猫を貸し借り…はしないのに「借りてきた猫って何?
「借りてきた猫」とは、
「いつもの様子とは違い、非常におとなしいさま」を形容する表現です。
普段は騒がしい人が、
打って変わってとても静かでおとなしくなってしまうことを指します。
「借りてきた猫のようにおとなしい」とは
日常でも使われる言葉で
耳にしたことのある方も多いでしょう。
あれ?でも待って。
猫って貸し借りするもの?
これはまた、猫に濡れ衣的な
不名誉な言葉をあてがっただけじゃないの?と思い、調べてみたら、
猫にまつわる歴史的なエピソードや
習性をもとに作られた言葉であることがわかりました。
借りてきた猫の語源・由来
借りてきた猫の由来となったのは、
猫にまつわる歴史的なエピソードだといわれています。
古く、日本特有の隙間の多い家屋に住む人々は、
備蓄してある食材をネズミが食い荒らしてしまうことに悩まされていました。
ネズミの駆除に役立つ猫は飛鳥時代に日本に来ていたものの、
なかなか繁殖が進まず貴重な動物のままでした。
知人が猫を飼っていた場合、
ネズミの駆除のために貸して欲しいと依頼するケースがよくあったようです。
しかし、「猫は家に付く」と言われるように元来狭いテリトリーを持つ生き物。
臆病な生き物ゆえ、自分のテリトリー以外では、
疑心暗鬼になってしまって普段のようには行動できなくなる習性があります。
そのため、せっかく借りてきても
慣れ親しんだ場所以外ではおとなしくなってしまい、
目的だったネズミの駆除に目立った活躍を示さなかったそうです。
動物のお医者さんでは、お気軽にミケちゃんを借りていくエピソードがあります。
このように貸し借りが行われていたとは…。
貸すほうも貸すほうなら借りていくほうも借りていくほうだわ。
英語でも「借りてきた猫」と言う言葉はあるのか。
「借りてきた猫」を直訳すると
borrowed cat(猫を借りた)となりますが、
「借りてきた猫」は英語で「meek as a lamb 」と表現されます。
いきなり登場の「lamb(子羊)」ですが、
英語では「lamb」つまり「子羊」が用いられるようです。
「lamb」は「大人しい人」、「無邪気な人」、
「よい子」などという風にも訳すことができます。
「meek」は「おとなしい」、「従順な」という意味。
それで「meek as a lamb」で
「子羊のように大人しい」というニュアンスが伝えられます。
日本語では「猫」ですが、お国が違うと、違う生き物になるのですね。
また、「 as meek as a kitten(子猫)」と言う言い方もあるようです。
「猫を被る」との違い
「借りてきた猫」と似たような言葉に『猫を被る』があります。
『おとなしい』という意味があるため、
借りてきた猫の類語として使われることもあります。
しかし、この猫を被るには
『本性を隠しておとなしそうに見せる』
『知らないふりをする』というように、
意図的な行動を指す意味があることが大きな違いです。
また、語源には2通りの説があって、
一つは、猫のようにうわべだけ柔和にするという説。
猫をうわべだけ柔和で内心は貪欲だったり、
陰険だったりするものと捉えた表現には『猫根性』などがあって、
猫にとってはありがたくない言い回し。
…猫の事を嫌いな人が考えたのかしら…。
もう一つは、ネコ(わら縄を編んだむしろ)を被る意とする説。
ネコを被って姿を隠す、ということらしい。
これって”ミノ”っていうのかと思ったら、”ネコ”と呼ぶ地域もあるんですって。
つまりはこういう事ですね。
『猫をかぶる』は主に、『意図的に本来の姿を隠す』場合に使われます。
周囲によく思われたいという気持ちは誰にでもあるもので、
初対面ですぐに本性をさらけ出せる人はあまりいないでしょう。
だんだんと打ち解けて、本来の性格をさらし、
この落差が大きい人のことを
「猫を被った人」と呼ぶようですね。
今日のヒメちー
ネコとは本来、
素の自分は見せないもの。
「猫を被っている」と言っても良いでしょう。
決して借りてきた猫のようにおとなしいというわけではありません。
ふ、ふ、
ふあ~~~。
失礼。
猫を被った生活と言うのも、
なかなかに退屈なのですよ。
ここはひとつ、被った猫は脱ぎ捨てて、
ひと暴れしますかね。
猫って究極のツンデレ。
デレてる部分を隠して、ツンを装う。
つまりはやっぱり、「ネコを被って」いるのねー。
コメント
この手の失敗って少し前までは本当に結構あったって感じがしますよね( ̄▽ ̄;)
イメージ先行の失敗は沖縄のマングースも然りってところかな・・・
動物たちは僕らが思っているよりもっともっと奥深いもの(((uдu*)