ナイロビの蜂

マクノスケ
ジャスティン(レイフ・ファインズ)が、弁護士で救援活動家の
美しい妻テッサ(レイチェル・ワイズ)を殺され、妻が追っていた事件を
突き止めるうちに、彼女の愛の大きさを知っていくというラブサスペンス。
上映時間が3時間近くの大作ですが、レイフ・ファインズが
事件を追及する事になるまでが、思った以上に長く、
サスペンスの部分がその割に短めで、最終的に彼が弾ける事なく、
彼女への想いだけに浸って終わっていくのが、物足りなかったかなーと。
事件の真相に迫りこそすれ、彼女の意志を受け継いで
彼がアフリカ問題に立ち行っていくという展開に敢えてしなかったのは、
そういう優しさの固まりのような男が、テッサ(レイチェル・ワイズ)にとって、
心の拠り所だったわけだから、彼は最初から最後まで変わらないのかなァ…と、
自分に言い聞かせつつ見ていたわけなんですけれど…。
あと、もうひとつしっくり来ないのは、彼の事を思って真相を隠し続けた
彼女の行動が、怪しすぎるようにも思うし、彼女が求めていた夫への愛は、
自分の安らぎが欲しい時だけだったように見えてしまって、
ジャスティン(レイフ・ファインズ)が再確認していく妻への愛に、
どこか感情移入出来ない違和感のようなものを感じました。
アフリカ問題、広大で美しいアフリカロケ、演技達者な役者陣…と
映画館で見る映画としては、なかなか良質な作品だとは思いますが、
私としては、手応えの方はいまひとつでしたねー。
尚、「ナイロビの蜂」というタイトルは、テッサが追っている事件に
関わりのある会社のシンバルマークから来ているようですが、
もうちょっと気の利いた邦題はなかったのかなあ。
翻訳されている原作のタイトル通りでなくても良かったとも思うんですが…。
マクタロウ
そこに生まれる利益に群がる国、企業。
その事実を知り、公表を迫った末に殺害される主人公
ジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻テッサ(レイチェル・ワイズ)。
庭いじりにしか興味が無く、裏の世界など何も知らなかった
ジャスティンは妻の死に疑問を抱き、1人で調査を始める。
それはテッサの辿った道を追体験すること。
やがてジャスティンはテッサと一つになる道を選ぶ。
物語としてはアフリカの現状を描いた社会派ドラマだが、作品のテーマは
ジャスティンとテッサの愛情の方に重きを置いていたように感じた。
ジャスティンはテッサの死の謎を解明し、
彼女が公表しようとしていたレポートを探し出す。
彼はその後、(おそらく逃げようと思えば出来たはずだが)妻を殺した男達が
やってくるであろう湖に向かう。自ら死(彼女のもとへ行く事)を望んだのだ。
つまり彼はアフリカの現状や上司、同僚の裏切りなどどうでもよく、
ただテッサの死の原因となった物を突き止め、
彼女が望んだレポートの公表さえ出来れば良かったのだ。
私としてはこの、彼の決着の付け方に納得がいかず、
すっきりと作品を観終える事が出来なかった。
また彼らの「愛情」についても、作品で描かれる二人の生活はすれ違いばかりで、
特にテッサはジャスティンを守るために自分の活動内容を
話していなかったとされているが、私としては、テッサが彼には
干渉されたくないだけのように感じた。
演出も、手持ちカメラの多用が作品の「質」とは合っていないように思う。
内容、演出共に、私としては「ちぐはぐ」な1本であった。
ナイロビの蜂(2005)
THE CONSTANT GARDENER
メディア 映画
上映時間 128分
製作国 イギリス
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2006/05/13
ジャンル サスペンス/ドラマ
地の果てで、
やっと君に帰る。
監督:フェルナンド・メイレレス
製作:サイモン・チャニング・ウィリアムズ
製作総指揮:ジェフ・アッバリー ジュリア・ブラックマン
ゲイル・イーガン ロバート・ジョーンズ
ドナルド・ランヴォ
原作:ジョン・ル・カレ 『ナイロビの蜂』(集英社文庫刊)
脚本ジェフリー・ケイン
撮影:セザール・シャローン
プロダクションデザイン:マーク・ティルデスリー
衣装デザインオディール・ディックス=ミロー
編集:クレア・シンプソン
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:レイフ・ファインズ ジャスティン・クエイル
レイチェル・ワイズ テッサ・クエイル
ユベール・クンデ アーノルド・ブルーム
ダニー・ヒューストン サンディ・ウッドロウ
ビル・ナイ サー・バーバード・ペレグリン
ピート・ポスルスウェイト ロービア
ジェラルド・マクソーリー
ジュリエット・オーブリー
リチャード・マッケーブ
アーチー・パンジャビ
ドナルド・サンプター
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