雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

「自分探し」

いまさらLifeの「自分探し」の回を聴いた。すげー面白い、特に外伝2が非常に充実した内容。労働流動性に対するアンヴィヴァレントな想いとか、新卒一括採用に対する違和感とか、だいたい共有できる。労働経済学者が軒並み新卒一括採用を支持していることについては、彼らって実務者へのヒアリングをベースに仕事しているから現状追認になっちゃうんじゃねーの、というのと、彼ら自身がレールに乗っかってきたからじゃねーの、という気もして、話半分に受け止めている。はやくid:yukihondaがブログ再開してくれるといいんだが。今日、ロフトプラスワンでイベントがあったんだねー。行きたかった。
僕にとって自分探しって何だろうって振り返ってみると、大学時代のロフトプラスワン通いだったり、新宿ゴールデン街通いなのかな。中学くらいから振り返ると、なんか恋愛がすごく自分探しっぽくて痛いんだが、若いってきっとそういうことなんだろう。
早くから物書きになりたくて、物書きじゃ食えなくて、けれどもIT業界に何となく居場所があって、しかも自分語りは止めどなくできるものだから『絶対内定2009―自己分析とキャリアデザインの描き方』なんか読まなくても、ナチュラルに自己アピールできていた気はする。そういう立ち位置ゆえの傲慢を承知でいえば、自分のない奴が無理に自分をつくろうとするからイタいんであって、それを期待する企業もイタいけど、その仕掛けに乗っかった時点で負けなんだと思う。
あと日本経団連がブログを学生評価の対象にすることについての懸念とか、すごく興味深い。僕個人は、30分や1時間の面接じゃ見抜けないことを、数年分も書き溜めたブログなら分かるんで、これからすげーブログ分析に基づくスクリーニングとか流行るんだろうなという気はする。いつ何に興味を持っていたかって、すげー重要だからね。まあ、橋本努さんはそれが問題だというそうなんだが、ブログって背伸びしても繕えない世界だから面接ちっくに自分を演出しようという発想が浅はかという気がするし、けれども学生にとっては切実なのだろうか。
あと自分探しホイホイを搾取と捉えるか、いや世の中そういうもんと受け流すか、キャリアラダーみたいな考え方って大事だね、とかいう話もある訳で、その辺は先が見えず前の会社を辞めた僕にとっても切実な議論だった。キャリアラダーのある自分探しホイホイならいいじゃん、といい切っていいかは微妙だが、優秀な人材を低コストで集める手法としては正しいんだろうな。別に搾取でさえないんじゃないか。できない約束をして欺しているのでなければ、いくら搾取したって構わないんじゃないだろうか。本人がそれで納得しているならWin-Winだし。僕は欺されないけど、みたいな。