久しぶりに暑さのゆるんだ8月の午後、東京・南池袋公園で評論家、與那覇潤さん(42)と待ち合わせた。この人の比喩まじりの冗舌を浴びたかったからだ。あちこちでくつろぐ2人連れを見やりながらポーズ写真の撮影を終え、喫茶店で向かい合うと、2年前より自信がついたように見えた。張りつめた感がなく、「はっはっは」という笑い声や「ありがたいことです」といった相づちも板についている。聞き手のこちらが相手をねめあげる姿勢をとるのに、「さあ、どこからでもかかってきなさい!」と両手を開いて迎え入れる師匠のイメージである。「作家の顔になりましたね」と言うと「いやあ、恐れ入ります」と笑顔もさわやか。おしゃべりの話題は当然、安倍晋三元首相銃撃事件から始まる。
「暗殺自体にびっくりしたと思ったら、続いて旧統一教会へのバッシングが政界やメディアのトレンドになっていて、そのあり方に僕は驚いています。つまり、グラデーション(色合いの濃淡)のまったくない社会が生まれていると思うんです」
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