【随時更新】1分で効果計測できるGoogleアナリティクスの使い方とサイト改善方法
先月に続き寄稿させていただきます、SEO対策会社のユナイテッドリバーズ代表取締役の沢辺と申します。
個人でも法人でも、Webサイトやブログ運営している方なら当たり前に使うようになった『Googleアナリティクス』
でも、いまいち使い方や見方がわからなかったり、機能が大量過ぎてどれを使っていいかわからず「あまり使いこなせてない…」なんて人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方のために、サイト改善のための見るべき項目を絞って
1回1分で効果計測と、サイト改善提案ができる方法を紹介します。
目次
はじめに:サイトのコンバージョン設定は済んでいますか?
会員登録、資料請求、購入などサイトのコンバージョン(成果)は計測できるようになっていますか?
もし、まだ設定ができていない場合は、以下の記事も参考にアナリティクスの目標設定(コンバージョン計測)をしてみましょう。
*意外と簡単!Googleアナリティクスの「コンバージョン」の設定方法
ECサイトの場合は「eコマーストラッキング」という機能を使うとコンバージョンの有無だけでなく、各指標別(キーワードや流入元のサイト、端末など)に売上までわかるようになります。
*ECサイトを作ったら設定しないと絶対損するGoogleAnalyticsのキホン
上記のサイトの「5. eコマーストラッキングタグを設定する」という部分を参照していただき、トラッキングコードに追記をしてください。
ただ、目標設定の機能は計測までに時間がかかるので、すぐに効果測定をしたいという方は、
こちらの記事を使って、アドバンスセグメントという機能でコンバージョンの状況を知ってください。
*Googleアナリティクスのアドバンスセグメントを使って目標設定無しでもコンバージョンキーワードを知る方法
Googleアナリティクスでわかること、ざっくり基礎を覚えて応用力のベースにしよう。
Googleアナリティクス効果測定、3つの分類
Googleアナリティクスでわかることは、非常にたくさんあるのですが、
ざっくり言うと、以下の3つに分かれています。機能の項目名も「ユーザー」「集客」「行動」の3つに分類されています。(キャプチャ内赤枠の箇所です。)
- 【ユーザー】サイト利用者がどんな環境や端末(PC?スマホ?タブレット?どんな機種等)でアクセスしたのか
- 【集客】サイト利用者がどこから、どんな方法でアクセスしたのか
- 【行動】サイト利用者がどんなページにアクセスしたのか
詳細な項目の名称は非常にたくさんあるのですが、ざっくりとこの3つに分類されます。
知りたいことがどこに書かれているかわからなくなったら、上記を基準にクリックして探してみてください。
3つに分類された機能を組み合わせて、より詳しい情報を知る
さらに、上記の3つの指標はセカンダリディメンションという機能でひも付けが可能です。
以下は、
- 【「ユーザー」内の計測】サイト利用者のモバイルサマリ(PC・スマートフォン・タブレット)
- 【「集客」内の計測の成績】サイト利用者の参照元/メディア(Google、Yahoo!、Facebookなど)
を9月・10月で比較した画面の例です。
Googleの自然検索(google/organic)経由で、PC(desktop)とスマートフォン(ガラケーも含まれますが、mobile)を比較するとスマートフォンサイトのコンバージョン率が極端に低いことがわかります。
先の計測方法の箇所で詳しく解説しますが、サイトの成績改善をする際には、上記のような結果を見て「スマートフォンサイトのコンバージョンを高めるには」と課題設定をし、スマートフォンサイトで「アクセスが多くて、成績の悪いページ」を探して、ページの改善を提案していけば良い訳です。
ここさえ見ればOK!Googleアナリティクスで見るべき項目とデータの活用方法
以下の4つが見るべきページの一覧です。記載の順にアナリティクス内をクリックして進んでください。慣れてきたら、フリーワードに打ち込んでも進めます。
- 流入キーワード(と自然検索経由で着地したページ)ごとの成績を知る
集客→すべてのトラフィック→チャネル→OrganicSearchをクリック→キーワードとランディングページのタブで切り替え - 流入元サイトごとの成績を知る
集客→すべてのトラフィック→参照元/メディア - 着地したページごとの成績を知る
行動→サイトコンテンツ→ランディングページ - PC・スマホ別の成績を知る
ユーザー→モバイル→サマリ
