「ひとり勝ち」は勝ちを独占すること。そういった意味の「ひとり」は「独り」がしっくりきます。他に、別の数字に置き換えられる人数を表す場合は「１人」、そうでないものは「一人」とすると違和感が少なく書けます。これらの迷いやすい使い分けについてまとめました。

「独り」は独占、独断、孤独

「独り勝ち」のように「独り」を使うのは、独占や、独断、孤独の意味が強い場合です。

「１人」と「一人」の使い分けは

洋数字の「１人」は内訳を示す場合など他の数に置き換えても文意が通じる場合に用います。

漢数字の「一人」は、ことわざ・成語・熟語などのほか、表現を強調する場合、単独の意味合いの強いもの、…の一員の意味など他の数に置き換えられないものに使います。

2016.11.21

「１日」と「一日」

「一日も早い復旧を目指す」の「いち」など、「一度もない」「二度としない」のように他の数字に置き換えられないものは原則として洋数字ではなく漢数字で書きます。数字の書き方数字が特別の意味合いをもっている場合、ほかの数字に置き換えられな...

「一人歩き」と「独り歩き」の違い

「ひとり歩き」のように、使い方によって「一人」と「独り」を使い分ける言葉もあります。

２人や３人などに置き換えにくい言い方なので「１人」とはしませんが、人数に重点があるときは「一人歩き」、独立してという意味の場合は「独り歩き」を使います。

「ひとり暮らし」「ひとり住まい」は３通り

「ひとり暮らし」「ひとり住まい」は「１人」「一人」「独り」の３通りで使い分けます。

２人暮らし、３人暮らしという言い方もできるので、基本的には「１人暮らし」でよいのですが、「気楽な一人暮らし」のように、語としての一体感が強く、別の数字に置き換えにくいものは「一人暮らし」と漢数字を使っています。

また「ひとり暮らしの高齢者の問題」のように、「孤独」の意味が強調される時は、「独り暮らし」の方がよいでしょう。

「ひとり暮らし」を例にしましたが、「ひとり住まい」も同様です。

こちらの動画では、より一般的な漢数字・洋数字の使い分けについても解説しています。よろしければご覧ください。

【毎日ことば９０秒】洋数字？　漢数字？（リンク先が開きます）