映画「インターステラー」
マクノスケ
近未来、人類滅亡までわずかとなった時、移住が出来る星を
みつけるために宇宙船で旅立ったクーパー(マコノヒー)。
まだ幼い最愛の息子と娘の元に必ず戻ると誓って。
たしかに手垢が付いた映像やストーリーではありますが、
いやはやその巧みな構成力、ロケやセットにこだわった映像表現、
そして血の通った登場人物たちに圧倒されっぱなしの169分でした!
実は私不覚にもIMDBでそれぞれの役者さんの役名を見てしまいまして…
それが微妙にねたばれしていたもんですから、ちょっとガビーンとなっていたんですが、
まあ、それが幸いして冒頭のシーンからニヤリとさせられました。
でも知らない方がたぶん3倍楽しめたかも!
評価
ここからネタバレ注意!
いや~しかし、これですね。
やっぱりノーラン版2001年宇宙の旅ですよね。
なんかジマーの音楽までツァラトゥストラはかく語りきのオマージュっぽかったような?
あれですかねえ。
TARS(人工知能)のデザインはやっぱりモノリスを意識してるのかなあ。
と言うか…
TARSとクーパーの関係などは「2010年」のチャンドラー博士とHAL9000の感じ?
よく考えれば2010年に出ていたジョン・リスゴーがクーパーの父として
キャスティングされているのはリスペクトだったりするのかも。
でもスター・ウォーズファンとしてはTARSとクーパーの関係が
R2とルークのようにも見えたりしちゃったわけですよ。(←腐っててゴメン!)
まあ、あとはアニメファンの戯言で言わせて貰えば…
「宇宙戦艦ヤマト」の1作目が近かったりするのかなと思ったりして。
宇宙人(異次元人)からなんとか地球人を助けたいとメッセージが届き、
ヒントを与えられ宇宙の果てを目指すってところがね。
ヤマトはワープエンジンでこちらはワームホールってところ。
でも知らないだけで「ヤマト」も下敷きが「2001年」だったかもしれませんね。
ウィキペディアを読むと最初はノーラン弟の脚本をスピルバーグが
監督する予定だったそうですが会社の関係でノーランが監督することになり
後半の宇宙シークエンスの部分をノーランが脚本を追加したそうで~
いや~スピちゃんには悪いけど、スピルバーグ降板に感謝したい気持ちで一杯です。
前半のクーパーが宇宙に飛び立つまでのシーンもドローンを追うシーンなど
目を見張る映像満載なんですが…宇宙に飛び立ってからの描写がこれまたねえ。
非情に過ぎ去っていく時間との戦いの中どの星に行くのか選択を迫られるクルー.。
家族から届く一方通行のビデオレターが切なすぎる!!
その星々で遭遇する困難に立ち向かうクーパーの心の家族に会いたいと
いう気持ちがまっすぐに観ているこちらに伝わって来て心打たれました。
途中マン博士(まさか彼が演じているとは!)の登場がこれまたクッションになっており
彼との一戦や母船とシャトルとのドッキングには手に汗握りました。
理論物理学者のキップ・ソーン博士が監修している宇宙理論に基づく部分は…
そういう設定なのね?と思って観るしかなかったけど…
本当にこれ久々のこれぞハードSF!と言ったスタイルでそれだけでも手応えバッチリ。
ハードSFと言っても2001年のような人と機械と進化だけじゃなくて
(もちろんそのドライさとビジュアルが2001年はいいんだけど…)
ノーランはそれにきちんとドラマを加えることに成功している上に、
さらにそれがサスペンス仕立てになっているのもワンダフル!
振り返ってみると、ノーランは「バットマン」と「インセプション」でも
SFに人間の弱さや恐れ、愛などを巧みに取り入れていましたっけ。
改めてそのことに気づいて余計に心が震えてきました。
今や映画界においてSFとドラマを両立出来る唯一無二の存在かもしれません。
いや~しかし5次元空間の描写!「インセプション」の時もそうでしたが…
もうドツボなんですよ~。あの色彩と言いデザインと言い、もうたまらん!
