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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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「町役場跡地に職員慰霊碑を」 遺族の願いを町拒否 すれ違い、なぜ

町職員の慰霊碑建立に関する要望を平野公三町長(右)に断られ、鋭い視線を向ける小笠原人志さん=岩手県大槌町で2023年12月22日、奥田伸一撮影
町職員の慰霊碑建立に関する要望を平野公三町長(右)に断られ、鋭い視線を向ける小笠原人志さん=岩手県大槌町で2023年12月22日、奥田伸一撮影

 「私たちの思いがもてあそばれ、裏切られた」

 2023年12月下旬。岩手県釜石市の小笠原人志(ひとし)さん(71)は釜石に隣接する大槌町の役場で、平野公三町長(67)に向かって語気を強めた。認められると見込んでいた要望を拒まれ、憤りを隠せなかった。

 津波にのまれた町で、慰霊碑を建立する構想が宙に浮いています。遺族の願いは行政に聞き入れられず、思うような実現は見通せていません。東日本大震災からまもなく13年。復興の影で、今も鎮魂と伝承を巡る思いがすれ違う被災地があります。(全4回の第1回)
第2回・町民には反対や慎重論も
第3回・「原点」に建立、自然な感情
第4回・教訓伝承、支援に恩返し

 小笠原さんは、11年3月の東日本大震災で公務中に犠牲となった大槌町職員の遺族有志の会で代表を務める。自身は、福祉課職員だった長女裕香さん(当時26歳)を失った。現役の職員有志らと、死亡者や行方不明の職員を弔う慰霊碑を私費で建立しようと活動している。

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