LINE生みの親・ネイバー「支配」 政府が異例の口出しをした背景

総務省=東京都千代田区霞が関で、根岸基弘撮影
総務省=東京都千代田区霞が関で、根岸基弘撮影

 LINEヤフーへの行政指導で総務省が強く迫っているのが資本関係の見直しだ。ソフトバンクと並ぶ事実上の親会社、韓国IT大手ネイバーによる「支配」をただす狙いだが、企業の資本構成に政府が口を出すのは異例。韓国では波紋が広がる。

 「日本のインフラはアプリ開発から全て、日本国内でできるようにしてください」。今春、自民党の甘利明前幹事長はソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と会い、そう告げた。

 LINEは国民生活に欠かせないインフラだ。きっちりデータを保護しなければ国家的リスクになる――。党の経済安全保障推進本部長を務める甘利氏には、そんな危機感があった。孫氏はこう語った。「僕が責任を持ってやります」

 ネイバーは2011年に日本でサービスを始めたLINEの“生みの親”。現在はLINEヤフー株式の約64%を保有する中間持ち株会社「Aホールディングス」にソフトバンクと50%ずつ出資している。LINEヤフーを共同経営する、実質的な親会社といえる存在だ。

 LINEヤフーは本来、委託先であるネイバー側の業務を監督する立場だが、そのネイバーに経営を支配され、十分な安全対策を要請できなかった。こう判断した総務省は3月、指導文書に「委託先から資本的な支配を相当程度受ける関係の見直し」と明記。事実上、ネイバーの出資比率を引き下げてソフトバンクに経営権を移すよう求めた。

 政府がネイバーの「支配」に神経をとがらせるのは、…

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