雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

はじめにことばありき

まあブログに書き殴るだけじゃ世の中は変わらない。それは確かだ。けれどもブログを人脈・権力・資金力でレバレッジして少しずつ世界を動かすことはできる。例えば僕に何かを聞いてくる新聞記者たちは、僕に質問する前にブログで僕の主張や僕の持つ情報を一通り押さえているから話が早い。

知的レベルの相当高い人が書く日記を見ていると、世の中がこの通りになればいいのにと思う時がよくある。
しかしその通りにはならない。情報の洪水に埋もれてしまう。既得権を持つ馬鹿に都合が悪ければ揚げ足取りなり印象操作なりあらゆる妨害を受けて知的レベルの相当高い人の主張は封殺される。情報の洪水に流されるだけじゃなく大きな錘をつけられてしまう。
言葉が世の中を変えるほどの影響力を持つのは、人脈・権力・資金力とコネクトできた時だけなのだろう。

フィルタリングの問題にコミットしてから、このブログには毎日のように衆議院・参議院やNHK等からアクセスがある。ここが震源かは定かじゃないが、携帯フィルタリングでは政党のマニフェストもブロックされるという話は衆議院予算委員会でも取り上げられた。ゾーニングという言葉も徐々に広がっている。
マスコミや国会議員に毎日メールで主張を送ったらウザいことこの上ないが、向こうが興味を持ってブログに毎日アクセスしてくれるのは嬉しいし、同じ事柄に興味を持っている人々とリアルタイムで情報を共有できるのは非常に便利だ。だから最近あまり長文メールは書かず、主張は全てブログで詳らかにして、メールではリンクだけ送るようにしている。その方がたくさんの人に読んでもらえるし、諄くないかたちでフォローできるからね。
残念なことに人脈・権力・資金力を持った途端に周囲は阿ってくるから、自分の論理が堅牢かどうかなんて確認できない。けれどフラットなブロゴスフィアで通用する言辞なら、大概リアルで負けることはない。それなりにエッジの効いた主張で炎上しないことは、リアルに立論する上での重要なストレステストなのだ。時には自分の主張を補強するエビデンスや、周辺情報をくれるひとがいる。情報収集の第一歩は、自分が何に興味を持っており、それをどうしようとしているか表明することだ。志を同じくする人々が協働してくれる。
僕は巷のアルファブロガー達のように毎エントリ数百ブクマとか月間100万PVにはならないだろう。小難しい書き方をしているしネタも偏っているから。けれどもリアルとブロゴスフィアをブリッジし、自分自身がブログからのフィードバックを受けて世の中と噛み合って少しずつ動かすことはできる。
エントリの応報に対して役所のWebからソースを貼り付けるとか、ブロゴスフィアでの議論を踏まえて、役人や国会議員、マスコミにレクすることもある。僕にとってこのブログは、正気で物事を考え続ける上で非常に重要なインフラで、時には直感的に脇の甘いことを書いて、自分にとって本当に大切な課題は何か、どうやって堅牢な立論を行うか、考え直すこともある。
もうひとつ重要なことは、ブログって積み上がることである。その時々の言辞は時代に流されて移ろいやすい。お調子者は特に、利に敏く自分の意見をコロコロ変える。人物を見極めるのは何をいったかより、いつ気付いたかが重要だ。もちろんブログだってバックデートして書けるけれども、ブックマークやトラバしてくるブログ、コメントといったコンテクストは流石に偽造できない。だからこのブログで前のめりのことを書いて、数年後に読み返されるということは、僕に対する大きな信頼に繋がるんだ。
僕は増田の意見には基本的に合意するけれども、けれども世界を変えようとすればコトバから始まるのだし、はてな村ってコトバを磨く上で素晴らしいインフラだと感じている。そして少しずつでもブロゴスフィアとリアルな人脈・権力・資金力とを連結し、正気な方向にリアルな議論をリードしていきたい。