性的少数者の権利を巡って活動している我々には、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が同性愛に対して非常に敵対的であることは以前からよく知られていた。
たとえば2015年に東京都渋谷区で同性パートナーシップ制度ができる直前には渋谷区で制度を攻撃するビラが旧統一教会の関連団体によって配布されている。旧統一教会と関係の深い自民党議員が性的少数者に関する政策を阻止する活動をしてきたこともよく認識している。
実は自民党の議員にも同性婚に賛成している議員はかなりいる。たとえば国会議事堂のエレベーターで一緒になった時に「同性婚制度の実現をがんばって」と声をかけられることもある。ただ、党内で保守派の影響力があることで実際の行動には結びつかず、なかなか表に出てこなかった。
からくりがみえた
同性婚に反対しているのは旧統一教会だけではなくいわゆる宗教右派全般だが、旧統一教会はそのなかでも特に同性婚阻止で暗躍していたという意味で大きい勢力だ。
旧統一教会の問題が注目されたことで、旧統一教会が自民党保守派を通じて同性婚の制度実現を妨害していたからくりが国民にもよくみえた。
なぜ世論が賛成しているのに自民党はこれほどかたくなに反対するのか、というみな疑問に思っていたことが、旧統一教会の問題が明らかになったことをきっかけに腑(ふ)に落ちた。
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