これさえ見ておけば、サイトの成績と改善箇所をつかむことができるので、もうGoogleアナリティクスの使い方で困ることはありません。
以下、個別に詳しく手順を解説します。
スクリーンショットを入れると長い解説のように思えますが、慣れてくれば全部で1分もあれば状況把握して、打ち手が考えられるようになると思います。
①【流入キーワードごとの成績を知る】流入キーワード計測はこう活かす!取れる掲載面を増やして収益拡大をする
最も効果的な(自然検索での)流入キーワードの活かし方は、掲載面を増やすことです。
次いで効果的なのが、対象キーワードでより上位に上げて流入を増やすことです。
まずは、流入キーワード計測の仕方を「集客→すべてのトラフィック→チャネル→OrganicSearchをクリック→キーワードとランディングページのタブで切り替え」この手順に沿って解説します。
集客→すべてのトラフィック→チャネルの順にクリック、表示された画面で「Organic Search」をクリックする。
10行しか表示されないので、キーワードの数に合わせて件数を切り替える。画像は1,000行に切り替えている画面。ここに出てくるキーワードのうち、以下の2つの打ち手を行うことがシンプルに売り上げにつながります。
- コンバージョンが多いキーワードの順位をより高める
- コンバージョンが多いキーワードでリスティング広告にも出稿、
また、コンバージョンしているキーワードをヒントにして、サテライトサイト制作を検討しても良いでしょう。初めから、コンバージョン増加の確度が高いサイト構築ができます。
アフィリエイト広告を実施している場合は、このキーワードの情報を出せる範囲でもアフィリエイターさんに送ってあげると非常に喜ばれますし、成績も良くなります。
なかなか自社だけでサイト増産するのも限界がありますから、まだ実施していない方も検討されると良いでしょう。
成績の良いキーワードの検索順位をより高めるには、テキストを増やすか・リンク(SNSでの拡散や自然リンク獲得)を増やすかしかないので、各キーワードで上位表示されているページに追記をして、再度拡散をさせることがお勧めです。
その際、同じキーワードで上位表示されているページに「どんな情報が載っているのか」1~5位あたりのサイトを参考にすると良いです。
「競合サイトよりもより充実したページにすること」を意識して、ページ改善すると良いでしょう。
キーワードをエクセルでチェックするためには、以下のエクスポート機能を使います。
アナリティクス内全ての画面で共通ですが、上記のようにすると計測画面の内容をエクセルデータでダウンロードができます。
改善依頼のためのファイルを作ったり、資料にしてチームで共有したりするのに使ってください。
ただ2015年11月現在は、流入キーワードの一部しか見ることができません。(Googleにログインしているユーザーのアクセスは「not provided」という表記になってしまう。)
情報を補うために以下の画面を参考に検索流入をランディングページ別に見ることをお勧めします。
図の「ランディングページ」というテキストをクリックして、表示をキーワード表示からランディングページ表示に切り替えられます。
そもそも、アナリティクスの画面内からnot provided表記を無くしたい場合等は以下の記事をご参照ください。
*Googleアナリティクスの (not provided) の意味と7つの対策まとめ【2015年最新版】
また、先月の成績と比較する場合は、以下の箇所で比較をすることができます。
右上の日付の箇所をクリック。「比較」にチェックを入れて、期間を選択して、「適用」をクリックする。
先月は流入していなかったキーワードで成績が良くなっていれば、順位強化とリスティング広告出稿の検討をしてください。
上記の通り、「集客→すべてのトラフィック→チャネル→OrganicSearchをクリック→キーワードとランディングページのタブで切り替え」
の手順で、流入キーワードを見ればより上位表示をさせるべきページがわかり、広告投入すべきキーワードがわかります。
②【流入元サイトごとの成績を知る】流入元別の成績を確認し、予算配分の調整・追加投資・アライアンスなどの検討をする
検索以外にも、コンバージョンを生む方法はたくさんあります。
どのサイトからどのくらいアクセスやコンバージョンが来たのか知るには
参照元/メディアという機能が有効です。
以下、「集客→すべてのトラフィック→参照元/メディア」の順で開いた画面を紹介します。
画面左側の赤枠の箇所をクリックして進んでください。
ここでは、
- 新しくコンバージョンが増えた流入元はないか?
- 各流入元の成績は先月と比較してどうか?
