されるインヒビター

ミニオン強化によって、味方のミニオンは長い間タワーの攻撃を受けられるようになるんだ。そうするとタワーを攻撃する猶予というのが格段に長くなる。それとミニオンの攻撃力も上昇するから、敵のタワーへの圧力がさらに高くなってるんだ。だからたくさんのミニオンを従えて敵のタワーへ圧力をかけると、かなり有利に立てるんだ。敵はミニオンを素早く倒してタワーの体力を高く保ちたいんだけど、それができないからジリジリと体力が削られることを許容するか、それとも強引にしかけて集団戦で勝つ以外に状況を打開する方法がなくなってしまう。だからバロンが終盤において重要な目標になっているんだ。

中盤ではなく終盤にバロンを目標に据えるのは、バロンの攻撃がとてつもなく痛いからだ。それとバロンを攻撃すると徐々にチャンピオンの防御能力も下がっていく。安易に触っちゃうと、いくら敵より強くてもその隙を突かれて逆転されてしまう可能性が生まれてしまう。だからチャンピオンが強くなりきったといえる終盤までは触らないようにしようってなってるんだ。

3本目のタワーを破壊するとインヒビターというのが攻撃できるようになる。これを破壊するとスーパーミニオンが仲間になるんだけど、こいつはものすごく頼りになるやつなんだ。普通のミニオンよりも数倍強いし、チャンピオンの攻撃に対しても強い。1人だけバロンの強化を受けているみたいなもんだから、こいつを活かして敵のネクサスを狙っていこう!

  • アイテムが3つ揃ったらバロンを意識しよう
  • 試合時間にして25分から30分が目安
  • インヒビターを破壊すると俄然有利に!

終わりに

さて以上がリーグオブレジェンドの試合の流れだ。試合時間やアイテムの状況をみながら、今自分/味方は何を意識すべきなのか。この記事がそれに役立てば幸いだ。始めたばかりの人はいきなり15分までに完成品のアイテムを買うなんてできないと思う。それが20分でも30分でも良い。ただ徐々に15分に近づけるように努力することが上達の第一歩目になるだろう。次は集団戦。いくら集団戦を起こすタイミングや目的が良くても、負けたら絵に描いた餅だ。集団戦に勝てるように上手くなるのが第二歩目。そうやって徐々にステップを踏みながらリーグオブレジェンドの世界を遊びまわると良いと思う。

前回と同じように、何か意見があればツイッターの方にリプライやDMで送ってきてほしい。ではまた!

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Written by Revol

Iconは @katsudion さんに描いていただきました。

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