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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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Webマーケティングにおける「UXデザイン」を考える

【さあ、UXデザインを始めよう】Webマーケターが取るべきファーストステップとは?

 Webマーケティングにおける「UXデザイン」を考える本連載。第2回となる本稿では、デザイン会社コンセントのディレクター加川大志郎さんが、Webマーケターが日々の業務に「UXデザイン」を取り入れる際のファーストステップを解説。業務に活かせるヒントを紹介します。

明日から始めるUXデザイン

 こんにちは。株式会社コンセント プロデューサー/ディレクターの加川 大志郎です。

 前回の記事【まずは基本から】Webマーケティングに必要な「UXデザイン」ってなんだ?では、WebマーケティングにおけるUXデザインの捉え方、推進していくうえでのポイントを整理してきました。今回は、専門的な教育を受けた経験やプロジェクトでの経験があまりない場合であっても躊躇せず取り組んでいただけるように、UXデザインを業務に取り入れるための方法や、オウンドメディアである自社Webサイトを運営していく上でのポイントを解説していきます。

 今まで取り組んでいなかったUXデザインを実践していくということは、組織の中で取り組みを継続するために、新たな体制や業務フローを作ることに相当します。取り組み初期は、外部の専門家も交えたプロジェクト体制の構築が必要になることがほとんどだと思います。

 まずは現状と理想のギャップを正しく認識し、どの程度の規模で取り組むべきかを見定め、プロジェクトを立ち上げるための要件を整理するまでのステップをご紹介します。

1.現状施策の洗い出し

 WebマーケティングのUXデザインで重要な「一貫性のあるコミュニケーション方針」を策定するためは、施策全体を俯瞰する必要があります。まずは、現在の施策をすべて洗い出しましょう。自社サイトの運営やSNSの公式アカウント、出稿している広告媒体やリスティング広告などのほか、検索エンジン経由の流入については、SEO施策の実施はしていなくても状況を把握しておくことをお勧めいたします。

2.ユーザーに関する情報の収集

 Webマーケティングと無関係のものでも、ターゲットとなるユーザーに関するデータを収集しましょう。商品のアンケートなどがあれば有効活用できますし、実際に顧客と対面する部門の方へのヒアリングも有効です。デバイスやアクセス時間帯、流入経路など、アクセスログ解析で収集できる情報からも、ある程度のユーザー属性や数が推定できます。

3.ユーザーのモデル化

 収集したユーザー情報から「なんとなくこんな人」という人物像が想起できると思います。想起できる範囲でユーザーの属性情報やニーズを書き出しましょう(「ペルソナを作らねば!」と気負う必要はありません)。書き出すことで、「この人とはこんなコミュニケーションがしたい」というのがボンヤリと見えてくるはずです。こちらも、思いつく範囲で書き出しておきましょう。

4.ユーザーモデルごとのメディア接触体験の整理と提供価値の検討

 ユーザーモデルごとに、どんなメディアに、どんな順番で接触していくか、コミュニケーションをフローにしていきましょう。ユーザーに何を求めてどう行動するかを段階的に整理することで、各メディアで行いたいコミュニケーションや提供したい価値、それらを実現するための施策が断片的にでも具体化されていくと思います。

5.体制構築・プロジェクトプランの検討

 ここまでくると、提供したい体験を束ねるようなコミュニケーション方針が立てられるはずです。同時に、いつまでに、どのくらいの力をかけてこの取り組みを遂行しなければならないかもイメージできるのではないでしょうか。

 ここから先はチームで取り組むべき課題です。今までまとめた内容をもって、社内の関係するメンバーの協力を仰ぎましょう。外部パートナーの協力が必要な場合でも、1~4のまとめメモがあれば、適切なアドバイスや提案が得られると思います。

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この記事の著者

加川 大志郎(カガワ ダイシロウ)

株式会社コンセント プロデューサー/ディレクター
グローバル企業や官公庁などの大規模Webサイト群の構築・運営に関するコンサルティング、プロジェクト推進に従事。事業計画におけるWeb領域の役割定義から、日常のオペレーション業務の効率化までをトータルでコーディネートできる守備範囲の広さが強み。
Twitter:@d4r

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/31 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29378
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