を確認してください。
流入元の成績を見て、悪化しているところから改善しているところに予算を移動させていけば、収益が改善する可能性が高いです。
新しいコンバージョンが増えた流入元があった場合はページを確認しましょう。
以下のセカンダリディメンションを利用した計測方法で確認可能です。
画面内のセカンダリディメンションをクリック、「URL」と検索窓に記入。
表示された選択肢から「参照 URL」をクリック。
上記のように、流入元のサイトのどのURLからアクセスされたかがわかるので、
流入元のサイト内のどこに掲載されているのかがわかります。これらのデータを利用することで、以下のような打ち手を考えることができるでしょう。
- もし、記載の内容に誤りがあれば訂正をお願い
- Twitterアカウントを持っていれば、掲載の御礼を伝えて絡む
- アライアンスが組めそうであれば、コンタクトを取って商談をする
このように、コンバージョンが増えた参照元には、個別にアプローチをして、アクセス・コンバージョンを拡大していくことができます。
③【着地したページごとの成績を知る】成績の良いページは広告を検討、悪いページはページのデザイン改善を行う
今度は、自分のサイト内でどのページを強化・改善すべきかを知るため、ランディングページ別のアクセスを確認します。
本当に時間も無いし予算も限られてるけど、なんとか改善策を見つけたい!という
方にはこの解析をチェックすることをお勧めします。
画面左側、赤枠のように「行動→サイトコンテンツ→ランディングページ」の順にクリック。
上記の画面のように着地したページ別に成績がわかります。
文字が潰れかけで、見づらくなってしまってますが、上の赤枠で囲んだ箇所は、先月今月とも3番目に流入が多いのにコンバージョンを生んでいないページです。
下の赤枠で囲んだ箇所は10月に新たにアクセス・コンバージョンとも発生したページです。
非常にシンプルになりますが、
- コンバージョンを生んでいなくて、アクセスが多いページはデザインを変える
- アクセス・コンバージョンを増やしている成績のいいページは広告を出す
という風にすれば、コンバージョンが増え、収益アップが見込める可能性が高いです。
業種にもよりますが、目安として、100セッション以上あってコンバージョンが無いページについては、よほど関係無い内容で無い限りは、デザインや誘導の改善でコンバージョンを生めることが多いです。
④【PC・スマホ別の成績を知る】どの端末向けのページを改善すべきか分析する
この解析は、特に3のページ別の成績を確認する解析との組み合わせで、より効果が発揮できます。
「どのページを改善すべきか」→「どの端末向けの、どのページを改善すべきか」と
一段深くチェックをすることで、より早く・効果的にサイト改善ができます。
画面の左側を「ユーザー→モバイル→サマリ」の順でクリックする。
- desktop → PC
- mobile → スマホ(ガラケーも含む)
- tablet → タブレット端末
という内訳が表示されます。
ただ、これだけだとざっくり端末別の成績がわかるだけなので、3.のランディングページ別解析との組み合わせで、改善すべきページを見つけます。
※他の解析と組み合わせた場合も、「改善すべき●●は、どの端末を対象に改善すべきか?」がわかります。
先ほどのセカンダリディメンションの設定時と同じように、画面内セカンダリディメンションをクリック、今回はランディングページを見たいので「ランディング」とキーワード入力欄に記入。
表示された選択肢の中から「ランディング ページ」をクリックしてください。
↑こちらが結果の画面です。
画面内、4.のページはPCで成績が悪く、5.のページはmobileで成績が悪いことがわかります。対象ページが端末別にまで絞れたので、後はデザインや誘導を考えていけば良いのです。
また、画面内、6.のページは、PCで成績が良いとわかるので、PCが強めに出稿できる広告を考えて出稿すれば、より効果的だともわかります。
まとめ
以下、見るべき内容と操作方法、結果を受けての改善策をまとめます。
- 流入キーワード(と自然検索経由で着地したページ)ごとの成績を知る
【方法】集客→すべてのトラフィック→チャネル→OrganicSearchをクリック→キーワードとランディングページのタブで切り替え
【施策】出て来た結果を見て、成績の良いキーワードは広告出稿と、成績の良いページは順位の改善のためにテキストとリンク強化(拡散強化)を行う。キーワード情報をアフィリエイターに送るのも効果的。 - 流入元サイトごとの成績を知る
【方法】集客→すべてのトラフィック→参照元/メディア
【施策】成績の良い参照元へ予算を寄せる。新しい流入元があれば掲載ページを調べて、アプローチし、アライアンスを検討する。 - 着地したページごとの成績を知る
【方法】行動→サイトコンテンツ→ランディングページ
【施策】成績が良いページは広告追加を検討、成績が悪いページはデザインや誘導の改善を検討する。 - PC・スマホ別の成績を知る
【方法】ユーザー→モバイル→サマリ
【施策】上記3つの解析を深めるのに使う。より改善すべきなのは、PCなのかスマホなのか確認する。
たくさんあるアナリティクスの機能、全部使えればもちろん良いのですが、まずは重要な機能だけを使って、効率よくサイト改善していきましょう。
こちらの記事が、皆様のサイト改善に少しでも役立ったら幸いです。
MarTechLab編集部
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