「手帳が続かない」という問題について、私が思うことをつらつらと書いてみます。
つらつらと、脱線しまくりますのでご容赦ください。
来年の手帳が発売される9月
手帳界隈の盛り上がりが最高潮の9月です。
市販のスケジュール帳を使わない私も、ロフトに行ってあれやこれや新商品をチェックして、ウキウキする季節です。
手帳の区切りとなる日までにはもう少し時間がありますが…。新しい区切りがあるって、いいことだなと思います。
「区切り」と手帳の振り返り
バレットジャーナルでは、1か月ごとの小さな区切りを重ねた後、ノートの切り替えがひとつの区切りになっています。
使い切ったノートから、新しいノートへ。
新しいノートを入手した時には、新しい自分が生まれている気がしてワクワクします。
古い手帳に感じるもどかしさ
その一方で、古い手帳、今使っている手帳のイマイチさに思いが及びます。
去年新しい手帳を買うときには、あんなにいろいろ思い浮かべていたのに、結局実現できていない、続いていない。
SNSの手帳キーワード周辺で、そういったジレンマを感じる投稿を見ることが多くなるのも、またこの9月です。
選択肢が増えてつのる、自分を責める気持ち
近年、いろんなタイプの手帳が出てきて、選択肢が大幅に増えたことも、もどかしさを感じる原因の一つかもしれません。
これだけ選択肢があるのに、自分は最善のものを選べていないという思い。
本来は選び取った「あるもの」でなんとかなるはずなのに、(もっと自分に合ったものがあるのでは?)という疑いの気持ちから、あぶはちとらずになってしまい、結局何も続かない。
まずは続いたことに満足しよう
バレットジャーナルを始めてからは、「市販の手帳を買ったけど、うまく使いこなせなくて半分以上真っ白のまま」の状態に、がっかりし、自分を責めることがなくなりました。
手帳が必要なのに続かない、と落ち込むことがなくなった。
その時点では、手帳を活かせているかとか、夢がかなっているかとかは、二の次でした。
書き続けてる。それでじゅうぶん。
手帳は自分のためのもの
今の手帳に対して、もっとうまく使えるはずだ、という気持ちはあるんですけど。
いいと思って試したログが、続かなくてがっかりすることはしょっちゅうあります。
どうしても必要だと思うログであれば、手帳というツールにこだわらず、記録を取る方法を探すようにしています。
手帳は道具にすぎないと考えていても、でもやっぱり素敵な見た目の手帳だといいな、と思う気持ちもずっとあります。
SNSや使用例をチェックして、いいアイデアがないか探すことはしても、それらと自分の手帳を引き比べて落ち込むことはなくなりました(前はありました)。
私の手帳は、私ひとりのものだから、ひとと比べてもしかたない。
そう思えるようになったのは、やはり手帳が暮らしに役に立っているからだと思います。
そして、暮らしを支えてくれるツールは、ひとによっては手帳以外のものかもしれません。
家族が共有するGoogleカレンダーでもいいし、リビングに貼った大きなカレンダーでもいい。
いろいろ試してみて、そのときの自分、そのときの生活条件にあったものを使えばいい。
まっさらな手帳は万能感をくれる
バレットジャーナルというワードを定点観測していると、うまくいかなかった人の投稿をよく見かけます。
BuJoをはじめたはいいけれど大変すぎて続かなかった、という投稿を見ると、残念だなあと思ってしまいます。同時に、「毎月10ページ近くフォーマットを手描きしなければいけない手帳」というのは、やはり相当きちょうめんなひと、根気強いひとでないと続かないのだろうなと感じます。
ハビットトラッカーのジレンマ
バレットジャーナルのコレクションのなかで、いちばん人気があるのは、きっとハビットトラッカーでしょう。
習慣トラッカーともいいます。1か月分の日付とマスがあり、習慣化したいことを並べ、できた日には色を塗ったりチェックマークをつけたりします。
これをつくっただけで、なんだかすごい自分になれた気がするのですが、さて、1か月分の習慣トラッカーで習慣化できる人がどれだけいるでしょうか。
何年間もハビットトラッカーを使ってきましたが、これは習慣化するためのものでなく、頻度や周期を観測するためのものです(これに気づいてから、トラッカーをうまく使えるようになりました)。
なにかを習慣化するためには、トラッカー以外の仕組みが必要になります。
がーっと上がったらがーっと下がる
1か月分のフォーマットをまとめて作るという作業では、1年に一度、新しい手帳をお店で選ぶのと同じくらい、興奮ホルモンが出ます。万能感が満ちあふれます。毎月この万能感に満たされるなら、少々の手間くらいなんだ、という気持ちになります。
このこと自体はむしろいいことなのですが、ジェットコースターと同じように、いきなりのぼりつめてしまったら、当然、急降下してしまいがちです。毎月、急上昇と急降下を繰り返すのが平気な人でない限り、たぶんこれは相当にしんどいことではないかと思います。
効果はじわじわ出てくる
バレットジャーナルを運用し始めて、長い間、手帳は先延ばしやうっかり忘れを減らしてくれるツールでした。
はじめはログを取り続けるのにせいいっぱい。(書いたことが、ログ=記録である意識もなかったかもしれません。)
記録が途絶える時期もありましたが、空白が気にならないバレットジャーナルのおかげで、書かない時期があっても、また再開することができました。
そうやってえっちらおっちら、立ち止まったりしながらも続けてきた記録を、きちんと振り返れるようになったのは、使い終わったノートが何冊もたまってからでした。
一日を振り返り、新しいデイリーログをつくるというシステムのおかげで、短期のふりかえりはできるようになったものの、長期での見直し、振り返りができるようになったのは、手帳をつけ始めて何年もたってからです。
