雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

専門性を持たず外資を転々とするのも会社にしがみつくのも根は同じ

点々転々ってのはさておき。僕は外資1社目だから転々としてないよ。25歳でネット系ベンチャーから外資系ソフト大手に転じて6年目に入った。周りには2年か3年で転々とする先輩が結構いる。就職ならぬ入社の意識が強い日本人の常識と照らすとクレイジーだが、外資じゃ人事部が弱くて社内でもキャリア形成は自己決定だし、出戻りも少なからずあることを考えると、次のポストを社内で探すか社外も視野に入れるかの違いでしかない。

ただ、20代でまだマーケットにおける特定の強みを持っているわけではないが、今より少し高い待遇で華やかに見える外資系企業から声がかかって心が揺れている人は、専門性がないまま外に飛び出ると、職をえることが優先事項になり、キャリアにおいて選択が後手後手になりがち、ということは肝に命じたほうがよい。

日本企業だと若いうちに任されることが限られていたり、自分からポジションにアプライするという文化じゃないから、望む領域で専門性を持つことができるとは限らない。30過ぎまでローテーション人事に流されるよりは、早めに外資に移って自分の専門性を磨けるポジションを狙うという選択もある。
その場合も、待遇よりも仕事で選ぶことは確かに重要だ。現時点で専門性を持っているかはさておき、向こう10年とか20年で、自分は何を積み重ねていくべきか、ということを意識しておかないと、ここで書かれているように「職をえることが優先事項になり、キャリアにおいて選択が後手後手になりがち」ではある。
確かに外資系渡り鳥の中には、待遇向上ばかり求めてのジョブホップとか、メッキが剥がれる前に転職といった食わせ物が少なからずいる。けれども食うために仕事を選ばず、人生の大事な時期を浪費してしまう点に於いて、ひとつの会社にしがみつき、会社からいわれた通りのことをやるのも根は同じではないか。
結局のところ外資系で職を転々としていようが、日本企業にしがみついていようが、自覚や主体性の有無が、中高年になってからのエンプロイアビリティに、ボディーブローのように効いてくるのだろう。