人口減少に伴う利用者減に加え、長引くコロナ禍や燃料価格の高騰などの影響で苦境にあえぐ地方の公共交通機関が、発想の転換で乗客数を飛躍的に伸ばした。山形県鶴岡市の庄内交通は今年10月、あえて市中心部を循環する路線バスの運行便数を4倍に増やし、バス停を20カ所以上も新設した。商機は地域の実態に合った「利便性の向上」にあった。【長南里香】
減便や路線縮小に動く交通機関もある中、庄内交通は「地域の活性化の第一歩は利便性を高めることが重要だ」という考えに立ち返り、打って出る戦略に懸けた。3路線のバスを12人乗りのワゴン車に小型化する一方、12便から48便に増便。バス停も300メートル間隔を基準に58カ所から79カ所に増やした。
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