何年も、中途半端な習慣トラッカーをつけ続けて、ようやく気づけた「私に習慣づけさせるコツ」もあります。
手帳に書きとめた記録を通じて自分の強みを知り、自分の問題点を知る。
私だけの手帳メソッドを知るプロセスは、非効率
「私だけに効くコツ」は、老舗の秘伝のタレみたいにいろんなところから得たメソッドやアイデアをつぎ足しつぎ足しして作られたもので、どこにも同じものはありません。
手帳というのは、少しずつ少しずつ改良し、新しいものを足し、不要なものをそぎ落としながら、「私だけに効くメソッド」を見つけていくツールなのだと思います。
最短ルートがあればいいけれど、たぶんそれは長い道のりになります。
(そういう目的じゃない人もいるだろうけれど、この記事は、そういう目的を持っているけれど続かない、という人のために書いています。)
効くツールは手帳じゃなくてもいい
「自分だけに効く」メソッドは、別に手帳でなくても構わない。
頭の中だけでできる人もいるだろうし、デジタルツールを活用する人もいるでしょう。
バレットジャーナルに追加するコレクションのバリエーションを増やしたくてたまらなかった時期には、いろんなページを追加しては、続かずやめる、ということを繰り返していました。
バレットジャーナルの箇条書きだけでは難しい、時間の流れに沿ったプランニングがしやすいフォーマットなども、いろんなパターンを試しました。
こういったフォーマット・テンプレートのたぐいは、私の場合、毎日同じものを使い続けようと思うと必ず続かないのです。
(私は使い勝手のよかったページを撮影しておいて、テンプレート集をGoogle Photoのなかに作り、必要な時だけページに書くようにしています。)
グラフやトラッカーなど、紙でやるとデータを活用しにくいけれどSNS映えしやすい・見た目がいい、と理由で作っていたコレクションページも、デジタルで自動記録できるものはデジタルツールを使うように変えていきました。
バランスを探る
手がかかるページを作る楽しさと、実際に役に立っているかどうか、というバランスは、人によって違います。同じひとであっても、そのときの暮らしの状況によって変わってくるでしょう。
正直なところ、SNSでシェアされている手帳画像を見ると、(うわあ、これを手書きでやってるんだ、めんどくさくないのかなあ)と思うことがあります。でも、私の手帳だって、頭の中だけで思考整理できて、必要な自己管理はデジタルでやっている人なんかが見ると、(うわ、まどろっこしいことやってるなあ)と思うはずです。
ひとの数だけ正解がある。
山ほど試してみないとわからないこともある
思えば、バレットジャーナルを知る前は、毎年続かない手帳にがっかりしていました。
いろんな手帳を並行して試したくても、複数冊を買う財力もなく、複数冊を併用する根気もなく。
バレットジャーナルをはじめてからは、「空白期間ができても、ページ的には空白なしで再開できる」ということに励まされつつ、手帳にメモすることを続けられるようになりました。
バレットジャーナルの装飾化がはじまってからは、私自身も例にもれず、いろんなコレクション・フォーマットを試しました。試してみて、そのほとんどが自分には必要ないとわかった。
そして、私は自分のことを、比較的絵を描いたり表を書いたりするのが好きなタイプだと思っていましたが、確かに好きではあるけれども、それをルーティンにしてしまうと全然ダメ、ということにも気づけました。
この気づき、バレットジャーナルをあきらめる人にはあるあるなのではないかと思います。
毎月のフォーマットが自分で書けないと思ったら、配布テンプレートを印刷して貼りつけたり、マンスリーだけの薄いスケジュール帳やカレンダーシールを使って、「最低ライン」を探ってみてほしい。
そして、かきたい!と思ったときに、自由に書いたり描いたりするといいです。
書きたいと思ったときに、次の見開きページを自由に使えるのが、バレットジャーナルのよさなのだから。
のびのびとクリエイティブなページを作って、ルーティンは自分にとっていちばん省エネな方法で地道に続けていく。
ルーティン部分は、手帳でなくても構わない(続く方を選ぶ)。
手帳にしても、デジタルツールにしても、結局毎日それを思い出せるフックが暮らしのなかにないと続かないんですよね。
まとめ
バレットジャーナルに興味を持つ人って、クリエイティブ気質があるタイプが多い気がするんですよね。
で、バレットジャーナルの運用スタイルをクリエイティブ方面に全振りしちゃって、疲れて続かなくなる。
これは、SNSがよくない方に影響している場合も多い。SNSで注目されるには、クリエイティブ方面に全力を注ぐ必要があるから。でも、普通の人はそうじゃない。
実直なセルフマネジメントとしてのバレットジャーナルのなかに、クリエイティブな部分を発散させるちょうどいい割合をうまく見つけるといいと思います。
これはバレットジャーナルだけでなく、1日1ページなどの記入スペースが多い手帳にも言えることです。
時間管理・アイデアメモ・ライフログ・SNS投稿、手帳の中に盛り込むいろんな要素それぞれから、自分が何をどのように得ているか、それぞれにそそぐエネルギーの適切なバランスはどのくらいか、を見つけること。
そこがクリアになると、自分ならではの手帳の続け方が見えてくると思います。
続かないのは、確かに必要じゃないっていうこともあるかもしれないけれど、それだけじゃなくて、自分が手帳に求めるものが混線しちゃってるんじゃないかと。
自分にとって重要度の高いものを最低ラインに設定して続けると、続きます。
長文になりましたが全然まとまってなくて、また手を入れるかもしれないんですけど。
ここまで読んでくださってありがとうございました。