「私たちの思いがもてあそばれ、裏切られた」
2023年12月下旬。岩手県釜石市の小笠原人志(ひとし)さん(71)は釜石に隣接する大槌町の役場で、平野公三町長(67)に向かって語気を強めた。認められると見込んでいた要望を拒まれ、憤りを隠せなかった。
津波にのまれた町で、慰霊碑を建立する構想が宙に浮いています。遺族の願いは行政に聞き入れられず、思うような実現は見通せていません。東日本大震災からまもなく13年。復興の影で、今も鎮魂と伝承を巡る思いがすれ違う被災地があります。(全4回の第1回)
第2回・町民には反対や慎重論も
第3回・「原点」に建立、自然な感情
第4回・教訓伝承、支援に恩返し
小笠原さんは、11年3月の東日本大震災で公務中に犠牲となった大槌町職員の遺族有志の会で代表を務める。自身は、福祉課職員だった長女裕香さん(当時26歳)を失った。現役の職員有志らと、死亡者や行方不明の職員を弔う慰霊碑を私費で建立しようと活動している。
この記事は有料記事です。
残り864文字(全文1282文字)
【時系列で見る】
-
震災を語るための厚み 和合亮一さん、畠山直哉さん対談
263日前 -
「詩も被災した」と言われ 和合亮一さん、畠山直哉さん対談
264日前 -
芸術と震災 詩人、和合亮一さんと写真家、畠山直哉さんの対話
265日前 -
“お母さん”と慕った祖母と指切り 震災13年、春から看護師に
265日前 -
福島原発事故で避難 東電に2420万円賠償命令 神戸地裁
266日前 -
JFAアカデミー、女子も再びJヴィレッジ拠点に 13年ぶり入寮
266日前 -
福島知事に聞く 帰還困難区域、輸入規制…東日本大震災13年の課題
267日前 -
福島第1原発1号機、圧力容器底に塊状の物体 燃料デブリか
269日前 -
東電、4回目の処理水放出を完了 異常数値は確認されず
271日前 -
「町役場跡地に職員慰霊碑を」 遺族の願いを町拒否 すれ違い、なぜ
271日前 -
星空に被災者の思いを重ね 東日本大震災13年
271日前 -
古里に灯をともす 避難指示解除で動き始めた福島の浜通り
272日前 -
福島県沖地震で原発処理水初の放出停止 楢葉町で震度5弱
273日前 -
避難呼び掛けて見えた「生死の境界線」 民生委員が振り返る3.11
273日前 -
福島・浪江のADR訴訟で和解成立 原告団長「苦渋の決断」
273日前 -
福島第1原発1号機、ドローン調査完了 燃料デブリ取り出しに向け
273日前 -
処理水放出完了まで監視継続を強調 IAEA事務局長、福島訪問
274日前 -
福島・大熊町で13年ぶり卒業式 幼なじみ2人、避難も帰還も共に
275日前 -
林官房長官とIAEA事務局長が会談 処理水放出で緊密に連携
275日前
関連記事
あわせて読みたい
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'