クーパーがマーフィーに連絡を取りたいと必死になっている時に
「腕時計だよー」と(やりかたはわからないながらも)心の中で叫んでました。
エレン・バースティン(「エクソシスト」のリーガンの母役)がマーフィーの老年期を
演じるのがわかっていたので(←これが上記に書いた失敗)再会シーンも
いろいろと思い浮かべていたのですが、家族や親戚に囲まれてベッドに横たわる
シーンに彼女は幸せな人生を送ったのだと泣けて来ました。
そしてマーフィーのあのセリフ。「親が子の死を云々」は…
「二つの塔の」のセオデンのシーンで号泣した私ですのでここでも滝涙。
そう言えば…マーフおばあちゃん。
冒頭のインタビューシーンですでに写ってたんだねえ。
あぁ、ノーラン、やってくれるなあ。ホントやられっぱなしだよ~。
病院を出たクーパーが格納庫をみつめるシーンは
ラストへの複線なんですがここでもスター・ウォーズ病の私は…
「お!この格納庫の絵面いい!EP7もこうだったらいいな!」とか思っちゃってて。
(↑ いい加減にしろ!)
アメリア(←この名前もアメリア・イアハートへのリスペクトだよね?)
救出に向かうクーパーの姿に場内からすすり泣きが聞こえてきたのが印象的でした。
マコノヒー、 アン・ハサウェイ、マイケル・ケイン マッケンジー・フォイも
良かったけれど、やっぱりジェシカ・チャステイン…恐ろしいくらいに上手い…。
デルトロファンとしては「クリムゾン・ピーク」が楽しみです。
マクタロウ
「2001年宇宙の旅」の遺伝子を受け継ぐSF映画である。
何者かに導かれ宇宙に出て行くプロットに、
「地球の危機」「父と娘の家族愛」という要素を加え、
よりエモーショナルに、現代的にアレンジされているあたりがノーランならでは。
例えば、「2001年」でのコンピュータは人類と対立する立場で描かれているが、
本作に登場するコンピュータ(ロボット、しかもモノリス型!!)は、
主人公と協力して人類の危機を救う手助けをするうえに、
終盤では主人公との間に友情さえ感じられる魅力的な存在だ。
代わりに、暴走を起こしミッションを危機に陥らせるのは人類なのだ。
嘘をつき、感情に左右され、エゴに走り、仲間を裏切る存在。
人間こそが最も予測不可能な存在なのだろう。
一方で、娘を助けたい、娘がいる地球を救いたいという感情から
ミッションの遂行を図る主人公。
誰かを愛するがゆえに、正しい行動を取ろうとするのも人間ならば、
その愛のために冷静な判断が出来なくなるのも人間。
この、登場人物のキャラクターを重視した「人間ドラマ」として作品が
作られているところが、作品の最大の魅力なのだと思う。
間違いなく、今年これまで観た作品の中では1番だ。
インターステラー(2014)
INTERSTELLAR
メディア 映画
上映時間 169分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2014/11/22
ジャンル SF/ドラマ
映倫 G
必ず、帰ってくる。
それは宇宙を超えた父娘の約束――。
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン
クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー
アン・ハサウェイ
ジェシカ・チャステイン
エレン・バースティン
マイケル・ケイン
マッケンジー・フォイ
ティモシー・シャラメ
ジョン・リスゴー
デヴィッド・オイェロウォ
声の出演: ビル・アーウィン
映画のあと渋滞で1時間も掛かり…近所のスーパーで買い物して帰ったのが
7時近く…。いや~ハードな1日でした。
マクタロウとふたりで運営する「のほほん本舗」トップページ:今日の空
「日刊のほほん本舗」今日の空の全景写真のブログ
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